(旧姓)タケルンバ卿日記避難所

はてなダイアリーからの避難所

先輩と後輩の仲たがいパターン

会社でも学校でも、大体先輩が後輩にモノを教えるという構図があるわけだけど、この時期はまあうまくいってないね。それもそのはず。後輩は後輩で新入社員とか新入学生で、右も左もわからんわけだけど、それ以上に問題なのが、モノを教える側の先輩が教え方をわかってないってこと。後輩が新人デビューなら、先輩は先輩で指導者デビュー。ともにデビューなのでうまくいかない。
うまくいかないパターンはハッキリしとるんだけどな。先輩の困ったパターン。

偉そう

たかだか先輩ってだけで、偉いわけじゃないんだけどな。でも偉いと錯覚する人が結構いるわけで。「教えてやる」的な雰囲気ぷんぷん。
ま、それでも実力があればまだいいんだけど、実力がないと悲惨だよな。

「教えてやる」→だが、断る

というケースがありまして、ええ。後輩だから口にしないだけで、心の中ではみんな思ってますよ。頭下げてまで、オマエの指導は受けねえと。「早く帰れよ」「うぜえよ」「何が言いたいんだよ」みたいな。で、そういう雰囲気に気付いて「てめー、なんだその態度は」となるわけですが、その態度をとらせる理由は、その先輩本人にあったりするわけで。それに気付かないのは本人だけなわけで。
偉そうなヤツほど、実は偉くないという法則があります。謙虚イズベスト。

理由がない

なんかいろいろ言うんだけど、理由がない。聞くと答えられない。「そういうものなんだよ」「昔からこうなんだよ」「伝統なんだよ」「いいからやれよ!」という逆ギレ電車道。「どうしてですか?」に弱いんだよな。なぜなぜ虚弱体質。ホワイ過敏症。
これだと後輩も困るんだよな。合理性がないのに、何故やらなきゃいけないんだろう。これで思い悩む。で、悩んで手を止めると「いいからやれよ!」。やれよと言われてもねえ。理由がないものをやってもねえ。

ああしろこうしろ

余裕がないというのかな。全部コントロールしたがるんだよな。コントロールできる実力ないくせに、把握したがる。
で、細かくああしろこうしろ言うんだけど、それがあってるかどうかは誰もわからない。理由がないもんでね。「とにかくそうしなさい」。
やらされる方はたまったもんじゃないよね。どこに向かっているかわからないし、どんな意義があるかもわからない。目的地を知らされてない山岳行軍みたいなもんで。自衛隊のレンジャー訓練だわさ、それ。返事は「レンジャー!」。反論禁止。軍隊か。軍の規律か。オマエは上官か。

指示は絶対

たまにチェックしにきて、指示した通りにやってないと腹立てる。
「なんで言うとおりにしないの!」
本当は後輩にもいろいろ理由があるんだけど、一切考慮に入れない。他にもっといい方法があった。自分には指示された方法は合わない。後輩は後輩なりに考えて行動してるんだけど、指示を守らないイコール自分を否定されたみたいな心境になるようで。
指示された方法を否定しているだけで、指示した人間を否定しているわけじゃないんだけどね。否定されるのがイヤなら、肯定されるように、丁寧に説明すりゃいいだけなんだけど。納得させないでやらせるから、指示が徹底されないだけなのに。

損するよ

ま、ここまでのハードな対応をしない人でも、心の中で「こっちのやり方がいいのに」「あとで損するのに」と思うことはあるでしょう。
「クックックッ、バカな後輩たちめ……」
みたいな。「損するよ」という呪いの言葉。そして損するとまた一言。
「ほらね」
こういう雰囲気って伝わるんだよな、不思議と。呪いの波動。「ちびまる子ちゃん」の野口さん的な。
こんな先輩だと大体うまくいきません。険悪になる。指導も空回りするし、お互いにストレスがたまる展開。

  • (先輩)なんで言うこと聞かないのよ
  • (後輩)なんで言ってばかりなんだよ

みたいな。これを改善するには、先輩側がちょっと工夫するといい。

対等に

先輩・後輩といえど同じ人間。偉いも偉くないもなし。また教える側が偉いなんてこともない。教える側と教えられる側という立場の違いがあるだけ。そうやって相手を思いやることができるとうまくいく。へりくだる必要はない。あくまで対等。大人として扱うってことだよね。

理由を示す

きちんと理由を示す。理由を答えられるようにする。別に上辺でもいい。口実でもいい。でも、理由があるかどうかで相手の納得度はかなり違う。「AはBである。何故なら……」の形で説明したい。

目的地を示す

細かいところはおまかせ。目的地を示して、あとはどうぞご勝手に。方法はその人次第。どうやって行こうと知ったこっちゃない。着けばOK。

指示はゆるく

守らなければいけない一線はあるから、それは管理すべきだけど、あとはどうだっていいやね。自分の言うとおりやらなくても、結果を出せばそれで良し。自分の指示以外の方法でやることで、想定より上の結果が出ることもあるし。大枠を設定すりゃ、あとはご自由にでいいのでは。

損させる

損して覚えることがある。転ぶ前に「転ぶよ」と言い、実際に転んで「ほらね」と言うからムカつかれる。
それならば、最初からわざと損させてやればいい。損させることを狙えばいい。

但しあたたかく見守ろう

けれども眼差しはあたたかく。シニカルに見ちゃダメ。頼ってくるのを待とう。痛い思いをすれば、痛い思いをしないですむよう考えるものだし、そのための方法を聞いてくるはず。教えるのはそれからでも十分。まったく遅くない。
最初からすべて教えようとせず、必要に応じて小出しにするくらいで十分。先出しにせず、後出しに。自分から教えるのではなく、相手から教えてと言われるまで待つくらいでよろしいかと。
先輩・後輩の仲たがいはこの時期の風物詩。後輩にモノを教える過程で、是非指導者としてのスキルを学んでくださいな。仲良きことは美しき哉。