メディアの品格
「法の未整備、「裏技」でしのぐ」なんて記事をみた。
京都府警「最強」の理由として、ウィニー摘発の中心メンバーで同室補佐の木村公也警部(52)は…「被害届を受けてから動き出すのではなく、今ここで手を打たなければいずれ大変なことになる、という自分たちの問題意識で捜査を始める。摘発した事件の8~9割はこうして掘り起こしたもの」
法制などが未整備な世界だけに、「あらゆる法令の駆使」がカギになる。昨年、コンピューターウイルスの作成者を逮捕した際に適用したのは著作権法違反と名誉棄損。日本にはウイルスの作成、放出を処罰する法律がないため、感染すると画面に現れるアニメ画像と個人写真の無断使用を問う「裏技」だった。
写真は別人と見受けられるが、Winny事件では、検察は、法廷で警察の捜査担当者の名前を聞くことまで「2ちゃんねるで殺人予告がでたらこまる」と文句を付けてきたのである。しかし、実際は、こんなことろで実名丸出しである。少し呆れてしまう。
中心メンバーというからには、Winny事件の無罪が確定した際には、木村警部から謝罪していただけるのだろうか?
それにしても、この記事の内容を冷静に見れば、お巡りさんが問題と思えば、こじつけのような逮捕・捜査、告訴のない親告罪でも見込み捜査をしてもかまわないんだということを称賛しているにすぎない。
Winny事件では、高裁では、木村警部らの違法な取り調べを認定し、一部の供述証拠が証拠排除された。京都府警の裏技には違法捜査が含まれるとでもいうのだろうか?
私は、そんなものを肯定する気はない。
これを嬉々として掲載する程、日本のマスメディアの刑事訴訟法への意識は地に落ちたのであろうか。すこしやるせない。
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コメント
マスメディアの動向は民意を反映するものですから(所詮人気商売です)、「法治国家」の主権者の、刑事訴訟法への意識の程度がこの程度のもの、ということなんではないでしょうか? そんな状態を改善する努力は全くないままに参加制度だけできたように思っています。
投稿: metanest | 2009/11/23 12:52