ファミリー・ネスト
Csaladi tuzfeszek
1977
ハンガリー
タル・ベーラ 監督・脚本
ラーツ・イレン、、、イレン
ホルバート・ラースロー、、、ラツィ(イレンの夫)
クン・ガーボル、、、ラツィの父
クン・ガーボルネー、、、ラツィ
タル・ベーラ監督の長編処女作。22歳の時のものだと謂う。
わたしはタル・ベーラ監督というヒトをそもそも知らない。ハンガリーの鬼才として人々に恐れられてるらしい。
この作品で初めて触れた。
物凄い社会派でないの、、、。ドキュメンタリータッチのほぼ会話劇である。とてもしんどくて観ていられない程の。
イレンは首都ブダペストにいるが、住むところが無いという悲惨さ。
務めは低賃金で残業も多い。
極貧で貯蓄もままならず、娘は病気を持っており定期的に通院している。夫は酒飲み。
アパートや公営住宅が借りられず、居場所が無い為夫の実家にいるが、義父が凄まじい毒父で取り付く島もない。
妻・夫・幼い娘といる時は、とても親和的な関係が保て、安らかな時間が過ごせるのだが、、、。
義父が入るだけで常に修羅場となる。
もう自己中で義理の娘が気に喰わず絶えず文句しか言わない。毒舌もよいところ。
食事時に幼い娘が口の周りに食べ物が付いたくらいで、躾がなっていない、親が教育してない、帰りが遅いから俺がいつも面倒見てやってる、一体どういうつもりだ、俺の金で生活しおって。お前残業とか言って浮気してるな、まで飛躍する。
飛んでも無い言いがかりである。遅くまで仕事をし、役所には公営住宅の抽選に足しげく通い、娘を病院に送迎し、大変な毎日を送っているのだが、その仕打ちなのだ。夫も間に挟まれていて、親父の好き勝手にさせている。これではどうにもならない。
然も父が夜遅かったり帰って来れなかったりした時に仕事の労を労うではなく、息子と孫のいる前で浮気を責めたりしており、夫もそれに乗って疑ったりしている。最悪の構図だ。そこで幼い娘が泣きじゃくる。
この環境は誰にとっても最悪と謂える。
そして毒オヤジにたたき出されイレンと娘は家を出るが、住む場所も無いところで彷徨い歩いている。
終盤、自分の部屋があったらどれだけ良いだろう、また三人で暮らせると涙ながらに語るインタビュー形式となる。
夫も自分がここを出て、アパートに住めれば、直ぐに二人を呼んで暮らしたいと涙ながらに語る。
だったらもっとしっかりしろと謂いたい。父からキッパリ自立しな!
但しまだ夫婦の関係は生きている。それなら子供の為にも、何処かに住むところを見つける事だ。
何もブダペストのような都会でなくても良いではないの。子供の為にも物価も安くのんびりしたところで過ごすことも考えてみたら。
ともかく、ふたりとしては、家族3人だけで暮らす部屋があれば、まずはOKということだ。
そうだと思う。早急に解決しなければならぬ課題だ。安らかな巣は絶対に必要。
あの自分じゃ平気で浮気している自己中毒爺からうんと離れた、片田舎にでも住むことを薦めたい。
住所は絶対に教えず。
毒親に関わっていては人生ダメにするだけ。
まあそれにしても貧しく辛いだけの作品だねえ。
cs2にて