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    エノキタケの発生条件

    ここ1〜2年内に伐採された林道沿いの樹木の切り株にエノキタケが出はじめていた。一方で、周囲に放置されていた伐採後の材からは発生は見られず。川沿いでは倒木からの発生がよく見られるが、この違いについて考えてみた。
    以前、自然公園の中の切り株からエノキタケが旺盛に発生していたことがあったが、4〜5年も経つとぱったりと発生が止まってしまった。しかし、川沿いの倒木からはもっと長い間、エノキタケは発生しているように思える。これは材の中の水分量による違いなのだろう。
    川や沢の近くにある倒木は、長い間、多くの水分を含んでいる状態が保てる。しかし、川などがない場所では倒木はすぐに乾燥してしまう。それに対して、死にきっていない切り株は、しばらくの間は水分を取り込んでいるだろう。そんな切り株も、4〜5年も経つと死んで乾燥してしまう。
    今日確認できた切り株から出たエノキタケ。おなじ林道沿いの切り株でも、日なた側の株からは発生は見られなかった。


    2024/11/17 (富士山)


    2024/11/17 (富士山)


    2024/11/17 (富士山)

    図鑑のトップバッター

    名前なんだっけ?毛ヒラタケだっけ?と思うほど、毛羽立ちが特徴的だった。キヒラタケ。自分は初見だと思うのだが、このキノコは印象に強く残っていた。なぜなら、多くの図鑑でキヒラタケは巻頭を飾ることが多いからだ。思ったよりも黄色くなかったのは、この個体だけの事情だろうか。残念ながら、不味くて不食扱いだそうだ。


    2024/11/11 (山梨県)


    2024/11/11 (山梨県)


    ※ヒダの様子。毛羽立ちがキレイ

    ポツネンと大ブナシメジ

    晩秋の広葉樹林を歩くと、ブナシメジが大きく育って一本だけ生えているのを時々見かける。写真の個体はカサの径が10cmほどで、立ち枯れ気味のブナの幹の割れ目から姿を現していた。採り残された個体なのか、群れるのが嫌いな一匹狼なのか。


    2024/11/11 (山梨県) ※大理石模様が見える


    ※ヒダの様子

    オレンジ色のヤギ

    アカマツとミズナラの混じる林の中を歩いていたら所々で小群生していた。随分とツヤツヤなヤギタケだなと思いながらスルーしようとしたが、カサの裏の淡いオレンジ色が目に入った。これはウスアカヒダタケというやつだ。持ち帰って洗浄すると、ヒダのオレンジ色がさらに強く感じられた。
    ヤギタケの近縁種ということだが、カサに滑りがありヒダがオレンジ色を帯びるのが特徴。成長するとすぐにボロボロになるヤギタケに比べると、柄などは弾力もあり随分しっかりとした質感だ。


    2024/11/5 (山梨県)


    2024/11/5 (山梨県)


    ※ヒダはオレンジ色

    クマシメジかハマシメジか

    アカマツ林とスギ林の境目に群生していた。カサの表面がフェルト布のように毛羽立っている。クマシメジだろう、と決めつけてしまったが、クマシメジと同定する際には幼菌の裏を確認すべきだった。
    幼菌時、カサの裏にクモの巣状の膜があれば、それはハマシメジとなる。しかし、ハマシメジであってもクモの巣状の膜は消失しやすく確認できることは稀なのだそうだ。また、ハマシメジのヒダの色は、カサのフチの周囲が濃くなるらしい。そして、その名の通り、ハマシメジは海岸の林に出ることが多い。クマシメジのカサの色は黒っぽい濃いめの色だとも言われるが、海なし県で見かけたこの菌はクマシメジであろうと、最終的には随分と雑な同定になってしまった。


    2024/11/5 (山梨県)


    2024/11/5 (山梨県)


    ※カサの表面


    ※ヒダの様子

    黄色いショウゲンジのようなキノコ

    キショウゲンジ。広葉樹の山の斜面に出ていた。ショウゲンジに似ていなくもないが、全体的にバサバサと堅そうな見映えだ。以前はショウゲンジとおなじフウセンタケ科とされていたが、今はオキナタケ科に分類されている。食毒不明、もしくは不味いと言われる。


    2024/11/1 (山梨県)


    2024/11/1 (山梨県)


    ※黄色い鱗片が付いているのがわかる


    ※ヒダの様子

    クロフとシロフ

    ホンシメジを探しに、過去に実績のある山に取りついた。典型的な株立ちのキレイなホンシメジに出会うことができたが、おなじ場所には、少し色白でスリムな株立ちの個体も見られた。これはシロフと呼ばれるタイプのホンシメジだろうか。生えている状態で見た時には、傘の色にもあまり差を感じなかったが、持ち帰って乾きはじめると白黒がハッキリついてきた。おなじ種類の中での変異なのか、それぞれ別種の個体なのか、ネット上でもシロフに関する情報は少なく、正直言ってよくわからない。


    2024/10/31 (山梨県) ※クロフ?


    2024/10/31 (山梨県) ※シロフ?


    ※乾き始めると黒と白の差がハッキリ出てきた


    ※クロフの柄とヒダ


    ※シロフの柄とヒダ。写真はピンク色に転び気味

    猛暑のち豊作

    今年は降雨量が多かったからか、シーズンの初めにはいろいろなキノコが元気に発生していた。「今年はキノコ豊作の年のようだ」と喜んでいたら、その後、猛暑がつづき、キノコの成長や発生がストップしてしまった。季節の移行が10日から1週間ほど遅れていた感があるが、ようやくここに来て秋到来、赤松林のマツタケも豊作のようだ。


    2024/10/19 (富士山)


    2024/10/19 (富士山)


    2024/10/19 (富士山) ※左は2本が結合していた二俣マツタケ
    Eat-a Fungi.

    Eat-a Fungi

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