「ちょっとくらいいいだろう」と、夜の歯磨き後にジュースを子どもに飲ませていないだろうか?また、子どもが成長すれば放課後の買い食い、部活動中のスポーツドリンク、勉強中の間食といった“ながら食べ(飲み)”の機会が増え、虫歯のリスクも急上昇してしまうという。本稿は、多保学『10000人の患者を診た歯周病専門医が導き出した 0歳から100歳までの これからの「歯の教科書」』(イースト・プレス)の一部を抜粋・編集したものです。
実は危険!スポーツドリンクは
「虫歯になって」と言っているような飲み物
子どもが虫歯にならないように、食べ物に注意している親は多いです。しかし、見落としがちなのが飲み物です。最近では、子どもに水の代わりにスポーツドリンクやジュースを飲ませている家庭もあるようです。しかし、夜、子どもに歯磨きをさせた後に、スポーツドリンクやジュースを飲ませてはいけません。なぜなら、これらの飲み物は“糖分の塊”のようなもので、それを子どもに与えることは「虫歯になってください」と言っているようなものだからです。
言うまでもないですが、虫歯の原因となる歯垢(プラーク)は、虫歯菌の餌である糖質を分解することによって作られます。そのため、糖分の多い食べ物や飲み物を摂取すると歯垢(プラーク)が蓄積されやすく、虫歯のリスクが高まります。夜中にスポーツドリンクを飲ませることは、夜中に砂糖を与えていることと同じであり、そのままにしておけば当然虫歯になってしまいます。
加えて、子どもの糖分の取り過ぎにも注意が必要です。1つは肥満につながることです。取り過ぎた糖分はエネルギー源として消費されず、中性脂肪に変化して体内に蓄積されます。また、糖分の取り過ぎでお腹が満たされてしまうと、食事の量が減って必要な栄養素を取れなくなってしまいます。さらに、幼少期から精分を取り過ぎると、甘いもの好きになる可能性が高まり、将来糖尿病など生活習慣病のリスク要因になります。
500mlのペットボトル1本に含まれる糖分は、一般的なスポーツドリンクで約20~30g、ジュース(清涼飲料水)では約30~50gとされています。