インサイドアウト 名著「自助論」
スマイルズの世界的名著 自助論 知的生きかた文庫 (2002/03) サミュエル スマイルズ 商品詳細を見る |
本書はサミュエル・スマイルズさんの約150年前の著書です。
明治時代に「学問のすすめ」とともに多くの人に読まれた本というから驚きます。
真理は時代が変わっても変わらないのだと思います。本書に書いてあることは150年前のものとは思えないほど現代にもあてはまります。人間として生きていく上で大切なことを教えてくれます。
本書には数々の異人が登場しますが、偉人から学べることは数多くあります。よくここまでたくさんの偉人についての情報を集められたな、ということだけでも感心してしまいます。
自助論のエッセンスは以下の10ポイントになります。
1.自助の精神
「人生は自分の手でしか開けない」
天は自ら助くるものを助く、といいますが、どんな状況にあっても自分を助けることができるのは自分しかいません。それは、現状を変えることもそうですし、現実をどう認識するかにもよるからです。
2.忍耐
「雨露に打たれてこそ若芽は強く伸びる」
ニュートンやケプラーなど数々の偉人は天才を作るのは、一つのことを集中して考え続ける、「忍耐力」と「不断の努力」である言います。
偉人の多くは自惚れることなく、とにかく努力を続けていました。
3.好機、再び来らず
「人生の転機を見抜く才覚、生かす才覚」
瓢箪から駒、なんてケースは大発明にはないのです。そう見えるかもしれませんが、ニュートンだって運が良かったわけではなく、林檎が木から落ちる、という誰でも知っている事実から万有引力の法則を発見したのです。ひらめきは天才的な努力の末に勝ち取られたものなのです。
4.仕事
「向上意欲の前にカベはない」
自分の前に立ちはだかる壁を突破する方法は、自ら努力をするということしかありません。
ベートーベンも
「神に頼るとはなんたることだ。自らの力で自らを助けたまえ」
と言っています。
5.意志と活力
「自分の使命に燃えて生きる」
努力の原動力となるのは自らの意志の力です。
「意志のあるところ、道は開ける」
「強者と弱者の違い、偉人と取るに足りない人間の違いは、旺盛な”活力”と”不屈の精神”を持っているかどうか」なのです。
6.時間の知恵
「実務能力のないものに成功者なし」
時間をコントロールすることも必要です。
ビジネスを成功させる6つの原則は
1.注意力
2.勤勉
3.正確さ
4.手際の良さ
5.時間厳守
6.迅速さ
です。
7.金の知恵
多くの場合、富は幸運を呼ぶと同時に不幸の種にもなります。
そう考えると、人生の最高の目的は、人格を強く鍛え上げ、可能な限り心身を発展向上させていくことが唯一の目標で、それ以外のものはこのための手段にすぎないという結論に行きつきます。
8.自己修養
「粘り強く努力を続ければ、誰でも人に抜きんでることができる」、「一見つまらない単調な仕事こそが天才へ通じる道であり、際限なく努力すれば際限なく絵の腕も上がる」とは画家レイノルズの言葉である。
さらに、心に響く言葉。
「卓抜な技量は、努力によってのみ与えられる。すぐれた才能を持っていれば、勤勉がその才能を一層高めるだろう。能力が人並みであっても、勤勉がその欠点を補うだろう。努力が正しい方向へ向けられてさえいれば、決して裏切られことはない。努力なしには、何物も得られない。」
9.素晴らしい出会い
「人生の師・人生の友・人生の書」
「人格者との付き合いは万巻の書にまさる」
「”巨人”への心酔が自らの才能を呼び起こす」
人脈の大切さ、読書の大切さが実感できます。
10.人間の器量
「人格は一生通用する唯一の宝だ」
立派な人格は人生の最も気高い宝です。人格はそれ自体が優れた身分であり、世間の信用を勝ち取れる財産です。社会的な地位がどうであれ、立派な人格者はそれだけで尊敬を受けます。
人は誰でも、すぐれた人格を得ることを人生最大の目的とすべきなのです。正しい手段でそれを得ようと努力すれば、ますます生きる力がみなぎり、人生観もゆるぎないものとなるでしょう。
本書はお金持ちになるための方法を説く本ではありません。本当の幸せに直結する、自己実現の方法を学ぶ本です。
自己実現とは、自分の好きなことをやって、十分に食べていくことができ、のみならずその結果が他人によって高く評価されることです。
その方法を3つにまとめると「勤勉」、「正直」、「感謝」になります。どれも特別な言葉ではありませんが、すべてを実践できている人は少ないのではないかと思います。