映画賞

アカデミー賞、日本アカデミー賞、カンヌ国際映画祭、ゴールデングローブ賞、ベルリン国際映画祭、ベネチア国際映画祭など、世界各国で開催されている映画賞・映画祭の受賞作品を紹介。

アカデミー賞Academy Awards

アメリカを中心とした各国の映画業界人で構成される映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences、AMPAS)が主催する映画賞。1929年の第1回開催から続く長い歴史を誇り、映画界最大の祭典として広く知られる。例年2月に行われる授賞式の前年1年間に米国内で特定条件を満たして公開された作品を対象に選考。作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、主演女優賞など数多くの受賞部門があり、各部門の受賞者には通称「オスカー」と呼ばれる黄金像が贈られる。

開催数(年度) 受賞作品
第96回 アカデミー賞特集(2024年) オッペンハイマー
第95回 アカデミー賞特集(2023年) エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
第94回 アカデミー賞特集(2022年) コーダ あいのうた

日本アカデミー賞Japan Academy Film Prize

1978年から開催されている日本映画界におけるアカデミー賞。米国アカデミー(AMPAS)の正式許諾を得て発足した日本アカデミー賞協会が主催する。米国のアカデミー賞同様に受賞部門には作品や監督、脚本、俳優をはじめ撮影、照明、美術、録音、編集といった技術部門も設けられている。各部門で発表された複数の優秀賞受賞作品・受賞者の中から授賞式当日に最優秀賞の受賞作品・受賞者が発表される。授賞式は例年、日本テレビで放送。

開催数(年度) 受賞作品
第47回 日本アカデミー賞(2024年) ゴジラ-1.0
第46回 日本アカデミー賞(2023年) ある男
第45回 日本アカデミー賞(2022年) ドライブ・マイ・カー

カンヌ国際映画祭Festival International du Film de Cannes

毎年5月にフランス南部の都市カンヌで開催される、世界で最も著名な映画祭。ベネチア国際映画祭、ベルリン国際映画祭と並び「世界3大映画祭」の1つに数えられる。コンペティション部門に出品された作品から、最高賞の「パルムドール」や次点にあたる「グランプリ」など各賞が、審査員団によって選出される。コンペティション部門のほか、独自の視点やスタイルをもった作品を対象とした「ある視点」部門などがある。1946年から開催。日本作品では過去に今村昌平監督、是枝裕和監督らの作品がパルムドールを受賞している。

開催数(年度) 受賞作品
第77回 カンヌ国際映画祭(2024年) ANORA アノーラ
第76回 カンヌ国際映画祭(2023年) 落下の解剖学
第75回 カンヌ国際映画祭(2022年) 逆転のトライアングル

ゴールデングローブ賞Golden Globe Awards

1943年創設と長い歴史をもつ映画賞。例年1月に発表されることから2月発表のアカデミー賞の行方を占う上でも重要とされ、数あるアメリカの映画賞の中でもアカデミー賞に次ぐ知名度を誇る。映画部門とテレビ部門が設けられ、さらにその中でドラマ部門とミュージカル/コメディ部門に細分化されているのが特徴。同業者が選ぶアカデミー賞と異なり、記者やジャーナリストが投票する。第80回まで主催したハリウッド外国人記者協会(The Hollywood Foreign Press Association、HFPA)が2023年に解散し、2024年の第81回からは、HFPAから権利を引き継いだテレビ制作会社のディック・クラーク・プロダクション(DCP)が主催。2024年時点で、世界に300人以上の投票者がいる。

開催数(年度) 受賞作品
第82回 ゴールデングローブ賞(2025年) ※2025年1月5日(現地時間)授賞式
第81回 ゴールデングローブ賞(2024年) オッペンハイマー
哀れなるものたち
第80回 ゴールデングローブ賞(2023年) フェイブルマンズ
イニシェリン島の精霊

ベルリン国際映画祭Internationale Filmfestspiele Berlin

毎年2月にドイツのベルリンで開催される映画祭。1951年から開催され、カンヌ、ベネチアと並ぶ「世界3大映画祭」の1つ。ベルリン市の紋章である熊にちなんだ「金熊賞」を競うコンペティション部門のほか、フォーラム部門、パノラマ部門などの公式部門がある。コンペティション部門では金熊賞のほかは、次点にあたる審査員グランプリをはじめ、監督賞、男優賞、女優賞には「銀熊賞」が贈られる。日本では、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」がアニメーション作品として初の金熊賞を受賞したことで知られる。

開催数(年度) 受賞作品
第74回 ベルリン国際映画祭(2024年) ダホメ
第73回 ベルリン国際映画祭(2023年) アダマン号に乗って
第72回 ベルリン国際映画祭(2022年) 太陽と桃の歌

ベネチア国際映画祭Mostra Internazionale d'Arte Cinematografica

毎年8月下旬から9月初旬にイタリアの都市ベネチアで開催される映画祭。カンヌ、ベルリンと並ぶ「世界3大映画祭」の 1つで、1932年が初開催と国際映画祭の中で最も古い歴史を持つ。コンペティション部門では、金色の獅子をかたどったトロフィーが贈られる最高賞の「金獅子賞」のほか、監督賞や審査員グランプリの「銀獅子賞」、男優・女優賞にあたる「ボルピ杯」、新人俳優賞の「マルチェロ・マストロヤンニ賞」などが選出される。日本作品では過去に黒澤明監督、北野武監督らの作品が金獅子賞を受賞。大島渚監督と塚本晋也監督が審査員を務めたことがある。

開催数(年度) 受賞作品
第81回 ベネチア国際映画祭(2024年) ザ・ルーム・ネクスト・ドア
第80回 ベネチア国際映画祭(2023年) 哀れなるものたち
第79回 ベネチア国際映画祭(2022年) 美と殺戮のすべて