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男鹿半島と周辺を歩く(350)マルホ(秋田市外旭川)

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普段シフト制で勤務しているため平日の休みになることが多いが、じつは都合が良くて嫌いではない。むしろ土日が休みになるほうが困る。どこに行っても人だらけだし、メガドンキやイオンモールなんて行こうものなら駐車するにも苦労する。今日は休みだけど日曜日、日曜でも営業しており平日は会社員や作業員で満員になるあの店、そう秋田市外旭川の食堂〈マルホ〉にしよう。

普段は野郎の巣窟みたいになっている店だけど、日曜だとそれら勤め人がいないわけだから閑散としてるんじゃないかと予想した。入店するとまさにそれが的中したようで、11時過ぎだというのに客は私の他におらず、いつものカウンター席に座った。いつもの姐さん(たぶん嫁)がいなくて、見たことのない小母さんが手伝っている。いつもの小母さん(たぶん姑)は健在という感じだ。 

さて料理が来ましたよ。五目中華を注文した。豚肉、キャベツ、白菜、青菜、玉ねぎ、ニンジン、キクラゲ、シメジをサッと炒めてスープで煮込んである。トッピングは叉焼、ハム、ゆで卵、カマボコで白胡麻がふりかけてある。スープは白濁しており飲んでみるとおいしい。動物系メインのスープだが鶏々しさがないので豚じゃないかな。いや、それにしてもうまいね。しかも熱々だから気を付けないと。

麺はいたって普通の中太の縮れ麺で、ゆで加減もちょうどいい。年配の小母さんが鍋を振っているんだけど、野菜の火の通し方が絶妙なんだよ。いつもより多めにスープを飲んでしまった。会計を済ませようとすると「680円です」と(2024年12月現在)。思わず「えっ」と声が出そうになってしまった。このお店の入口の所に大きく「長崎ちゃんぽん」と書いてある。いつか食べなくちゃね。

だけど、どういうわけで長崎ちゃんぽんなんだろう。今は小母さんと姐さんで切り盛りしているが、かつては大将がいたと思うんだ。ひょっとしてその人が長崎出身だったのかもしれないし、小母さん(大将の奥さん)がそうなのかも。あるいは姐さん(嫁)の出身が長崎という可能性もある。秋田の食堂で長崎ちゃんぽんを出すのは珍しいが、きっと何かわけがあるんだと思う。


【付記】
メニューにもちゃんと「長崎ちゃんぽん」と明記してありますし、店の入口に2カ所も大きくそれを書いてアピールしています。ただあまりに古くて目立たないのには笑ってしまいます。いやもう、食べるしかないでしょう長崎ちゃんぽん。

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男鹿半島と周辺を歩く(349)まさご食堂(秋田市土崎)

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なんだか牡蠣フライが食べたくて仕方がなく「秋田市 牡蠣フライ」で検索し、情報を集めた。牡蠣は栄養価が高く低カロリーという優秀な食べ物だから、逃す手はないわけだ。近隣の飲食店が牡蠣フライの提供をやめたので、辺境の限界集落に住む者が秋田市内にのこのこ出かけている。今回は自宅から最寄り(と思われる)の〈まさご食堂〉に来ている。牡蠣フライ定食を注文した。

牡蠣は加熱したものしか食べないようにしている。牡蠣は生がいちばんなのに、という意見もあると思うが、あのニュルっとした食感とニオイが苦手なのである。幼い頃は牡蠣を食べられなかったくらいだ。広島から取り寄せたという大きな缶に入った牡蠣のニオイがもうダメで、大人たちはうまいうまいを連呼しながら食べていたけど私は頑なに食べるのを拒否した。

そもそもニオイが苦手なので、牡蠣飯とか牡蠣鍋を食べる気にならない。それらの調理法だと牡蠣のニオイがダイレクトに(時に強調されて)来るから堪ったものではない。それがうまいのに、と思う向きもあるだろう。でも本当にダメなんだ。そんな私が唯一、食べられる牡蠣の調理法がフライで、牡蠣フライが存在してくれるおかげで、なんとか牡蠣を食べられるようになった。

さて料理が来ましたよ。次にソースの入ったポットとマヨネーズを持ってきてくれた。付け添えの野菜には何もかかっていないのでマヨを使えというわけね。中くらい(?)の牡蠣が5個並んでおり、小鉢(切り干し大根とニンジン、ちくわの煮物)に漬物(刻みタクアン)、味噌汁が付いている。ごはん茶碗は深さがあるので思った以上に分量がある。こういう時に小鉢と漬物、味噌汁は嬉しい。

レモンを絞っただけの牡蠣フライを食べる。牡蠣自体が持つ塩分でいけるじゃないか。前にも書いたけど、これはごはんが進む「おかず」じゃないんだな。じゃあなんで定食にしたのか、と突っ込まれそうだが、いいんだ。牡蠣は料理として味わい、ごはんは小鉢と漬物、味噌汁で食べる。タルタルソースも付いてくるけどたぶん既製品かと。でもおいしい。すっかり満足して店を出た。


【付記】
本人(筆者)は亜鉛をとらんがために牡蠣を何度も食べるのですが、読者からすると「またか」になってしまうでしょうね。いや亜鉛だけじゃないんですよ、他にも重要な栄養成分が牡蠣には含まれているらしいです。

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阿櫻/寒仕込純米酒(限定品)

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秋田でまだ飲んでいない酒に〈阿櫻/あざくら〉がある。今回は横手市にある阿櫻酒造による純米酒だけど、4合瓶千円未満という驚きの価格。ご存知かと思うが、普通酒または本醸造の4合瓶で千円くらいが相場じゃないかな。純米となると、1500円くらいは覚悟しないといけない。もう秋田に住んで何年も経つので正直なところ衝撃はない。純米や純米吟醸がその値段でいいの、というのがいくらでもあるのが秋田でね。

猪口に注いでみると、ほんのりと色が着いているのがわかる。こういうアンバーというか琥珀色はなにも熟成によるものだけではない。ラベルの製造年月を見ると「24.11」とあるから出来立ての新酒と言っていい。それがこのような色をしているのは酵母によるものだろう。ラベルに精米歩合70%、アルコール分14度とあるので本醸造クラスの磨き込みでアルコール度数は標準と思う。

酒盃から立ち昇る香りは控えめだが微かにフルーティーさがある。飲んでみると思いの外シャープで、甘さと香りが控えめでしっかりした飲みごたえがあり、わりとはっきりした酸味とほのかな苦味のバランスがいい。これはね、昔からの日本酒/地酒ファン向けに設計、チューニングされた1本じゃないかな。こういうのホント好き。たぶん料理を引き立てるだろうし単独でも飲めるからね。

日本酒をクラシックとモダンに分けるとするなら、はっきりクラシックに分類されるタイプと思う。どちらかといえば「辛口」で、香り控えめのキリッとした酒質。そうではなくて甘くてフルーティー、フレッシュでジューシーなのがモダン酒といえる。飲んだらうまいと思うけど、何杯か飲んだら「もういいか」ってなりそうな気がするの。飲み飽きず料理の妨げにならない酒のほうが好き。

ネエちゃんに飲ませ「日本酒がこんなにおいしいなんて」とか言わせて「だろ?」という展開は今までなかったし、これからもないだろう。「なんか酔っちゃったみたい」というので「ちょっと休んでいく?」とかも。そんなのじゃなくて、ひとり静かに酒を飲んで時間を過ごすのに向いている酒じゃないかな。いやうまかった〈阿櫻/寒仕込純米酒〉、まだ上級のがあるんだよ?


【付記】
いや良かった。秋田の酒でまだ飲んでいないのがたくさんあります。何しろ30を超える酒蔵がありますから。中には一生飲めない酒もあるかもしれません。

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男鹿半島と周辺を歩く(347)みなとや(男鹿市船川)

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某日、とても寒いので食堂〈みなとや〉で味噌タンメンを食べることにした。普通の味噌ラーメンでもいいのだが野菜をとりたい。そんな時はタンメンがいいよね。関西の食堂で味噌タンメンが出ることは滅多にないの。たっぷり野菜にあっさりした味わいのタンメン、それに味噌が加わると……味噌は発酵食品でスーパーフードと言ってもいい健康効果があるんだとか。ただ塩分があるのでそこは注意しないとね。

味噌の健康効果のひとつに高血圧の予防があるという。それ自体が塩分を含む食品に高血圧予防の効果があると言われても、ね。夜食で付いてくる小袋の味噌汁に手を付けないことが多いくらいなのに。なにも塩分を目の敵にしなくてもいいんじゃないかな。塩分を度外視しても味噌の健康効果は大きいだろう。つい最近、高血圧の薬をもらいに夜勤明けに行ったら「130です」だって。

タバコ吸いまくってコーヒー飲みまくったうえに薬がほとんど切れかけている状態でそれだもの、中々良いんじゃない? 酒も相変わらず飲んでいるのにね。いろんな理由があるだろうけど、ミネラルを多く含んだ塩を使っているのもあると思う。なにせ塩化ナトリウム80%くらいで、残りはミネラルというちょっと高い塩を、水と鶏手羽元、野菜だけのスープに味付けとして使っているの。

さて料理が来ましたよ。豚肉、キャベツ、ネギ、モヤシ、ニンジン、玉ねぎが炒められており、ワカメ、コーンのトッピング。白胡麻がふりかけてある。スープの表面に脂はなく、飲んでみるとあっさりした味わいでどこかサッポロ一番を思わせる味付けになっている。う〜ん、これはうまいこと味付けしたなあ。味噌ラーメンでも色々あって、濃厚系とあっさり系とかあるよね。

これはあっさり系のいい味噌ラーメンだ。麺は中太縮れ麺でこれといった特徴はないがおいしい。野菜も「たっぷり」とまではいかないが、これくらいで良いとも思う。忘れてたけどカマボコもトッピングされている。画像1時から2時の方向に白っぽい物体が見えると思うがそれね。温まるね。あっさり系の味噌ラーメンが好きな人にお勧めしたい。お腹いっぱいになったよ。


【付記】
やっぱり味噌系のラーメンはうまいです。間違いないと思います。それにしてもサッポロ一番を思わせる味付けには驚かされました。手本をそれにしても、中々真似できるものではありませんからね。

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男鹿半島と周辺を歩く(347)ガスト男鹿(男鹿市船越)

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最寄りのガストのメニューに「濃厚ミートソース」があるので試してみた。そうかナポリタンはなくなってもミートソースは残り続けるんだ。どこにでもあるナポリタンだけど、元は有名ホテルのシェフが考案したそうだ。イタリア南部のトマトソースを使ったパスタが元になっている。ミートソースはイタリア北部の発祥で、フランスのラグー(煮込み)の影響を受けているという。

ラグー・アッラ・ボロ二ェーゼだって。ボローニャ風パスタということなんだろう。極北部はスイスやオーストリアと接している山岳地帯でもある。だから、というわけではないが酪農を中心とした食文化で、肉とチーズがメインになる。一方南部は海に囲まれているので海鮮とトマトがメインになる。ミートソースとナポリタンで図らずも南北イタリアを表していたってわけね。

さて料理が来ましたよ。パスタの上に乗せるのではなく、本場風に混ぜ込んである。アメリカンなケチャップがメインの感じではなく赤ワインを使ったような感じに仕上がっていて、ミートソースというよりボロネーゼに近い感じだろうか。わりと太めの生パスタにソースがしっかり絡んで食べ応えがある。個人経営のよくある「ミートソース」を超えた感じがするね。

でもよくあるミートソースは、それはそれでうまいんだよ。たまに食べると「これこれ」って思うもんね。有名ホテルやレストランはともかく、セロリが入ってなくても、赤ワインを使っていなくても、身近にある材料を使って工夫したんだと思う。そのブレというかむしろ拡がりを楽しむのが現代なのかもしれないね。思ったより肉々しい感じで満足感のあるいいミートソースだった。

昔ながらのミートソースは、もう個人店でしか味わえないようになっていくんだろうね。でも個人店は減少傾向にある。最近では個人店の仕込みから提供までを撮影した動画が見られるけど「どんだけ働いてるんだ」って思う。だけど単価を上げるわけにはいかないから、わりが合わないよね。もしかしたら大手チェーンが「昔ながらのミートソース」で再現メニューにするかも。すき家のカレーみたいにね。


【付記】
提供する側からすると、もう出来上がっているソースとパスタを和えるだけなので、ミートソースのほうがやりやすいのでしょう。ナポリタンは具材を炒めないといけないので、ある程度の技術が必要なのです。

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