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日常

2年半務めたSIerを退職しプログラマとして再スタートを切ることにしました

初めに

先週末付けで、新卒入社した某SIerを退社しました。

新卒入社で、右も左もわからないまま社会人になって飛び込んだこの会社では
社会人として非常に多くの事を学ばせて頂き、
SEとしての基礎を学ばせて頂き、
また途中でグループ子会社→親会社と出向になったことから
SI業界の中流〜最上流の両方の業務を見ることができました。

非常に有意義な2年半だったと思います。

これまでお仕事で関わらせて頂いた皆様には
様々な形で大変お世話になりました。

御礼申し上げます。

今後について

気の早い話ですが、明日から新しい会社で勤務します。

BtoB系の委託開発をやってるベンチャーですが、
SI系ではなく、R&D系の開発を委託で行うのがメインの会社です。

当面は色々な案件に雑用レベルで関わりながら
自分の特性やスキルにあわせて、どの案件にどっぷり浸かるか、といった
方向性を検討していく予定です。

辞めた経緯


「自分が本当に憧れた世界」ではなく、
「生活の安定」を取って、上流系SEを目指してSIerに入社した自分には
入社直後からずっと迷いがありました。

これは何か違う、と。

何が違うのか。一言で説明するのは難しいのですが、
一番大きく感じた違和感は
上流SIerのSEってITスキルなんて皆無でもやっていける、という点です。


求められるのは、設計の能力やミドルウェアの知識ではなく、
顧客との折衝力、関係会社との調整力、予算の管理能力、PJの進行能力、
あと何気に大きい社内政治力。

いわゆる、一般的な「商社」の総合職などと何ら変わらないものでした。

事実、自分が最後に携わっていた案件では、プロパーのSE3人に50人近い外注SEがついて
仕事を回しており、プロパーの4人は1枚の設計書も書いていません。

客先の電話を直接受けるのも外注SE、客先に定例報告に行くのも外注SE(もちろんプロパーも同行はしますが)


勿論、それはそれで非常に大切な仕事です。
外注SEの方と仕事をしていて思うのは、契約形態のせいもあるかも知れませんが
自分の仕事を超えた所には一切手を出したがりません。

自分の領分を超えた所については「そこは一切知りません」となってしまうので、
進め方を指示する時に「ではA社のBさんと調整してここはこうして下さい」と
複数の会社のSEをまとめていく人は、この業界の仕事の進め方においては絶対必要です。
※それがいいか悪いかは置いといて

ただ、そういたまとめ役をやったり、
誰かが作った成果物のチェックをしたり、
予算の管理だけをやっているのは自分には退屈な仕事でした。

SIerではその能力がとことん求められており、
私自身も将来はプロジェクトマネージャーになることを上司から求められていました。


その一方で、このブログで書いていたように、独学でコーディングやサーバ運用を
学んでいた私からすると、大抵の問題は技術レベル的には
自分でも手を動かして作れるレベルなので(大変なのは顧客と技術が分からない上司への説明)
「俺ならここはこう設計する」
「俺が設計した方が関係会社間の調整なんていらないから早い」
「この程度のバグ修正なら俺がコード直した方が早い」
と、「自分で手を動かしたい」という衝動が日々日々強くなっていました。


そのためか、仕事はそこまで忙しくもないのに
ある日突然ストレスで精神を病んでしまい、しばらく心療内科に通っていました。

今はもう完治していますが、
何となくその時に「もう限界だ。このまま続けてると不幸になる」と思い、
自分で手を動かせるフィールドに移ろうと決心しました。


社外の人事コンサルタントのアドバイスを受けたりしながら、
BtoC,BtoBの様々なベンチャーのエンジニア・経営層クラスとお話をさせて
頂き、その中で今回転職させて頂く企業から内定をいただくことができました。

選んだのはBtoBの委託開発をやっているベンチャーです。
やはりBtoCよりはBtoBの方がまだ自分がやってきたことを活かせると感じたことと、
BtoBとは言えSIerのような形でのシステムをまるごと作る仕事ではなく、
高い技術が求められるR&D系のソフトウェア開発ができること。

そういった所に魅力を感じました。

自分がやりたかったこと

元々、自分はプログラマの仕事の仕方に憧れて
この業界に興味を持ちました。

一番影響を受けたのは、柴田芳樹さんの「プログラマー現役続行」という本です

プログラマー”まだまだ”現役続行 (技評SE選書)

プログラマー”まだまだ”現役続行 (技評SE選書)

↑※改版版なのでタイトルがちょっと違います


これを読んだ当時は大学3年の夏頃で、ようやく自分の将来について
考えだした頃でした。

私は当時、仕事というものに対して
以下のような非常にネガティブな先入観を持っていました。

  • ひたすら嫌な顧客ややりたくない事と向き合う
  • 同じ事の繰り返し
  • 会社の売上のために何でも我慢して働く
  • 自分で研究していく要素なんて無い
  • 楽しさなんて皆無

仕事でグチが多くなっていた父親の影響が大きかったかと思います。

学生時代のバイトは楽しくて大好きだったし、
学部の勉強も、教養とかの一部講義は退屈でしたが、
専門科目や実験などはものすごく好きでした。

それが、
社会に出た途端に何もかも失い、
クソつまらない人生が待っているだろうと、そう思い込んでいました。


なので、就活自体にも全然やる気なんて無くて、
まぁ農業つながりでどっかの会社に適当に入れれば・・と思っていた程度でした。

しかし、当時の「自分が興味のあること」の1番は「ネット」。

当時はすでにmixiはてブもニコ動もある時代で、BtoC向けのwebサービスが
どんどん盛り上がってきていた頃でした。

元々PCの自作をしてネトゲ(COD,COD4,CS1.6,マビノギ,CoH,AoE3等いろいろ)に
ハマっていた事もあり、
PCを単に使うだけでなく自分で色々とOS周りの設定をいじくったり
いろんなソフトやサービスを使い倒す事が凄く好きでした(今でも変わりませんね)

そのため、情報系の知識は全然ないけど
業界研究だけはしてみるか、と思い、一番最初に読んだのが上記の「プログラマー現役続行」です。


この本を読んで衝撃を受けたのは
プログラマーは常に自分の腕を磨き続ける努力をしなければ使いものにならない」
プログラマーは現役である間は常に新しいことを勉強し続けなければならない」
という点です。

この2点は、先に書いた私が仕事に対して持っていたネガティブな先入観と
全く違うものでした。

常に勉強する?そんなに学ぶことが多いのか。
常に腕を磨く?そんなに難しくて奥が深い業界なのか。

それらと、
それまで自作PCやネトゲやwebサービスを通じて楽しんできたこと、
自分が大学で好きだと思えることが、すべて結びつき、
プログラマーとして生きたいと考えるようになりました。

そこが原点だったかと思います。


そこで就職先をSIer一本に絞り、業界研究を始めたのですが、
調べれば調べる程
どうにもプログラマというのは飯が食えないらしい、
日本においては価値が低い職業として位置づけられているらしい、ということが見えてきました。

今にして思えば、それは「SI業界における下請け専門のPG」の話でしたが、
当時は「それがPG」だという風に見えてしまい、上記の本で読んだようなプログラマーは
日本にはいないと思い込んでしまいました。

そもそもプログラマーになりたい場合、どういった企業に就職するのが良いのか
よくわかってませんでした。

なので、気がつくと「学部学科不問!」が謳い文句の
大手SIerの説明会ばかり受けてしまい、
そこで説明を受けているうちに

  • SEでもプログラミングは出来るだろう。
  • 自分でコードを書かないにせよ技術は絶対必要だから、学び続ける生き方はできるだろう
  • お客様にシステムを提案して課題を解決していくことはルーチンワークではない世界だろう

そう考えてSIerのSEに落ち着きました。


しかしその結果は、先に書いたように大きなギャップを孕むものでした。

今であれば、新卒なら未経験でもプログラマとして採用してくれる
ベンチャーはいくらでもあると思いますが、
当時はそのような企業は少なく、
またリーマン・ショック直前のあの頃は
ある程度景気も良かったため、
私もご多分にもれず「大手志向」に走ってしまっていました。

その辺は、自分の周りに当時プログラマを志す学生がおらず、
相談出来る人がだれも居なかったために
自分の思い込みだけで突っ走るしか無かったとか
色々事情はあるのですが、
SIerで実際に働いてみることで、そのあたりがより鮮明に見えたので
これはこれで良かったのかなと思います。

最後に

長くなりましたが、
本当に大変なのはこれからだと思っています。

正直SIerでの仕事はヌルく思っていましたが、
これからは1日も早く、自分一人がプログラマとして
利益を上げられるようになる必要があります。

また、コーディングについても
これまでのほほんとやってきた勉強ペースではなく
ガンガンに勉強していかなければならないと感じています。

その中で覚えたことはこのブログにどんどん書いていきたいと思いますので、
よろしければ今後ともお付き合い頂きますようよろしくお願いします。