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大阪市立東洋陶磁美術館『高麗青磁-ヒスイのきらめき』

水曜日、午前中は大阪市内で仕事。朝もJRは混乱していたようだ。こちらは地下鉄移動だったので、特に影響は無かったが。わりと早めに終わったので、大阪市立東洋陶磁美術館『高麗青磁-ヒスイのきらめき』

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世界屈指のコレクション総出に、大阪市美、東博、大和文華館、静嘉堂、根津、寧楽などから名品多数、韓国国立中央博物館協力という、「北宋汝窯青磁水仙盆」以来の本館本気の展覧会だった。観ながらだいぶ興奮してしまった。

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展覧会は高麗青磁の再発見と再現からはじまっており、19世紀末年以降にその美的価値を海外で再評価され、再現作品が多く作られた紹介を実作品多数ではじめて

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高麗青磁と再現作を並べたり、これはただ事ではないぞ、という構成。そして序章最後の言葉で期待はいや増すのである

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第1章は高麗における茶文化と、そこに用いられた茶器としての高麗青磁。中国の模倣から、それを凌駕する質のものが作られる様子

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茶器と酒器の似ているようで細かく異なる姿形などか、器の用途ごとに、日本屈指の名品の実物を鑑賞しながら学べるので、器好き酒好き茶好きとしては興奮しっぱなしである

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その後の展示も、枕、化粧道具、皿、花瓶…などなど、用途別に200以上の高麗青磁がならび、どれもこれも日本中から集めた優品ばかりで美しさに見惚れてしまう。

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そして改めて、大阪市立東洋陶磁美術館のコレクションの素晴らしさが浮き立つのだった。11月25日までです、お好きな方は是非。

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蓮の花が花瓶に。しかしこの展覧会、ちょっと残念なのが、とても詳細でわかりやすいキャプション、日本語と英語しか無い。中国語とハングル皆無。この美術館を訪れる人は韓国人中国人の割合が高く、しかも扱っているものはまさに中国朝鮮の文化の結晶なのだから、キャプションの多言語表示は是非ともやってほしい。

ちょいと話は脱線しますが、この展覧会について調べていて読んだ『在日朝鮮文化財問題のアートマネジメントの観点よりの考察』という興味深い論考。2004年。

CiNii 論文 -  在日朝鮮文化財問題のアートマネージメントの観点よりの考察 (情報表現学科特集号)

https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&ved=2ahUKEwiysqXhzNLdAhUMxrwKHVt_DC4QFjABegQICRAC&url=https%3A%2F%2Fshobi-u.repo.nii.ac.jp%2F%3Faction%3Drepository_action_common_download%26item_id%3D238%26item_no%3D1%26attribute_id%3D21%26file_no%3D1&usg=AOvVaw2GdKO588gnJBlbvGEH-t73

論点が拡散して雑駁なレポートの印象を受けるが、逆にそれが読み物として面白い

この中で、韓国国立中央博物館の担当者が2005年の移転新館建設にあたり、大阪市立東洋陶磁美術館を訪れ、高麗青磁の展示空間の参考にした、という話が。小林仁氏への取材として。今回、東洋陶磁での高麗青磁展においては中央博物館の協力が大きくクレジットされているが、そのような縁もあるのだろう。

大阪市立東洋陶磁美術館の世界有数の高麗青磁の数々は、安宅コレクションが基盤になっているが、これは戦後に安宅英一によって蒐集された後、住友グループを通じて寄贈されたもの。それ以前に日本国内に渡った来歴などはいわくあるものもあるだろうが、韓国側でも比較的、受け入れやすいのかもしれない。

この論文の中で、安宅英一がコレクションを手放すにあたり、韓国側にも購入を打診したが、予算的に見送られた、という話が出てくる。どこまでが真かはわからないが、結果的に日本に体系的に残った世界有数のコレクション、大阪の宝であることは間違いない。大阪市は徒や疎かにしないでいただきたいなあ、と思うのでした。

以前、ここで見た「北宋汝窯青磁水仙盆」の記録 

大阪の宝は大阪市美術館にもある。一昨年の大コレクション展の記録はこちらに

韓国の国立中央博物館に行った時の記録 

空港まで向かい、謎ラウンジで休憩後

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少し遅れ気味のひこーきで帰宅しました

在華坊(@zaikabou)/2018年09月05日 - Twilog