Battle Brothers が面白い
たいへんお久しぶりです。お元気でしょうか。
この1年半ほどは、地球のNPCの問いかけにすべて「Yes」で答えていたところ、クエスト一覧が30ページぐらいになって難儀していました。はやく人としてのアーリーアクセスを脱したいです。
誰もご覧になってないのではという懸念はさておき、気になるゲームが出たので記事を書きました。
これです。Battle Brothers。4月にSteamでアーリーアクセスを始めたばかり。複雑で独創的なゲームがつくりたいと息ごむドイツのOverhype Studiosの第一作目。
傭兵団を自称する最大12名のごろつきが、Mount&Bladeのように地図上を放浪。敵グループと出会ったらXcomやタクティクスオウガのようにターン制戦闘を戦い、死体から装備を剥ぎ取っては近隣の村で売りさばく。やや野蛮なゲームです。
放浪パートは面白くなりそうな予感こそあれ作りかけです。まだクエストの種類が少なく、イベントやストーリー、終わりさえもありません。自動生成されるマップ上では、各勢力がきちんとリソースを消費して偵察部隊を「生産」していたり、山賊が街道を往くキャラバンを追い回していたり。プレイヤーの介入なしでも勝手に動く世界を実現したいのでしょう。村ごとに物価が大きく違うので、そのうち交易も可能になるのかもしれません。
気に入ったのは、核となる戦闘パートです。
これまでファンタジーテーマのターン制ゲームはいろいろ試してきたのですが、なにか物足りなさを覚えてきました。具体的には、全体の完成度や難易度とはまったく別の話で、戦闘ルールが抽象化されすぎていたり、魔法合戦が主だったり、再現したいものがヒーローの超人性や特定の古いCRPGのプレイ感覚だったり、ひどいものだとDiabloやWarcraftを工夫もなくターン制に移し変えただけだったり。要はルールのみでは生身の人間が剣と盾を持ってぶつかりあう情景が見えてこない、見せる気もないというか。銃撃戦ものではX-comやJaggedAllianceシリーズ、もっと踏み込んでロシアの7.62系のように、現実的な武器の運用やそれらしい状況の再現にこだわった作品が数出ているのですが、そのファンタジー版が欲しかったのです。
Battle Brothersも、へクス(6角マス)の採用は少数派と思いますが、ヘルスがなくなると死ぬ、素早い者から行動するイニシアティブ制など基本は普通です。
ただ、装備ごとに専用アクションがあることで特徴をつよく感じられ、使い分けの面白さがあるのがまずよい点と思います。高所から撃ち下ろすと強力な弓ですが、盾持ちには効果が薄く、その盾をかち割れるのが戦斧で、鎧はウォーハンマーで叩き潰します。 大剣は範囲攻撃を、槍は敵の接近の阻止を得意とします。使った武器や鎧は行軍中に修理しないと壊れてしまいますが、その時間や物資がないことも多く、いつもボロボロの装備で戦う羽目になるのも傭兵部隊らしくていい感じです。
乱戦では、ZOC(周囲1マスの移動阻止ゾーン)と突き飛ばし/引き寄せ能力を使って局所的優位をつくりだすパズル性があるため、単純な殴り合いとはなりません。あらゆる行為はユニットを疲労させますから、Chivarly並にスタミナに気を配る必要があって、重い鎧をあえて着ない選択も大きな意味を持ちます。モラルの処理も自然で、仲間が倒れたときばかりでなく、一太刀浴びるごとに兵士のやる気がなくなり、戦闘力が落ちていきます。
オークやスケルトンが登場するファンタジー世界ですが、魔法はすでに失われ、エンチャントアイテムにわずかな痕跡を残すのみ。ゲーム・オブ・スローンズのバランスでしょうか。誰もにDarkest Dungeonのような固有の「癖」と、傭兵になるまでの背景がランダムに与えられ、死んだらそれまで。蘇生手段はおろか、戦闘中の回復手段すらありません。金のために集まった元農夫や石工や追放騎士が、戦のたび腕を上げ、思いもよらぬ活躍を見せ、土壇場で怖気づき、そして突然命を落とします。個人的にDarkest Dungeonに期待して得られなかったものが、これにはあります。
現時点では若干単調だったり、スキルツリーによる成長の幅がそれほどなかったり、難点もあるのですが、とにかく基礎となるルールシステムのまとめ方がしっくりきました。戦闘部分のみのデモが公開されているのでぜひお試しください。ふるいバージョンですが基本はそんなに変わっていません。
以下は余談です。
この1年半ほどは、地球のNPCの問いかけにすべて「Yes」で答えていたところ、クエスト一覧が30ページぐらいになって難儀していました。はやく人としてのアーリーアクセスを脱したいです。
誰もご覧になってないのではという懸念はさておき、気になるゲームが出たので記事を書きました。
これです。Battle Brothers。4月にSteamでアーリーアクセスを始めたばかり。複雑で独創的なゲームがつくりたいと息ごむドイツのOverhype Studiosの第一作目。
傭兵団を自称する最大12名のごろつきが、Mount&Bladeのように地図上を放浪。敵グループと出会ったらXcomやタクティクスオウガのようにターン制戦闘を戦い、死体から装備を剥ぎ取っては近隣の村で売りさばく。やや野蛮なゲームです。
放浪パートは面白くなりそうな予感こそあれ作りかけです。まだクエストの種類が少なく、イベントやストーリー、終わりさえもありません。自動生成されるマップ上では、各勢力がきちんとリソースを消費して偵察部隊を「生産」していたり、山賊が街道を往くキャラバンを追い回していたり。プレイヤーの介入なしでも勝手に動く世界を実現したいのでしょう。村ごとに物価が大きく違うので、そのうち交易も可能になるのかもしれません。
気に入ったのは、核となる戦闘パートです。
これまでファンタジーテーマのターン制ゲームはいろいろ試してきたのですが、なにか物足りなさを覚えてきました。具体的には、全体の完成度や難易度とはまったく別の話で、戦闘ルールが抽象化されすぎていたり、魔法合戦が主だったり、再現したいものがヒーローの超人性や特定の古いCRPGのプレイ感覚だったり、ひどいものだとDiabloやWarcraftを工夫もなくターン制に移し変えただけだったり。要はルールのみでは生身の人間が剣と盾を持ってぶつかりあう情景が見えてこない、見せる気もないというか。銃撃戦ものではX-comやJaggedAllianceシリーズ、もっと踏み込んでロシアの7.62系のように、現実的な武器の運用やそれらしい状況の再現にこだわった作品が数出ているのですが、そのファンタジー版が欲しかったのです。
Battle Brothersも、へクス(6角マス)の採用は少数派と思いますが、ヘルスがなくなると死ぬ、素早い者から行動するイニシアティブ制など基本は普通です。
ただ、装備ごとに専用アクションがあることで特徴をつよく感じられ、使い分けの面白さがあるのがまずよい点と思います。高所から撃ち下ろすと強力な弓ですが、盾持ちには効果が薄く、その盾をかち割れるのが戦斧で、鎧はウォーハンマーで叩き潰します。 大剣は範囲攻撃を、槍は敵の接近の阻止を得意とします。使った武器や鎧は行軍中に修理しないと壊れてしまいますが、その時間や物資がないことも多く、いつもボロボロの装備で戦う羽目になるのも傭兵部隊らしくていい感じです。
乱戦では、ZOC(周囲1マスの移動阻止ゾーン)と突き飛ばし/引き寄せ能力を使って局所的優位をつくりだすパズル性があるため、単純な殴り合いとはなりません。あらゆる行為はユニットを疲労させますから、Chivarly並にスタミナに気を配る必要があって、重い鎧をあえて着ない選択も大きな意味を持ちます。モラルの処理も自然で、仲間が倒れたときばかりでなく、一太刀浴びるごとに兵士のやる気がなくなり、戦闘力が落ちていきます。
オークやスケルトンが登場するファンタジー世界ですが、魔法はすでに失われ、エンチャントアイテムにわずかな痕跡を残すのみ。ゲーム・オブ・スローンズのバランスでしょうか。誰もにDarkest Dungeonのような固有の「癖」と、傭兵になるまでの背景がランダムに与えられ、死んだらそれまで。蘇生手段はおろか、戦闘中の回復手段すらありません。金のために集まった元農夫や石工や追放騎士が、戦のたび腕を上げ、思いもよらぬ活躍を見せ、土壇場で怖気づき、そして突然命を落とします。個人的にDarkest Dungeonに期待して得られなかったものが、これにはあります。
現時点では若干単調だったり、スキルツリーによる成長の幅がそれほどなかったり、難点もあるのですが、とにかく基礎となるルールシステムのまとめ方がしっくりきました。戦闘部分のみのデモが公開されているのでぜひお試しください。ふるいバージョンですが基本はそんなに変わっていません。
以下は余談です。
- むさくるしい男ばかりなのは何かの主義によるものではなく、女傭兵も追加予定だそうです。
- Permadeathとはいえ、セーブ&ロードは戦闘中以外いつでもできます。
- 馬は実装するかどうかも含め検討中とか。
- 向きの概念がないのはあえてだそうです。実際には向きなんて一瞬で変えられるはずなのに、背中を見せた状態で行動を終えると敵のターン中ずっと不利になる、それは変という理屈。たしかにそうかもしれません。そのかわり、ひとりを複数で攻撃すると命中しやすくなるOverwhelmedボーナスがあります。
- いまのところ更新は頻繁に行われています。