「わかってもらえない」ダメな企業サイトになるための3つの条件
2011年11月22日 公開
多くのWebサイトが乱立するなか、ユーザーに対してわかってもらうという課題があります。
出来るWebページは、この「わかってもらう」事が最も重要であり、そしてこの課題をキッチリクリアしています。はたしてわかってもらえるWebサイトとは一体どんな工夫がなされているのでしょうか。
よく陥る3つの失敗から学ぶ
わかってわかってもらえないサイトになるための3つの条件とでもいいましょうか。
Webサイトにて一番陥りやすいトラップの一つに、「わかってもらえるだろう」という思い込みがあります。この「わかってもらえるだろう」という感情は何処から来るのかというと、実は結構シンプルな答えですが、「制作するときに参考にしたサイトに似せる」という部分から来ています。
最大の過ちが起こる過程には、Webサイトを作ろうと考える企業と、Web屋との間に、上下関係がある為と言えます。
例えばWeb屋に全て丸投げする企業。はっきりいって丸投げして、良い物が出来るわけがありません。
逆に、企業主導のもと制作するケース。殆どの失敗はこのケースで発生しますが、Web屋が企業の暴走をストップできない場合もいい物が出来ません。
このバランスが非常に難しく、永遠の課題かもしれません。
ここで一つ企業側の事を考えて見ましょう。
Webサイトを作ろうと考える企業が、他のサイトを参考に色々と、これから作るサイトについて考察します。Web屋が考えるのではなく、制作する企業が考えるケースです。
何について考えるかと言うと以下の3点について考えます。
- 「見やすい・読みやすい」
- 「見栄えがいい」
- 「この機能を付け加えたい」
そうです。
制作しようと考える企業の担当者が、デザインやライティングについてきっちり勉強済みという人とは限りません。なので、その担当者や、社長が見本となるWebサイトを選ぶとき、「どうして読みやすかったのか、どうして見やすいのか、どうしてその機能が必要だったのか」を考える事はないのです。
可読性はデザインだけではなく、いかにしてユーザーにわかってもらえるのかを中心に考えます。しかし殆どの場合、単にデザイン的な部分だけを参考にして制作を進めるのです。
本当にシンプルな理由ですが、企業サイトにわかりにくいサイトが出来る一つ目の理由は「わかってもらう為のページ作り」という過程を、そもそもすっぽかしてしまう事にあります。
わかってもらう項目が不透明のまま制作する
次いで「わかってもらえないサイト」になる理由は、Webサイトが持つ力を発揮し切れないまま完成してしまうことです。Webサイトが持つ力とは、当然の事ながら、ユーザーにわかってもらう事です。
企業が制作する上では、必ず何かを説得するために作られます。お金をかけてまで、毒にも薬にもならないものを作る理由などありません。
では一体何を説得するべきでしょうか?
それは、本来であれば企業が明確なビジョンを持ってWeb屋に伝えるべきものです。なぜなら企業ごとにユーザーにわかって欲しい事は違うからです。誠実なもの?面白いもの?季節的なもの?お腹がすいてくるもの?
もしもこうしたWebサイトに対する明確なビジョンが無い場合は、Web屋が導き出す必要があります。
わかってもらえない企業サイトは、こうした文章と言葉にだせる具体的な目標が不透明なままサイトが完成してしまうことが2つ目の理由です。
「運用」を制作からはずして考ている
さて、3つ目の理由です。
あらゆるWebサイトは、制作よりも運用のほうが遥かに難易度が高く、コストがかかります。
現代であれば、Twitterやfacebook、Google+、mixiページ、様々な繋がりの発生に対するコストも考えなければならなくなってきています。下手に手を出すくらいなら手は出さないほうが無難。
手を出すなら真剣に向き合わなければならないため、素人が運営する事は難しくなってきています。
ある会社で、Twitterの公式アカウントをきちんとした運営会社に委託したところ、これまでアンチファンが多かったWebサービスの利用ユーザーが、逆に支援してくれるユーザーになったという実例もあります。これまで企業には絶対声が届かないと考えているユーザーは、多少なりとも声が届いたという事実から、満足を得ると言う人も少なくないと言うことです。
また、従来どおりアクセス解析からユーザーの声を拾い、サイトの改善に努めると言うのも「運用」の一つです。
つまり、Web制作とは、公開後の運用まで含めた言葉であると言う事。それを、あいまいのままスタートしてしまうことが「わかってもらえない企業サイト」を作る3つ目の原因となっているのです。
「わかってもらう為のページ作り」とはなに?
最初の項目でさらっと書いた「わかってもらう為のページ作り」とは一体なんでしょうか。
2つ目の理由で触れた事でもありますが、ユーザーに何らかのメッセージを伝えきる事です。それは何処にでもあるありふれた言葉やイメージではなく、具体的であり、はっきりとユーザーにそのメッセージを受け取ってもらう事です。
極端ではありますが、これは大企業と中小企業では全く異なったWebサイトになる事を意味します。
誰もが知っている企業には既に信頼がありますので、少ない言葉や情報で伝えることが出来ます。しかし何の信用もまだない中小企業が、大企業と同じようなWebサイトを作っても、全くユーザーにメッセージが届きません。
単純なテキスト、イメージ、それらは信用と共に減らすことが出来ます。逆に言えば、信用が無い場合はより多くの言葉、イメージが必要になります。まずは1人。たった1人でかまわないので、その人の記憶にしっかりと残るライティングページを作りましょう。
信用と信頼が出来てきたら、3つ目の「運用」によってこれらをチェックして、少しずつWebサイトを改築していく。こうして少しずつサイトは変わっていくのです。
より直感的でわかりやすく、わかってもらう為にどうすれば良いのかを常に考えていく事。
それがわかりやすいページを作る第一歩となるんじゃないかなと思います。
それでは、また。