シェイブテイル日記2

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米国は苛立ってますよ、安倍首相

これまでアベノミクスを歓迎していた米国ですが、かなり風向きが変わってきたようです。

米財務省は9日公表した半期為替報告書で、欧州と日本は景気を刺激する上で金融政策に過剰依存していると批判し、他の政策手段を利用しなければ、すでに悲観的な世界経済の見通しはさらに悪化する恐れがあるとの懸念を表明した。
 財務省は中国と韓国についても、為替政策が米国など貿易相手国の痛手になっているとして非難した。ただ、いずれの国も為替操作国に認定しなかった。1994年の中国を最後に、為替操作国に認定された国はない。

 主要貿易相手国の為替政策に関する同報告書は、政策当局に対して「使える限りの政策手段を全て用いる」よう呼びかけた。

 「世界の成長が加速しないばかりか、世界の生産構成が次第に不均衡化する恐れがある」と述べた。

 欧州ではドイツに矛先を向け、域内最大の経済規模を誇る同国では経常黒字が国内総生産(GDP)の8%付近に達していると指摘。国際通貨基金(IMF)はドイツが中国を抜き、世界最大の貿易黒字国になったことを明らかにしている。

 米政府高官らは、ドイツが輸出に過剰依存することで、ユーロ圏の脆弱(ぜいじゃく)な地域の回復が阻まれ、域内全体の成長が遅れると主張している。米政府はドイツに対し、インフラなどへの支出を通じて需要を喚起すべく、潤沢な予算を用いるよう促している。

 報告書は日本にも言及し、適切な財政支援や国の競争力向上に向けた政策を打たずに金融政策へ過剰依存することで、景気回復はリスクにさらされる上、「悪影響を生み出す可能性がある」と指摘した。

 一方、中国は過去10年にわたり自国通貨を上昇させてきたが、人民元は依然として「著しく過小評価」されているとし、中国政府へ市場原理に基づく為替相場への早急な移行を要請した。

 また、韓国については、ウォン安を誘導するための為替介入をこれ以上しないよう警告した。

欧州と日本は金融政策に過剰依存=米為替報告書 ウォール・ストリート・ジャーナル 2015 å¹´ 4 月 10 æ—¥

実際のところ、アベノミクス開始から2年経っても物価は消費税を上げた昨年春をピークに、今は下げ続けています。


過去2年の物価推移
POSデータから小売りの物価をみた東大日次物価指数と、
それと同じ商品バスケットに対する消費者物価指数(総務省指数)。
出所 東大日次物価指数プロジェクト 2015å¹´4月8日更新データ

私シェイブテイルは、デフレ脱却に向けた積極的な金融政策には賛成する立場ですが、金融政策は極端な緩和、財政政策は緊縮というちぐはぐな現行安倍内閣の経済政策に対しては、自国の不必要な為替高を嫌がるという部分を割り引いても、日本を含む世界経済への悪影響に苛立つ米国の考えの方が、現行アベノミクスよりずっとまともだとも思います。

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