有益なwebコンテンツを生み出すための5つのノウハウ
人がもう一度訪れてみたいと思うサイトには、確実に良質なコンテンツが眠っている。
曖昧で、捕らえにくく、何それ美味しいの?とも言える『コンテンツ』。
そもそもコンテンツとは何なのか?
一般的に言われているコンテンツとwebコンテンツとの違いはなんなのか?これを解決できるお手伝いになればと思います。
webサイトを成功に導くのはコンテンツであると言う事実
前日書いたエントリー。
webサイトを作る時に顧客とあらかじめシンクロしておくと良い7つの基礎の攻略をしていきたいと思います。
基礎その6のサイト必須7項目の一つに『何度か訪問したくなるコンテンツページ』と書いたのですが、すぐに何通かのメールが届きました。
コンテンツと言っても、簡単ではないのは当然です。具体的に良いコンテンツと言っても、どのように捕らえればよいのかわからず、作るのも大変だと思いますが、どのようにコンテンツを作っているのですか?
良いコンテンツを生むと言う事は、それだけでアクセスや売り上げに直結します。
一般的にコンテンツと調べると以下のような回答がまってます。
さて、いよいよ『???』と頭の中がはてなであふれかえります。物理媒体(メディア)に対する「中身」。プログラムやデータを物理媒体なしで取引するときの取引対象を指すのにも用いられる。
byはてなダイヤリー
つまり『中身』という事になるのですが、『中身』とはなんでしょうか?
これを解決しない限り、良いコンテンツなど作れるわけがないのです。
コンテンツとは何か
webサイトに情報を公開する事が中身になるわけではありません。
何度も言いますが、良い中身とは、もう一度訪問したくなる『なにか』です。
具体的に説明しても、頭の中が混乱するだけですが、雑誌を思い浮かべるとわかり易いです。
雑誌を買おうと思った理由
コンテンツの宣伝、表紙に中身がなんとなくわかるようにする等の技術等。
月間・週間雑誌を買う理由
中身があるから人は買う。
中身の面白さ、便利さ、求めている情報の解決
雑誌と同じく、webでも同じ事が言える。
会社の概要を示すだけのサイトとは、名刺と同じで、必要なときに求められるだけで興味をもたれることはないです。
雑誌を買う理由、本を買う理由こそが、中身を作る時に役に立ちます。
ですから、制作するときに、頭のスイッチを切り替えて見ましょう。
以下の方法によって、自然と良質なコンテンツを生み易くなるはずです。
ノウハウ1 作る時の気持ちが、作る側になっていると駄目
作る時の気持ち。
web制作者にしても、webサイトを作ろうとする企業にしても『作ろう』というスイッチが入ると、作る側になります。一旦作る側のスイッチが入ると、どのように作ろうかと考え始めます。
これが良質なコンテンツを生み出せなくなる魔のスイッチです。
過去、webサイトを作ろうと考えた企業の取る行動のうち、7割以上が以下の行動を取り始めます。
こんな感じです。・他のライバル企業のリサーチ。
・他のライバル企業のサイトの見栄えを確認。
・大手関連企業のサイトの構成を確認。
・大手サイトに憧れる。
・見栄えの良いかっこいいサイトを作りたいと思う。
・動きのあるサイトを作りたいと思う。
作る側に回ると、なぜか普段から見もしないサイトをその時だけ見始めるという摩訶不思議なスイッチが入るのです。
まず、第一に頭の中をリセットして下さい。
これは失敗の階段を下る第一歩です。
普段から見もしないサイトを見て回るものだから、見栄えや、構造ばかりに目がいきます。
肝心な中身を見ようとはあまりしないのです。
いっぱい商品があるなぁ・・・。
うちもいっぱい出そうかなぁ・・・。
いっぱい売れてんだろうなぁ・・・。
この行為こそが、良質なコンテンツ作成からあなたを遠ざける落とし穴なのです。
デザインの確認、及びマーケティングと、コンテンツは別物です。
これらを切り分けて考える事が出来る、二つのスイッチを意識し始める事が重要なポイントとなります。
ノウハウ2 良質なサイト作成の為のコンテンツマニュアルを作る
目からうろこが落ちるほどの素敵なマニュアルは、あなた自身が実は簡単に作れます。
手始めにまず自分が高頻度で訪問しているサイト、及びブログの確認をしましょう。
会社や企業である必要はありません。
あなたが高頻度でアクセスしているサイトやブログには、100%素晴らしいコンテンツが眠っています。
まずは、あなた自身がこの当たり前の事実に気が付く必要があります。
あなた自身が、なぜそのサイトに訪問するのかを考えて、紙に書きましょう。
ただ、適当に書くだけでは意味がありません。
心理状態まで書いてみましょう。その理由も付け足しておくと、より素晴らしい資料になります。
コンテンツリストを作る
例にするといくらでも沸いて出てくるはずです。
これらの理由が、あなたのサイトに良質なコンテンツを作るための重要な資料となります。・動画を見ながら、他の人の声も聞けて楽しいから。
・寂しさを感じなくなるから。
・生活費が節約できる情報が役に立ったから。
・ニュースを見るため。
・今まで苦労していた事が、その方法を試したら苦労しなくなったから。
・笑えるから。
・暇がつぶせるから。
・これから行こうと思っている地域の情報が載っているから。
・天気が確認できるから。
例えば、パン屋さんのサイトで、お金をあまり掛けないでパンを作る方法などが掲載されていた事もありますが、こうした『情報』は非常に有益なコンテンツとなり、リピーター確保につながります。
『生活費が節約できる情報が役に立ったから』という概念と理由から、あなたのサイトに適した生活費節約術を公開しよう!と、考える。
これがより良いコンテンツを生み出すための第一歩です。
あなたのお気に入りに入っている全てのサイトには、お気に入りに追加しようと考えた『理由』が間違いなくあります。これらの理由を全て書き出す事で、その資料は永久的にコンテンツ作成の重要な資料となるのです。
同時に、他の人のお気に入りも教えてもらい、その理由を合わせて聞く事で、『コンテンツ』と『ターゲット層』の関係も少しずつ見えてきます。
こういう人は、こういう理由でそのサイトを利用すると言う情報は、あなたの血となり肉となるわけです。
コンテンツマニュアルにする
これらを『コンテンツリスト』と呼び、『寂しさを感じなくなる』という項目にも、『アクティブユーザーがいっぱいいるから』、『返事がくるから』、『他人の存在を感じれるから』、『友達がいるから』という様々な細分化された理由を付け加える事で、『コンテンツマニュアル』となっていくのです。
コンテンツマニュアルは、直接クライアントとのすりあわせにも使えます。
こういうシステムを作ると、こういうコンテンツになり、ターゲット層はこんな感じのユーザーが呼べますという流れですね。
このコンテンツマニュアルが完成する事は、あなたがインターネットをし続ける限りありません。
最も素晴らしいコンテンツ作成術は、あなたの中に眠っているのです。
ノウハウ3 コンテンツマニュアルはブログマニュアルになる
ビジネスブログというのも、最近ではコンテンツの一つになっています。
しかし、ブログを書いた事もない人が、突然ブログを書き始めたところで良いものは書けませんし、それを良質なコンテンツに昇華させることは不可能に近いです。
価値のある情報を書くと良いとか、人の役に立つ事を書けばいいと言うのが、最も多い回答ですが、そもそもその『価値とはなんなのさ、人の役に立つってなんなのさ』という根本的な部分がネックとなります。
そんな時も、あなたのコンテンツマニュアルが光輝くのです。
マニュアルを活用することで、若干使い方が変わりますが、非常に効率よくブログを書く事が出来ます。
例えば今日は
『寂しさを感じなくなるから。』
というコンテンツ項目をクリアしようと考えます。
こんなとき、掲示板やSNSの設置とかしないと無理だよ・・・となる必要はありません。
あなた自身に寂しさを感じる事があり、かつ、こんな方法で寂しさを紛らわす事が出来たという経験があるなら、一発でクリアできます。
そうです。
それを書けば良いのです。
または、寂しさを紛らわせる為に買い物をした事がある人は、どういう商品が一番良かったかを書けば良いのです。
『生活費が節約できる情報が役に立ったから。』という項目がマニュアルにあるならば、それを題材に記事を書けば良いのです。
また、色々なサイトでそういう情報を発見したならば、そういうサイトを紹介する記事を書いていけば良いのです。
『これから行こうと思っている地域の情報が載っているから。』をテーマにするならば、あなたの身近なところを紹介すれば良いのです。
このとき、あなたが『これから行こうと思っている地域の情報が載っているから。』という理由を考えたときの事を思い出してください。
そこに写真付きで紹介されていたという記憶が有るならば、あなたも写真付きで紹介していけばよいのです。
ノウハウ4 『不便』はそれだけで良質なコンテンツを生むチャンス
不便に感じた瞬間にチャンスが訪れる。
これらも、あなたが普段からインターネットをしていれば沸いてくる感情です。・こんなサイトがあれば便利なのに
・こういう付いてたら便利なのに
・この情報も一緒に掲載されていたら便利なのに
こうした感情を押し殺すのではなく、それらを解決するシステムを作ったり、提供したりする事で、良質なコンテンツを保持します。
不便を感じたら、不便を解決する方法を検索し、なければ作る。
webはそうやって成長し続けています。
漁業用に船と船頭さんを貸すサイトがありましたが、そこに、APIを利用して天気予報を付けるだけでアクセスが伸びたと言うクライアントも居ます。
天気予報サイトなんてどこでも確認できるわけですが、サイトに合わせたコンテンツの配備は、非常に強力です。
郵便番号を入れる欄も、わざわざ郵便局サイトに飛んで調べてから入力するのと、住所を入れると自動で入ってくれるのでは、大きな差があるように、ちょっとした不便を解決する事も、コンテンツ作成に必要な事なのです。
ノウハウ5 アクセス解析によるコンテンツの見直し
サイトを公開後、アクセスを解析する事で、どのページが人気なのかがわかります。
人気のあるページにはコンテンツが隠されています。
提供する側(運営側)としては、違うページの方に誘導したいと考えていても、そんなのはユーザーの知った事ではありません。
なぜそのページが人気なのかを探りましょう。
また、逆に誘導したいと思っているのにアクセスがあまりないページには、駄目な理由が隠されています。
それはそのページに誘導する為の方法が駄目なのか?
それとも説明のしかたなのか?
リピーターが少ないのはなにか理由があるのか?
これらを探る事で、より良質なコンテンツを作成するためのヒントを得る事が可能です。
アクセス解析とは、あなたのサイトの人気を確認するものではなく、あなたのサイトに対して抱いている無言のユーザーの気持ちをなんとかして聞きだすためのシステムなのです。
まとめ
こうした5つのノウハウに共通する点は一つです。
それは、あなた自身が一人のインターネットユーザーとして見たり聞いたりしている行為こそが、コンテンツにつながるヒントになっていると言う事です。
制作側に回ると、どうしても技術に目がいきがちですが、その視点をちょっとだけ変える事が大切な事なのかなと思います。
それでは。また。
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