前回の記事「「拾いもの画像」は拾った人のものじゃない」に対して、言及先のコメント欄でこんなコメントが。
たちばなさんは、海外などからもらってきた素敵な画像を、Yahoo!ブログ専用タグにするように頑張って作って、みなさんに使っていただきたい、そうじゃないですか?
↑うわ、この記事(引用者注:「拾いもの画像」は拾った人のものじゃないを指す)ひどい。
たちばなさんと私たちを中傷する内容です。
これは違反報告しても良いと思います。
素材を制作する側として、いろんなことされていろんなこといわれて…。たちばなさん、悲しいですよね><
(これを書いている途中に、上の2件のコメントは削除されてしまったようです)
前回の記事がなぜに「中傷(=根拠のない悪口)」なのかサッパリ分からないわけですが、それは些細な揚げ足取りなのでどうでもいい。
俺が問題だと思うのは、Yahoo!ブログにおける素材配布サイト(正確には素材紹介サイト)の身勝手さだ。
今回取り上げたたちばなさんの主張を整理すると。
- 海外ウェブサイトに掲載されていた素敵な画像を見つける(それはフリー素材らしい)
- 自分のYahoo!ブログで画像直リンクによって紹介
- 自分が紹介したその画像を、自分に断りなく紹介しているYahoo!ブログを発見、相手のコメント欄に削除要請をするも、荒らし扱いされてコメントを消される
- そのことを自分のYahoo!ブログに書き「無言での画像利用はマナー違反です」と啓蒙
……と、こんなかんじ。
件の「海外ウェブサイト」のFAQを中学一年程度の英語力で読んだところ、どうやら個人サイトで自由に使って良い画像を集めているところらしい(間違った解釈かもしれないので、英語力のある人のフォローを求めたいところ)。もっとも、そこに掲載された画像が、全てそのウェブサイトに利用してもらうことを目的にアップされたものなのかまでは分からない。画像の作成者の全く知らないうちに、赤の他人によって「フリー素材」としてアップされたものも含まれているかもしれないが、そこまで考えると話が複雑になるので、ここでは「全ての画像が、作成者の合意のもとにアップされたものである」という前提で話を進める。
- たちばんさんは、海外のウェブサイトで素敵な画像を見つけた。
- どうやらそれはフリー素材のようなので、自分のYahoo!ブログで紹介する事にした
ここまでは問題がない。
ちょっと分かりにくいのが難だけど、文末で紹介画像の掲載元へのリンクもなされている。
フリー素材の紹介記事が、画像の表示とその画像のURLだけというのは、ブログの記事としての質を疑うが、素材の配布元が「自由に使ってね」としているのならば、特に問題はないだろう。
- たちばなさんは、偶然、自分が紹介したフリー素材をそのまま掲載したYahoo!ブログを見つける。
- その人から一言も挨拶もないことから、自分が紹介した画像を勝手に利用されたと、これを糾弾する。「素材の再配布はマナー違反ですよ」と。
たちばなさんが検証の為に設けた、自分のエントリと相手のエントリのリンクを比較すると、確かにパクリ臭が感じられる。件の「海外のウェブサイト」では数え切れないほど多くの画像がアップされているにもかかわらず、お二人がYahoo!ブログに掲載した画像が全て同じという偶然はちょっと考え難い。(相手のエントリに掲載された画像の方が、数が少ないことから、相手はたちばなさんが紹介したものの中から気に入った物を選んだと思われる)
俺としては相手側の姿勢も疑わざるをえないのだが、それ以上にたちばなさんと彼女のYahoo!ブログのコメント欄で応援する人の思考に疑問を抱いた。
「素材の再配布はマナー違反ですよ」と言うたちばなさんの記事自体が「素材の再配布」行為である事は、前回も書いたとおり。再配布した画像がフリー素材であることを理由に自分を正当化するのならば、それを再配布した相手の行為も咎めることは出来ない。
紹介した画像が同じだから再々配布だ、それはイクナイ! という考えなのかもしれないが、相手がたちばなさんのYahoo!ブログから画像URLをコピーしたのか、元のウェブサイトからコピーしたのかは分からない。それに「再配布は良いけれど、再々配布はダメ」という理屈なのだとしても、それもよく分からないローカルルールだ。もともと素材を配布しているウェブサイトのローカルルールとして「再配布は良いけれど、再々配布はダメ」を掲げているのなら分からなくもないが(再配布か再々配布なのかを、どうやって見極めるのかは不明だが)、「フリー素材だから紹介します」というたちばなさんが「再配布はダメ」というローカルルールを設けるのは理解の範囲外。
素材の利用に寛容な海外サイトを利用しているたちばなさんが、その素材を利用する他者に対して寛容ではないのは、疑問を感じる。
冒頭で引用したコメントでは「海外サイトの画像を、Yahoo!ブログ用のwikiタグにするようにがんばって作った」という応援もあったが、画像を表示する為のタグを記述する行為は「作った」とは言えない。それを通してしまえば、画像を表示する為のHTMLタグを記述することも「作った」ことになる。「作った」=努力したという印象を植え付けられそうになるが、HTMLの記述は「創作」とは程遠い。Yahoo!ブログ用のwikiタグはHTMLを簡略する為に用意されている物なので、wikiタグはHTMLタグの記述とは全然違う、という言い訳も成立しない。
どうも自分にとって都合のよいマナー観を作り上げて、それを身内で共有しているだけのように思える。身内のみで適用して、そのマナーから外れた行為を行うものを村八分にするのなら構わないが、「ローカルルール」を適用すべきなのは、あくまで「ローカル」=仲間内だけにすべきだ。
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Comments: 2
- #3985 響 URL 2009-03-25 Wed 02:01
相手の方のブログも拝見しましたが、こちらも他所から持ち帰ったものを再配布されているみたいですね。
中には某鼠国でアップロード禁止されている壁紙や芸人さんの画像もあってビックリ。
なので、同じことしてる片方は放っておいて、片方だけ晒すというのはいかがなものかな…と少々違和感を覚えました。- #3987 ekken URL 2009-03-25 Wed 21:05
俺が問題視しているのは「ウェブ素材の再配布」ではないので、相手の方を持ち出す必然性がありません。
よろしければ続きの記事もご覧ください。
続々・「拾いもの画像」は拾った人のものじゃない
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