ライドロン
らいどろん
「RXあるところ、ライドロンとアクロバッターあり」
仮面ライダーBLACK RXの専用マシンの一つである、特殊四輪装甲車。「光の車」「重装騎マシン」の異名を持つ。
赤を基調としたカラーリングと、搭乗者であるRXを思わせる複眼のようなキャノピーや触角のようなアンテナ、車体中央を走るように配されたパイルエッジ(後述)など数々の特徴的な要素を持ち合わせている。
ライドロンは、RXこと南光太郎が第3話で怪魔界へと飛ばされた際、そこで出会ったワールド博士に託された設計図を元に造り上げた物で、第4話にて車体自体は完成したものの起動には至らず、かつてゴルゴムのクジラ怪人が、仮面ライダーBLACKだった頃の光太郎の命を救った「聖なる海の洞窟」へと運び込み、そこで生命のエキスを得た事でようやく起動したという経緯を持つ。
仮面ライダーシリーズとしては初となる、自動車(四輪車)をモチーフとしたライダーマシンであり、従来のライダーマシンとは異なる方向性を目指した結果の産物である。登場当初は「「ライダー」なのに車に乗っていいのか?」とファンの間で物議を醸した事もあるが、主にライドロンは戦場からの離脱、それに怪魔界からの帰還時など、どちらかといえばサポート的な用途で使われており、あくまで作中におけるアクションの主体はバイクである。
最高出力2000馬力・最高速度1500㎞/h(マッハ1.2)というずば抜けたスペックの持ち主であり、全ライダーマシンの中でもガジェットパーツ無しの状態で最速(※1)を叩き出す、規格外のマシンでもある。この高スピードぶりを活かした、「ライディングアロー」と呼ばれる体当たり技も有する。
その活動可能な範囲は、地上のみならず水上・水中・地中にまで及び、水中移動の際には車体後部に備わった4基の「スペクトラムスクリュー」や車体前部の超強力ライト「ビームサーチャー」が、水上走行の際には底部の「ホバーラスター」がそれぞれ活用される。
さらに、作中では地球と怪魔界を行き来した事もあるほか、映画『仮面ライダー世界に駆ける』ではなんと過去の世界にRXと共にタイムスリップし、BLACKへと退化した光太郎を救うなど、次元や時間さえも超える程の機動力を発揮した事さえある。
ボディはハイドロジルコンと呼ばれる特殊素材で構成されており、バリアを発生させ外部からのあらゆる攻撃を遮断する効果を持つ。ドアはいわゆるバーチカルドア(車体に対して垂直に跳ね上げるタイプのドア)となっており、開閉の際にはキャノピーも含めて大きく前方へ展開する。具体的な搭乗可能人数については言及されていないが、作中での描写を見る限りでは少なく見積もっても5~6人程が一度に搭乗した(※2)事もあり、その内部スペースは見た目以上に広く確保されているものとみられる。
主だった装備として、車体前部には標的の捕縛などに用いられる展開式の顎「グランチャー」、車体上部に「パイルエッジ」というノコギリ状の突起を備え、これらは地中を進む際の掘削機や戦闘時の武器としても活用される。またこれ以外にも、サーチ機能や熱センサーが完備されている。
さらなる特徴として、アクロバッターのように元からの生命体ではないにもかかわらず、独立した意志を持ち、自己の判断で行動したり、他者との意思疎通が可能であるという点が挙げられる。これは前述した起動の経緯に起因したものでもあり、車体に備わった人工頭脳「ライドマインド」が思考や意思疎通を司っている。
平時はアクロバッターと共にとある廃工場の内部にて待機しているが、上記の特性によりRXからのコールに応じてどこへでも駆けつけ、彼をサポートする事が出来るようになっている。
(※1 ガジェット付で最速を記録するライダーマシンとしては、『仮面ライダーキバ』に登場するブロンブースターが挙げられ、こちらは最速で1550km/hにまで達する)
(※2 TVシリーズ第17話より。この時はRXの他にも霞のジョー、佐原兄妹、それにクライシスによって拉致された少女達が搭乗し、怪魔界から地球へと帰還している)
- DXポピニカ
- プラデラ
いずれも放送当時発売された物で、DXポピニカ版はスイッチ操作によるドアやグランチャーの開閉、付属のフィギュアの搭乗といったギミックや、ボディにダイキャストを使用した精密な造形が売りとなっている。後者はライト&サウンドギミックを搭載し、さらに別売のアクロバッターに付属のRXフィギュアとの連動も考慮した作りとされている。
S.Hfiguartsシリーズ
2015年発売。上記の当時品以上に作中イメージを忠実に再現した造形や、各種ギミックが搭載されており、同シリーズのBLACK RX(別売)を搭乗させる事も可能であるが、フィギュア搭乗の都合上RXとの対比は作中とは若干異なる(RXに対してライドロンがやや大きめに造形されている)物となっている。
ガシャポンシフトカープレミアム シグナルレジェンドバイクセットGP2
2015年発売。同セットの中では唯一のシフトカーであるが、通常のシフトカーとは異なりリボルビングストラクチャーは採用されておらず、どちらかといえばバイラルコア寄りの機構となっている。
ベース車両には、マツダ・サバンナRX-7の初代SA22C型(※3)が使用されている。デザインは石ノ森章太郎による原案をバンダイ側で清書した物で、『海底二万里』に登場するノーチラス号がデザインイメージとされている。
ファンの間で囁かれている噂話として、「撮影途中の事故で実車両が炎上した」という物がある。これは炎上する瓦礫を突破するシーンの撮影の際、その瓦礫の火が引火した事によるものとされ、少なくとも2001年頃にはそうした噂がネット上でも囁かれていた事が確認されている。事の真偽は2023年現在も定かではないが、いずれにせよ実車両が現存していないのは確かであり、2015年公開の映画『スーパーヒーロー大戦GP』に登場した際も、フルCGによる描写とされている。
同様にファンの間での噂話の一つとして、「ライドロンの製作にあたっては前作に登場したバイク・ロードセクターのパーツが使われている」といった物もある。これについては公式に否定されており、放送終了後に『宇宙船』編集部が読者からの質問を受けて東映に質問した際、「ロードセクターは光太郎が持ち主である大門明(開発者である大門洋一の息子)へと返却した設定となっている」という回答があった事が、同誌上にて明らかにされている。
(※3 『仮面ライダー画報』のように、ベース車両についてはRX-7の二代目であるFC3Sとする資料も存在する。これは、特撮用のミニチュア版のライドロンのホイールが、FC3Sの純正アルミホイールと同デザインだった事から解釈されたものと思われる)
仮面ライダードライブ:平成仮面ライダーシリーズの一作。同作の主人公ライダーであるドライブも、専用のライダーマシンとして自動車型のトライドロンを所有することで話題を呼んだ他、前出の『スーパーヒーロー大戦GP』ではマシンともども共演を果たしている
フライングライドロン:『ウルトラマンタロウ』の登場怪獣の一体。OPテロップでは「鳥怪獣ライドロン」と表示されており、また同作の主人公の名前も光太郎であるという繋がりを持つ
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