日毎に敵と懶惰に戦う

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荒川ロックゲートを地上と水上から楽しむ!水門ツアー第2回に参加しました

以前、3月に、お誘いを戴いて、『恋する水門』という、水門本を出版された佐藤淳一さんのご案内で、江東内部河川と月島の防潮ラインの水門を巡るツアーに行ってきたのだけれど
http://d.hatena.ne.jp/zaikabou/20080308/1204990290
またまたお誘いを戴いて、今度は荒川ロックゲートを中心に巡る水門ツアーに参加してきた。
当日は冷たい雨が降っていたのだけれど、ちょっと諸事情あって、半袖で行ってしまった。もちろん、半袖の人なんかほかに誰もいません…。気温も、14℃…まであったか、なかったか。寒くても平気で半袖着ている、西洋人か何かかと思われたでしょう…
前回は、江東デルタ地帯のうち、西側にある隅田川との接点を中心に巡ってきた。前回見学した扇橋閘門は、隅田川側の潮位と一緒に水位が変動する西側と、強制的に水位を下げている東側を結んでいたわけです。
今回のツアーの中心になる荒川ロックゲートは、その東側の江東内部河川と、荒川を結ぶ位置にある。荒川は東京湾の潮位変動に連動して水位が変わるので、このロックゲートでクリアする水位は一定では無いけれど、最大で3mほどの水位差となる。
この、荒川と江東内部河川の接点には、かつてはいくつかの閘門があった。しかしながら、船舶の行き来が減少したため、閘門はしだいに閉鎖され、閘門の跡地も、荒川に作られたスーパー堤防に埋められた形になっている。そんな跡地の中で、スーパー堤防から顔を出しているものもあるのだ。東大島駅に総勢30名近くで集合した一行が最初に見たのは、その遺構なのだった

この旧小松川閘門、そんなに積極的に遺構として残そうとしたわけでもなく、たまたま残ってしまった…堤防からひょっこり頭を出している水門…という感じなのだけれど。

屋上緑化(笑)された、朽ちた水門は、不思議な雰囲気を漂わせているのだった。隙間からは、大きな歯車ものぞいていたり。この閘門の後に、いよいよ、荒川ロックゲートを見る。

さっきの旧小松川閘門を含めて、荒川と江東内部河川を結ぶ閘門は、往来する船舶が減少したことにより、一度、すべて閉鎖されている。その状態は30年近く続いた。けれども、地震災害時の物資輸送などの面から、運河の利用は昨今、見直されてきている。そのため、荒川と江東内部河川を結ぶ閘門が新たに作られることになった。そして、2005年に復活した閘門が、この荒川ロックゲートなのだ

この写真は、荒川側から、江東区側…すなわち、西のほうを見たところ。ロックゲートは2つの水門の組み合わせで成り立っている。片側から船が入ると、両側の水門を閉めて、その間の、船がいる部分の水位を調整する。そして、水位が反対側の地帯と同じになったところで、そちら側の水門を開き、船が出て行く。そうやって船を往来させる。だから、常に、どちらかの水門は閉じていることになる。
この写真の奥にある水門は開いており、現在、水門間の水位は、写真奥、江東区側と同じになっている。だから、この水路と荒川を結ぶ水門…写真の手前側にある水門は、閉じている状態になるのだ
ロックゲートも素敵なんだけれど、

脇のほうにある素敵なクレーン群にも萌えていると…

なんと、飛んで火にいる夏の虫…の如くに、おあつらえ向き、丁度、ロックゲートを通過する船がやってきたではありませんか!クレーンって場合じゃない!

船が水路の中に入ると、次第に水門は閉まっていって

水位を調整するために、荒川側から水が注入される!


生憎の雨で…なんてちょっと沈んでいた気分も、この準備されたかのような祝祭的イベントに大興奮!今回も集まった土木好きなツワモノな面々な皆様は、あっちへこっちへと走り回りながら歓声を上げているのだった…って、もちろん、ワタシもです


荒川と水位が同じになると、水門が開き、まだ水がしたたる水門の下をくぐって、船は荒川に出て行ったのだった。堪能したー


それにしても、雨は引き続き降っているのだな


ここから歩いてまた東大島の駅まで戻り、地下鉄で二駅、荒川を渡って一之江。都バスに乗って、今度は葛西臨海公園を目指す。葛西臨海公園から乗る船は、今日を逃すと、次に来るのは20日後。前回の経験も踏まえて、とにかく時間厳守で!ということを最初に徹底していたのが功を奏したのか、大山さんと石川さんが居なかったのが幸いした(笑)のか、拍子抜けするぐらい順調に葛西臨海公園着。ここから、荒川〜隅田川を巡る、遊覧船の旅となる。

これから乗る船の旅、東京水辺ラインの「江戸東京ぶらり旅」というコースなのだけれど、
http://www.tokyo-park.or.jp/waterbus/course/edo.html
なんと、荒川ロックゲートを水上バスで通ってくれるという、お好きな方には堪らないルート設定になっている。しかも、通過してどこかへ…ではなくて、ロックゲートを通過したら、すぐに引き返して再度ロックゲートを通過するという…。まさに、ロックゲートを楽しむためにロックゲートを通過するという、ものすごいコース設定なのだ。水門に興味を持って、これに乗らないのはモグリ、ってくらいのもんです
出航し、すぐに荒川に入った船からは、橋、鉄塔などなど、素敵なものが沢山。佐藤さんの作成してくれた豪華ガイドマップに導かれて、船の上を右へ左へ、大勢で大変であります。実際、魅力的な構造物の多いこと…



やがて見えてくる荒川ロックゲート

水門をくぐって


水門が閉まって

水位が下降して、荒川の水位から、江東内部河川の水位へ。そして船は、江東区へと入っていくのだ



で、通り過ぎたかと思うと、すぐに反転して、再び水路の中へ…

今度は水位が上昇して

また、荒川へと出て行くのだった…

なんという、水門好きのためのコース!すげえなあ、ナニ考えてるんだろうこれ(笑)
ここから、水上バスは、さらに荒川を遡上。素敵な構造物も沢山…なんだけれど、さすがに半袖で寒くなってきて、だんだん活動限界です…



とても狭い水門をすり抜けるようにくぐって

隅田川へ



船は、両国の船着場にたどり着いたのでした。

この後、さらにオプションツアーがあったようだけれど、私はここで失礼させていただいた。ご案内いただいた佐藤先生、コーディネートしてくださった杉浦さん、本当にありがとうございました。おかげで楽しい旅ができました。
他の方のレポートなどは、佐藤さんのblogにまとめられている
http://blog.kohan-studio.com/archives/51391288.html
こちらは、佐藤さんの著作

恋する水門 FLOODGATES

恋する水門 FLOODGATES

こんど、6月15日に、武蔵野美術大学で「ドボク・サミット」が開催されます。ドボクな方々が一同に介して、エンタテイメントの可能性を探る…という特別講座。集まる面々を見れば、まさにサミット!な企画。詳細はこちらで
http://blog.kohan-studio.com/archives/51376503.html

今日の日記

8時起き。夏物の洋服をかばんに詰めて、家に戻ってからお出かけ。東大島へ。水門ツアーに参加してきたのだけれど、詳しくは後ほど…。諸事情により半袖で行ってしまって、最後のほうは寒かった
夕方、両国で別れて、桜木町へ。行こうかな、と思っていたモツ鍋屋が満員だったので(こんど、行こう)、野毛の末広という焼き鳥屋で、いろいろ。いや、ほんと、いろいろですよね…。もう一件、アメリカンな店を梯子した。