富士フイルム、「FUJIFILM X-Pro1」を国内正式発表


 富士フイルムは、レンズ交換式デジタルカメラ「FUJIFILM X-Pro1」および交換レンズ3本を2月18日に発売する。価格はいずれもオープンプライス。X-Pro1ボディの店頭予想価格は15万円前後の見込み。なお、発表会の模様はこちらの記事を参照されたい。

FUJIFILM X-Pro1

 米国で9日(現地時間)に開幕した「2012 International CES」で発表し、国内での発売について未定としていた機種。

 35mm相当の単焦点モデル「FUJIFILM X100」(2011年3月発売)、28-112mm相当のズーム機「FUJIFILM X10」(2011年10月発売)、24-624mm相当の26倍ズーム機「FUJIFILM X-S1」(2011年12月発売)に続く、同社「Xシリーズ」初のレンズ交換式デジタルカメラ。

 同社が初めて投入する、クイックリターンミラーを省略したいわゆる「ミラーレス」のレンズ交換式デジタルカメラ。電子ビューファインダーと光学ビューファインダーを切り替え可能な「ハイブリッドマルチビューファインダー」や、新規マウントのFUJIFILM Xマウントを採用する。撮像素子はAPS-Cサイズの有効1,630万画素「X-Trans CMOS」センサー。

 トップカバーと本体にマグネシウムダイキャストを採用。耐環境性・耐久性に優れるという合成皮革のレザー調ボディとした。

カラーフィルター配列の変更でローパスレスとモアレ低減を両立

 新開発の撮像素子「X-Trans CMOS」は、不規則に粒子が並ぶ銀塩フィルムに着想を得てカラーフィルター配列を一般的な2×2配列のベイヤー方式から6×6配列とした。配列の非周期性を高めたことで、ローパスフィルターを搭載せずモアレ・偽色を低減したとする。

 同社はX-Pro1について「35mmフルサイズセンサー搭載機を凌ぐ解像感を実現する」と、開発発表の時点から高い解像感の画質を強調していた。画像処理エンジンは「EXRプロセッサーPro」を採用。

進化したハイブリッド“マルチ”ビューファインダー

 同社が「FUJIFILM X100」で初搭載した「ハイブリッドビューファインダー」をレンズ交換式に対応させた「ハイブリッドマルチビューファインダー」を採用。撮影情報をオーバーレイ表示できる光学ビューファインダー(OVF)と144万ドットの電子ビューファインダー(EVF)をX100同様に切り替え可能。視度調整機構は持たないが、市販の視度補正レンズ(19mm径)を装着可能という。

 フジノンXFレンズを装着すると、レンズの焦点距離に合わせて光学ビューファインダーの倍率が0.37倍と0.67倍で自動的に切り替わり、ブライトフレームのサイズも変化する。ファインダー倍率はボディ前面の切り替えレバーを引いたままにすることで、装着レンズに関わらず任意に変更することもできる。

 また、OVF使用時は「パワーセーブモード」をオンにすることで、通常約300枚の撮影可能枚数を最大1,000枚まで拡大するという。

OVF対応の多重露光やパノラマ撮影機能も

 X-Pro1には10種類の「フィルムシミュレーション」を搭載。Velvia、ASTIA、PROVIAといったモードを継承しつつ、新たにプロ用カラーネガフィルムをベースにしたという「PRO Neg. Std」、「PRO Neg. Hi」を搭載。いずれもスタジオポートレートに適するという。

 1コマの中に2つの画像を重ねて撮影できる「多重露出撮影」機能を搭載。OVF、EVF、液晶モニターのいずれでも1コマ目を表示させたまま2コマ目を撮影できる。

 カメラをスライドさせながら撮影した複数画像で1枚のパノラマ画像を生成する「ぐるっとパノラマ」も利用可能。

製品名FUJIFILM X-Pro1
レンズマウントFUJIFILM Xマウント
撮像素子APS-Cサイズ(23.6×15.6mm)有効1,630万画素X-Trans CMOS
感度ISO200-6400
ISO100-25600(拡張)
液晶モニター3型123万ドット(RGBW)
記録メディアSDXC/SDHC/SDメモリーカード。UHS-I対応
動画記録1,920×1,080/24fpsなど
バッテリーリチウムイオンバッテリーパック「NP-W126」
撮影可能枚数約300枚
外形寸法139.5×81.8×42.5mm
質量約400g(本体)
約450g(バッテリー、メモリーカード含む)

Xマウント交換レンズ3本を同時発売

 交換レンズの「フジノンXFレンズ」は、第1弾として「フジノンレンズ XF 18mm F2 R」、「フジノンレンズ XF 35mm F1.4 R」、「フジノンレンズ XF 60mm F2.4 R Macro」の3本をボディと同時発売する。いずれも1/3ステップの絞りリングを備える。

 Xマウントはフランジバック17.7mm。マウント開口部を広く確保したことでレンズをマウント面から7.5mm潜り込ませ、バックフォーカスを短縮。周辺光量の低下に配慮した。

 マウント面とセンサーの間には3枚の保護ガラスを挿入し、ホコリなどから保護する密閉構造とした。8万回/秒で振動させる超音波方式のセンサークリーニング機能も備える。

 フジノンレンズ XF 18mm F2 Rは、35mm判換算の焦点距離27mm相当の広角レンズ。店頭予想価格は5万5,000円前後の見込み。

フジノンレンズ XF 18mm F2 R

 7群8枚レンズと7枚の絞り羽根で構成。2枚のガラスモールド非球面レンズを採用する。最短撮影距離は18cm。フィルター径は52mm。サイズは64.5×40.6mm。重量は116g。

 フジノンレンズ XF 35mm F1.4 Rは、35mm判換算の焦点距離53mm相当の標準レンズ。店頭予想価格は5万5,000円前後の見込み。

フジノンレンズ XF 35mm F1.4 Rフード装着イメージ

 6群8枚レンズと7枚の絞り羽根で構成。ガラスモールド非球面レンズを1枚採用する。最短撮影距離は28cm。フィルター径は52mm。サイズは65×54.9mm。重量は187g。

 フジノンレンズ XF 60mm F2.4 R Macroは、35mm判換算の焦点距離91mm相当の中望遠レンズ。店頭予想価格は6万円前後の見込み。

フジノンレンズ XF 60mm F2.4 R Macroフード装着イメージ

 8群10枚レンズと9枚絞り羽根で構成。ガラスモールド非球面レンズ1枚を採用する。最短撮影距離は26.7cm。フィルター径は39mm。サイズは64.1×70.9mm。重量は215g。

14時30分よりUST配信

 なお富士フイルムは、26日14時30分より「『Xシリーズ』フラッグシップモデルを体感し、Xシリーズが表現する『Style』を味わう」という趣旨のイベント「X-Night」のUSTREAM配信を行なう。

オプションでハンドグリップやクリップオンストロボも用意した

【18時10分】製品画像を追加しました。




(本誌:鈴木誠)

2012/1/26 14:22