日毎に敵と懶惰に戦う

酒と食い物と美術と旅と横浜…などの記録。Twitterやってます @zaikabou

窯業の街多治見を巡り、名古屋で飲み、蒲郡クラシックホテルへ

社員旅行(のようなもの)に行くよ、と聞いたので、では、私は同じタイミングで、土日で一人でどこかへ、ということにした。しかし、どこに行くか直前まで決めずにいた。去年はこのタイミングで、JAL「どこかにマイル」で輪行して島根に行ったのだけれど

今年は残念ながら、年明けのこの時期、どこかにマイルの適用範囲外だという。んで、しばらくなーんにも考えてなかったんだけれど、昨日になって、東海道を下って東海地方のどこか…と考えた末、多治見のモザイクタイルミュージアムに行くことに。

それからは断続的に、新幹線もいつも乗ってるからなー、と名古屋行きの夜行バスを予約。多治見まで行ったら晩飯は名古屋かな…と考えた末、名古屋近辺で面白そうな宿は無いかと思いながらこの本をパラパラ眺めていて 

一泊二日 観光ホテル旅案内

一泊二日 観光ホテル旅案内

 

 蒲郡クラシックホテルいいなー、と思って公式サイトを見たら、妙に安い宿泊プランが出ている。即時に予約したのが昨日の出発直前。

あとは行程的に、初日は多治見を起点にどこかに行って名古屋の大甚で晩飯、2日目は蒲郡から東海道沿線でどこかへ、浜松の楽器博物館が良いらしいから行ってみるかな…くらいのぼんやりした構想だけ持ち、JRの夜行バスに乗り込んだわけ。

3列シートの座席でぼんやりまどろみから覚めると、車内の明かりが点いて名古屋インター。まだ暗い6時20分ごろに名古屋駅に到着。立ち食いソバでもあれば朝ご飯…と思ったけれど、在来線ホームのきしめんもまだ営業時間前。中央線に乗って40分、多治見に移動する。

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 しかし…多治見に来てはみたものの、駅前に朝飯が食えるような店がない。夏になると暑さで有名な多治見、現時点で気温は-1.9℃。じっとしていても寒さが募るばかり。バスの時間も見て逡巡した結果、とりあえず歩き出すことにする。

 セブンイレブンであったかいものを買って食べながら歩き始めてしばらくすると、案の定というとか、駅から少し離れたところにコメダ珈琲を発見したけどまあいいや、そのまま歩き続けましょう。

モザイクタイルミュージアムに向かう5kmちょっとの道のり、丁度よいバスの時間が無いからと歩き始めただけだったんだけれど、歩き出してから、ほぼ、笠原川を遡上していくのだな、ということに気付く。そして、笠原川沿いは窯業の集積地になっており、川沿いの遊歩道を歩いていくと、いくらでも陶磁器関係の工場があらわれる。

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これは面白い。昔はこの川沿いに東濃鉄道笠原線が通っており、貨物輸送で窯業を支えていたんですね。

東濃鉄道笠原線 - Wikipedia

それにしても…歩いているから身体はたいして寒くないんだけれど、とにかくiPhoneが冷える。そして使用開始後2年以上経過したiPhone6s Plus、寒くなるとすぐにバッテリーが落ちるんですよ

モバイルバッテリーに繋いでも、充電中なのにバッテリーの残量がどんどん減っていく有様…仕方が無いのでコンビニでカイロを買って、熱くなりすぎないように暖めつつ歩く。

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歩いているといろんなものが気になりますね。例えば、東海地区と言えば喫茶店文化なわけだけど、黄色い回転灯が喫茶店の目印になってるの、東海圏に特異な現象なんでしょうか

なんてTwitterで呟くと、あれはモーニングやってるよの目印だよ、と教えてくれる人がいる。ありがたいことです。しかしこれ、どうも喫茶店だけじゃないらしい

なぜ名古屋の街には「パトランプ」がやたらクルクルしてるのか - コラム - Jタウンネット 岐阜県

それから、窯業関係の工場の前に積まれた小さなサイズのコンテナ。

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あちこちに積まれていて、そして色も記入されたメーカー名も様々なのに、形とサイズは統一されている。

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おそらく、窯業の業界で共通規格化されたコンテナなんだろうな、あ、パレットに8×4=32個丁度乗るサイズなのだな、と思ったり

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このコンテナが鉢植えに転用されているのを見つけたりするのはとても楽しい。

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形状的にも、岐阜で作っている点からも、これっぽいな。ちょうど1100mm平方のパレットに8つ乗るサイズだ

B-24 ブルー(コンテナー・ボックス)|製品検索結果|岐阜プラスチック工業株式会社

ぶらぶら歩いて多治見駅から1時間15分ほど、9時のオープン少し前にモザイクタイルミュージアムに到着。藤森照信建築だ!

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このモザイクタイルミュージアム、NHKの日曜美術館でラーメンズの片桐さんが遊びに行っていたり、メディアにも結構出ているんですが、なんか山里にぽつんとあるようなイメージを勝手に抱いていた。多治見市に編入された、旧笠原町のど真ん中にあったんですね

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9時のオープンを待って中へ。

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4階に上がると、広い空間に、モザイクタイルで作られた流し、便器、銭湯の壁面、ありとあらゆるものがずらりと。

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そして写真撮影自由。これは見ているだけで楽しい。

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3階に降りるとモザイクタイルの歴史が。

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笠原町ではもともと茶碗を作っていたんだけれど、モザイクタイルを作り始めて、それからはモザイクタイルの生産がメインになったとか。ごく小さいサイズのモザイクタイルを並べた流しなんかは昭和レトロな感じがするけど、マンションの外壁とか、いろんなところに使われてますよね

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2階はちょっとショールームみたいになっていて、そこのおじさんに、最近はあまり小さいサイズのタイルは作ってないんですかね?って話を聞いたところ。以前は7.5mmのタイルが一番小さかったけど、いまは作ってなくて、10mmとか9.5mmとかが一番小さいね、と教えてくれた。小さいサイズは手作業がだいぶん入るので、製造がめんどくさいらしい

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建物も眺めながら1階に降りてくるとミュージアムショップもあって。しかしこのミュージアムショップ、クリエイティビティが求められるお土産が多い…

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コースターとかの自作キットと、詰め放題のタイルの山、あとは好きにして、という感じ

そんな中、その最小サイズの7.5mm角のモザイクタイルを発見。昭和30年代製造のデッドストック品。コブクロに入ってちょっと高かったけど、これと、コースターセットなど買って、帰宅後に遊んだのだった

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モザイクタイルミュージアムを出て、

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次は岐阜県現代陶芸美術館に向かおう。バスの便はあまりよくなさそうなので、1時間弱だから、歩いていきましょう。歩く途中でも、ごみ置き場がモザイクタイルになっているのを眺めたり

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いろんなところにモザイクタイルや

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窯業に関わる業者があるのを眺めたり(大量に積まれた薪はトンネル窯で使うのかな)

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歩くのは楽しいのです。自転車も良いんだけれど、歩く視線とは、またちょっと違ってくるんだよな

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で、坂道を上り、たどり着いた岐阜県現代陶芸美術館…

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なんだここ、異様に規模がでかい!

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ここは岐阜県現代陶芸美術館だけがあるのではなく、セラミックパークMINOという平成14年にできた施設で、コンベンションセンターを兼ねてるものっそい立派で、でかい施設。設計は磯崎新なんですね。

そしてこの施設、自分が新卒入社して実地研修をしている時に、一度、仕事で同行した記憶があるんだよな…。2002年7月か8月だから、おそらく、完成間際の時期だったはず。コンベンションセンターのほうでは成人の集いをやっているのを横目に、こちらは美術館へ。 

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岐阜県現代陶芸美術館『1964 証言-現代国際陶芸展の衝撃』を見る。

1964 証言―現代国際陶芸展の衝撃展|岐阜県現代陶芸美術館 展覧会情報01|

東京オリンピックの年に、海外、日本からそれぞれ約100点の作品を集めて行われた現代国際陶芸展。その出品作をかなりの数集めて、当時「日本陶芸の敗北」と衝撃を与えた展覧会を、関係者の証言も集めて振り返る企画展。企画としても良いし、作品も良い。

ルーシー・リーなども含め、小山冨士夫が半年間世界中を旅して集めた作品は、半世紀経った今でも、十分、衝撃を与える、真摯な作陶姿勢も伺える優れた作品が並び、対する日本の作品は、どこか、マンネリ、技巧に走る、奇異を衒う、に見えてしまう。開催当時と現代の証言でその意味を再考する好企画だった。

海外作家の陶芸作品は、多くは京都国立近代美術館所蔵となっていて、展覧会開催後にコレクションに入れたんですね。京都のコレクション展で海外作家の陶芸作品をときどき見ることがあったけど、この時の展覧会が基礎になっていたとは知らなかった。

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コレクションを中心にした『お茶の時間』も、ティーセット、抹茶碗、マグカップなど、お茶の道具を集めた楽しい企画。マイセンのカップ、怖くて洗えない…と思ったり、ルーシー・リーのティーセットがすごく欲しくなったり。それにしても空いてる美術館でありました。

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そしてこの岐阜県現代陶芸美術館、ミュージアムショップが、手のでやすい価格の作家ものの陶磁器がたくさん売られていて、いろいろ困りますよ…。中村慎二さんという方のカラフルな器と、佐藤大士さんという方の猫陶器に惹かれたけど、とりあえずがまん…。

もうお昼過ぎのよい時間になったので、この施設のレストランでお昼。茶室まであったりするこの施設、レストランもきれいで立派だけど、カレー580円はレトルトぽい。

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美術館を出て、またぶらぶら歩く。次は1km弱離れた多治見市美濃焼ミュージアムへ。

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なんだか多治見市の施設ばかりまわって紹介していて、だんだん、多治見市の観光協会のまわし者みたいになってきましたが…。今回の旅、特に観光協会から招かれてる、とかではありませんので…。

美濃焼の定義ってあまり意識したことなかったんだけど、美濃で焼いてれば美濃焼っていうんですね。日常生活用の陶器をメインで作っていて、今や瀬戸以上の日本一の焼き物の郷となった東濃地域。日常陶磁器を作る地味な産地のイメージだったこの地が、桃山時代に志野・織部・黄瀬戸を生産した革新の地であったのを証明したのが、人間国宝荒川豊蔵なのだ、と。そんな美濃焼の歴史を学ぶコレクション展が充実していて良かったです。

そしてこの美術館、人間国宝を含む地元作家の器でお茶をいただけるのだ…。人間国宝加藤考造の志野茶碗で、いただきます。500円。

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なんだかんだで時間も14時。ミュージアムを出て、

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山を下って

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修道院を横目に通り過ぎ

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googlemapの道案内によれば、虎渓山永保寺というお寺まではぐるっと遠回りしないとたどりつけないらしいのだけれど、よくよく見ると、ショートカットする山道のようなものがある。それを頼りに歩いていけば、案の定、山の反対側にも参道があるのだった

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山の中の参道を進むとたどり着く、虎渓山永保寺。

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いやこれはこれは、たいへん、風情の良い寺だ。岐阜県に3つある国宝のうち2つ、観音堂と開山堂。

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そして庭園、境内の景色、大イチョウ。

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清流に臨んで、後背に修験の山というロケーションも素晴らしい。

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良いものをみて、またぶらぶら、多治見駅まで歩く。結局、多治見駅から、モザイクタイルミュージアム、岐阜県現代陶芸美術館、多治見市美濃焼ミュージアム、修道院、虎渓山永保寺、多治見駅まで、3万歩近く歩いてしまった。でも面白かった。なお、モザイクタイルミュージアムと永保寺は普通に路線バス、その他は土日は観光周遊バスがある模様。歩くのが趣味の人以外はバスも利用しましょう…

多治見市/ききょうバス

本当はとなりの土岐市のお寺、清安寺に、山口晃画伯の天井画を見に行こうとも思っていたんだけれど

岐阜・愛知・京都の旅① 山口晃さんの天井画を観てきた – 雨がくる 虹が立つ

だいぶん、時間が遅くなってしまった。またの機会にしましょう。多治見から快速に乗って31分、金山へ。この駅にくるたびに、総合駅とは…という疑問符が(国鉄と名鉄の総合なのだろうな、とは思うのだが)

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名古屋ボストン美術館『鈴木春信』を見る。

ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信:概要|展覧会:展覧会一覧|名古屋ボストン美術館

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これが、とても良かった。繊細で端正で色鮮やかだが、優しくて美しい、しかし遊び心や仕掛けが随所にあって楽しい鈴木春信が堪能できた。さすがボストン美術館、ほんとに擦りの美しい鈴木春信をたくさん持っていて、これほどまとめて見せてくれるとは。眼福でした。

お金持ちが集まって趣味で絵暦を交換する会のために金に糸目をつけない錦絵を擦りまくったり、その版木から絵暦要素を削って商業出版されたり、見立てと言っちゃあ、神様でも何でもかんでも女体化したり、ほんと、江戸の爛熟文化は豊かなことでありますね…。

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名古屋ボストン美術館はいよいよ今年が20年目で最後。鈴木春信のあとは、上野、神戸から巡回のボストン美術館の至宝展、そして最後には「ハピネス」って、森美術館のオープニング展と同じ名前の展覧会があり、10月8日にクローズとのこと。

美術館を出て、金山駅から地下鉄で市役所前へ。並んでいるとやはり異様な感じのする、名古屋市役所と愛知県庁を遠めに見つつ

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アートラボあいち『今村遼佑-雪は積もるか、消えるか』を見る。

サイト&アート 01 今村遼佑「雪は積もるか、消えるか」 | Art Lab Aichi

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これが非常に良い。同じ場所にあるのに交わらない時間と空間をじっと眺めて、引き込まれ、いつまでもその場に留まってしまう。言葉に出来ないし、思い出せもしないけど、どこかわたしの奥底にある既視感。日暮れ過ぎに行った方が良いと思います。

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『1933年(昭和8年)に建造され、1957年以降は愛知県庁大津橋分室として長く利用されてきた』アートラボあいちの建物もとても素敵なのだった

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それでは、お時間もよろしいようなので、そろそろ飲みの時間にいたしましょう。お店まで歩く途中で見かけた、大津通にある、ラリュッシュという店がいいなあ、と眺めつつ

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名古屋に来たならば、の約束の場所『大甚』であります。先日来、続けてふられていたので、今日は入れてうれしい。

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にぎやかな店内、自分で持ってくおつまみの目の前という特等席に座れて、まずはビールに、エビのなんかもとって、正月らしいではないですか。よい。

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「お酒」と言えば、賀茂鶴特級の大徳利燗酒が出てくる。そしてこの、お燗の番をしているおかみさん一帯の空間が、実にすばらしい。

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もうそろそろ、つまみも無くなってきたから暖簾を下ろして、なんて話しているのが18時35分。早い。それからもしばらく、蛸つまんだりしながら、まったり。

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この徳利、見た目の割に内容量が多いのと、お猪口が見た目の割に内容量が少ないのの合わせ技で、無限にお酒が湧いてきているのかな?みたいな多幸感がある。

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そろそろいい具合になってきたので、このあたりで引き揚げましょう。大甚は、特別安くはない。しかし、店の風情、つまみの並べ方、お酒のあり様と瓶ビールのあり様、三遊亭圓丈にどことなく似てる店主、その接客、お燗番のおかみ、多国籍でよくわからんことになってて、そしてたくさんいる店員、どこを向いても笑顔しかない店内、なんか、あらゆる部分が、いいなあ…と思うのです。

さて、せっかくなので一軒だけではもったいない。去年、名古屋に来ている時に、Twitter経由で教えてもらった店に行ってみよう。こちら『N』という店

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最初、扉を開けようとしたら鍵がかかっていて、諦めて行こうか…と思ったら鍵を開けてくれた。そして入ってカウンター座ると、ふわわわわ、なんだこの店、すごい…

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このずらっと並んだボトル、店主が蒐集したものだそうで、蒸留酒を移し替えて中に入れているそうな。どなたか知り合いに聞いてですか?と聞かれたんだけど、人に教えられまして、カクテルお好きなんですか、いやどちらかといえば日本酒ですがとにかく面白い店だからと、ははぁそうですか…お店は何軒目ですか、さっきまで大甚で飲んでまして、大甚からここですか!、なんて、間の抜けた会話をしてしまう。

ショートカクテルでなんかおススメをお願いします…と話をして、ザクロ、いいですね、それで。と、目の前でザクロをぎゅっとしぼって、なんだか美しいものが出てきたよ

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その教えた方は女性ですか?って聞かれたんだけど、いや、男性だと思いますがネット上の知り合いなので女性の可能性も否めませんね…などと、やはりあいまいな会話をしており。日本酒はどういうものを、いやとくに純米吟醸とか拘らずなんでも、そうですね大甚とか行きますもんね、などと。このお店、雰囲気的に女子くどき系かと思いきや、その後やってきたお客さんんも全員男性だ。

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ジントニックもすごく美しいし

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このアテも…いちいち、すべてが美しいお店だな!

2杯いただいて、このあたりで。お会計もバーとして常識的なお値段だった。よい店でした、また名古屋で飲む機会があれば、来てみよう。

名古屋駅までぶらっと歩き、ラーメンでも食べようかと思ったら、なんかラーメン屋長屋がどこも大変な混雑で、名古屋の飯屋、どこも閉まるのが早いからこんなことに、と思うん。で、名古屋ラーメンを名乗る店が空いていたので入る。味仙でなくてもあるのね、台湾にはない台湾ラーメン。

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でパイタンラーメン食べましたが、おいしゅうございました。さて、このまま名古屋で二軒くらい行って、カプセルホテルにでも宿泊かと大向こうを思わせた矢先、東への移動が開始される。

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そう、向かう先は蒲郡。新快速で40分。よく起きられました自分。

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蒲郡駅から20分ほど歩いてたどり着いた先に、蒲郡クラシックホテル。ほわー、すごい。

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本日このお宿、訳あり、雨が降ると雨漏りするかも!ということで朝ごはん付き激安だったから、どんなぼろ部屋かと思いきや  

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ちゃんと立派なお部屋じゃないですか…。ありがたいことです。今日はたくさん歩いてさすがに疲れたので、お風呂にゆっくり浸かって

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あしたに備えましょう、おやすみなさい…

在華坊(@zaikabou)/2018年01月06日 - Twilog