どんなに綺麗事言ったって、女は結局「ガワありき」なんだろう。

全国のいろんな大学のミスコン優勝者が競うってコンセプトのミスコン。

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福岡・北九州のプリンセスの人、騒がれているけどそんなに皆が騒ぐのは単純に「服装」と「髪型・メイク」の問題からだろう。確かに、この顔ぶれの中では決定的に浮いている。
もし彼女が多くの他大学の女子のように髪をキャバ嬢ばりにグルングルンに巻いて、自分でも「あれ元の顔どんなだったっけ?」って思うくらいのコッテコテメイクをして、赤文字ファッション誌を見て上から下まで全部同じもの注文したコーディネートで仕上げていれば「この子…アレ?」と思う男性はいたとしてもここまで取り沙汰されることはなかっただろう。断言してもいい。
そこまでしなくても髪の毛をストレートに下ろして清楚な服装をするだけでも違ったと思う。
外面的な「場違い感」は時として人にものすごい嫌悪感を与えるもの。
例えば横浜国立や上智の人が同じジャージ姿とボサボサ髪、ノーメイクで出ていたとしても「なんだこの女」「私は他の子とは違うのよアピールか。寒っ」とか、別の角度から激しく叩く人も少なからずいただろう。


北九州の彼女は女の子の中では本当に人気者なんだろうと思う。
女子だらけの中に長年いていろんな女子を見てきた記憶の中に何人もいるタイプ。大好きな部活で汗を流し、休み時間には大勢の友達と騒いで本当に楽しそうにしているような、非コミュのワタシにとっては十分眩しかった存在。無理なことなんて百も承知の上で、「どうやったらああなれるんだろう」っていつも思っていた。


今回彼女がジャージ姿にひっつめ髪、すっぴんでこのコンテストに出場した理由が、本人が「目立つし、面白いかも」と思ったからなのか、周りの友達が友達同士のノリの延長で「ジャージで出てみなよ〜」と言ったからなのか、はたまた「飾らない自然体さで周りに差をつけてうちの学校をさわやかなイメージで有名に!」という学校の魂胆なのかは分からないのでなんとも言えないけれど、あくまで「不特定多数に女としての価値を評価されようとするとき」においては、「ありのままの私を見て!」という意志は通用しないものなんだという厳然とそこにある現実を目の当たりにしてしまって、それは当然のことだと判っていても後味悪い気分。
「いや、むしろ彼女のような飾らない女性こそミスに相応しい!」なんて「ピントのずれた部類の」フェミニスト*1のような、もしくは美の基準を内面や愛嬌にしか置かない田舎のおばちゃんおばあちゃんのようなことは言わないし言えない。だってどう転んでも、それは「現実」ではないから。


でも、彼女が今回ここまで騒がれ、馬鹿にされたのは彼女の「ガワ」*2が問題だっただけで、決して彼女自身が馬鹿にされたわけじゃない、その事実だけは彼女が認識していますようにと願う。彼女はブログの文章からもわかるし、読まずとも大体わかるように、決して勘違い女なんかじゃない。折角の明るい女子の人気者が、ハタチを過ぎてから*3ひねくれてしまうなんてことは、あってほしくない。ヒネクレ非コミュ女の生きる道なんて、この日本という国に生きる女としてはできるだけ歩まないほうがいい修羅の道なんだからっ!*4


最後に。
この件についてのあらゆる場での男性の反応を見るのは、その多くが不愉快でもあったけどある意味ミスコンなんかメじゃないくらい興味深く面白かった。2chという匿名の場で罵詈雑言を浴びせる雑魚はどうでもいいとして、それ以上にある意味問題で、悪質なのは


「彼女は彼女で魅力的だ」
「他のキャバ嬢みたいな女どもに埋もれていない。個性がある。素敵だよ。光ってるよ。」


とか彼女をやたら誉める男性。


でもそれは、「俺って女の服装や髪型なんかには囚われない、柔軟な感性を持った男!」という俺って個性的だからー君か、単にちょっと違うこと言ってみたくなった気まぐれ男君か、どうせそのくらいなもんだろう。
実際全員に会って人柄や雰囲気に惚れて「俺は彼女がいい!なんつったって彼女だ!!」って言うんなら別だけど、彼女を個性的だと誉める男性の90%以上が、実際リアルではこの顔ぶれにおいて違うベクトルで個性的な横浜国立の人とかの方へ行くだろう。
だから、彼女を誉めといてその舌の根も乾かないうちに、というかその言葉をタイピングした指のアブラもキーボードから剥がれないうちに他の人のことを褒めちぎって「彼女が一番!」なんてのたまう奴はもっと最悪。それなら最初っから馬鹿にしまくったり罵詈雑言浴びせたほうがよっぽどマシだよ。


明るくて気のいい彼女と仲良く楽しく付き合ってたくせに、甘え上手で演技上手、で策略上手のかわいこちゃんに涙ぐんだ上目遣いで迫られて、「ゴメン、オマエもいい奴で好きだったけど、彼女はオマエと違ってなんか…放っておけないんだ。守ってあげたいんだ」と言って気のいい彼女をあっさり振ってしまう悲劇を見せつけられたような。
「嫌われ松子の一生」のようにひとりの女がとことんまで転落していく物語などより、よっぽどタチの悪い悲劇。悲劇の度合いは大きくないかわりに、なんか苦虫を噛み潰したような、爪の間に木屑が刺さったような、掌に鉛筆の芯が刺さって取れないような。あー嫌だ嫌だ。

*1:ワタシはフェミニズムには昔から興味があり、基本的にはフェミニストの方を尊敬しています。野暮な注釈だけど誤解のないよう念のため。

*2:服装、髪型、メイクのこと

*3:厄介なんだよ。キズも治りにくくなるから。

*4:俺?俺俺