正直なところ、プロダーツトーナメントの賞金は他のスポーツに比べ高額とは言い切れません。 なので、大会の賞金だけで生活を成り立たせているプロダーツプレーヤーは日本には居ないと言っても過言ではありません。 居ても片手に余る程度ですし、毎年同じくらいの活躍が出来る保証などありません。 代表的なツアートーナメント"Perfect"を例にご説明したいと思います。 http://www.prodarts.jp/ ”Perfect" では年間17試合(2012年の場合)を、日本全国を転戦しながら戦います。 1試合平均のトーナメント参加選手は100～200名くらいです。先ず収入の方ですが、各大会にて参加選手同士の予選を戦い抜き 本戦トーナメントのBEST64以上に進めば賞金が出ます。(大会によってはBEST32以上) 優勝賞金は大会グレード(GⅠ～GⅢ)によって70～120万ですが、一方で最低賞金は1万円です。ちなみにBEST8まで進んだとしても得られる賞金は10万円以下です。 一方で支出ですが、先ずツアーに参加するには資格取得(更新)料として年間3万円をツアー事務局に収めます。 また 大会ごとにエントリーフィーとして 施設使用料(1.2万円～1.8万円)が必要です。 この他に地方での大会出場となると、会場までの交通費と宿泊費が必要になってきます。(これは方法等によってピンキリですが、私の知っているプロでは、移動に高速バスで１晩かけて行ったり、宿泊も宿ではなくマンガ喫茶を使ったりしていました) 簡単に言うと、このツアーの場合、全試合に参加し(全国を転戦しながら)賞金だけで生活するには、BEST8の常連くらいの成績を収めなくてはなりません。大会に出場するのは皆 プロテストの合格した猛者ばかり、加えて日本のトッププロもいらっしゃいますので、それがどんなに困難かは想像できると思います。 この他に2団体(2ツアー)ありますが、それも似たり寄ったりだと思っています。 では多くのプロはどの様にして生活しているのか。 まず、大会以外の収入としてスポンサー(ダーツグッズのメーカーやダーツスポット等)との契約を結びスポンサー料を得る、という方法があります。スポンサーが付く事で遠征費用(地方大会の時の交通費や宿泊費)も負担してもらえたりします。 ただし、スポンサーに見出して頂くには それ相応の活躍が必要となりますので、この方法で収入を得ているプロも数十名しか居ません。要は大会賞金で生活できるかどうか、というレベルでないとスポンサーも見向きもしない、という事です。 (大半のプロがスポンサー無しで戦っています) 大半のプロは、ダーツバーやショップの店員であったり、それらダーツスポットとインストラクター等の契約を結ぶ事で 収入と練習場所を確保しているケースが大半です。 ダーツに全く関係ない一般企業等に勤めながらツアーに参戦しているプロも結構多くいらっしゃいます。 貴方の彼もプロを目指すと言っているなら こういった実情は判っている筈です。 ですが、その事を貴方には全く伝えずにいる事が私には疑問でなりません。 彼の真意と決意がどこまで固く、貴方に対して将来をどう考えているのか、早い内に再度確認したほうが良いと思います。 そして貴方の彼も、本当にプロを目指すというなら、貴方におんぶに抱っこという甘えた現状を打破し 最低でも自分の生活分だけでも稼ぎながらプロを目指す厳しい道を目指さなければならないと私は思います。(そんなに甘っちょろくプロになれて稼げる世界などありません！) 最後は厳しい見解も書かせて頂きましたが、ダーツのプロという世界について、少しでも理解頂いたら幸いです。