気になるあの方。

id:Kodakanaさんのところで「千葉県市川市の条例が危ない」という記事が紹介されています。まぁこの条例に反対か賛成かはさておき、chiki的に気になるのはそれに対する林道義さんのコメント。

千葉県市川市の快挙に応援を ──フェミ条例への抜本的改正案提出 !
11月13日に市川市の市議会に、現行のフェミ的「男女平等基本条例」に代わる「男女共同参画社会基本条例案」が保守系議員によって提出された。
新条例案では現行の「男女平等社会の実現の障害となる性別役割分担意識がいまだ根強く残っており」といったフェミ的「前文」がすべて削除されている。また「男女の実質的平等を実現するため」という文章も削除されている。
代わって新条例案には、「男女がその特性を生かし、必要に応じて適切に役割分担しつつ、互いが対等の立場で協力し、補完し合って……」とか、「男女が男らしさ、女らしさを否定することなく」「専業主婦を否定することなく、現実に家庭を支えている主婦を、家族が互いに協力し、支援する家庭」等の文言が折り込まれている。議会では保守会派が合同で過半数を確保している。公明党抜きでだ。公明党の修正や裏切りを心配しなくてもよい。ということは、この条例案は可決される公算が大きいと言うことである。
この画期的な新条例案が確実に市議会で採択されるよう、全国の皆さん、応援メールやFAXを送ってください。メール等は「市川市役所」(下記HP)気付で、市議会議長宛でよいと思います。
「林道義のホームページ:寸評」

えーと、確か林先生は、以前次のようなことを仰っていました。

教科書採択に対する不当な圧力
教科書採択をめぐる戦いが激しさを増している。サヨクは扶桑社版教科書の採択を阻止しようとして、例のごとく不当な圧力をかけている。関係者にメール、ファックス、電話を集中するという、いわば実力行使のやり方である。この作戦は、革命運動をソフトにした戦術である。全共闘の「団交」という「つるしあげ」や、中国の文化大革命の「弾劾」「つるしあげ」集会と同じ原理の、力づくの作戦である。

 民主主義のルールにのっとった発言や行動ではなく、大衆運動の圧力によって、正規の手続きを変えようというのだから、反民主主義的なやり方と言うべきである。もちろん、大衆運動がすべて悪いとは言わない。東欧諸国では大衆運動が独裁政権を倒して民主主義的な政権を作る役割を果たした。しかし日本は民主主義国家である。独裁政権に対する大衆運動と同じ手法を使うのは問題ではないか。発言や意思表示は民主主義のルールにのっとって行うべきである。なるほどデモや集会は合法的だが、わざわざ会議をしている場所を取り囲んで集団で叫んで圧力をかける等は、民主主義に反する実力行使である。ましてや大量の電話やファックスを集中するという方法は、理性に訴えるという方法とは言い難い。
「林道義のホームページ:寸評」


んー。論敵がやるのは「民主主義に反する実力行使」だけど、自分サイドがファックスやメールを送るのは、「フェミナチという独裁政権を倒して民主主義的な政権を作るための大衆運動」ってことになるのかな、この場合。林道義さんは、chikiが勝手に「修飾のポリティクス」と呼んでいるような、論敵には「卑怯な」「非民主的な」「ファシズム」と修飾し、自サイドには「正義の」「画期的な」と修飾するというサヨクのアジビラみたいな文体や機会主義的戦法がいつもすごいなぁと思わされる。



林さんといえば以前、牧波昆布郎さんとのやりとり*1があったとき、「内部告発など、匿名を必要とする事情がある場合を除き、学問的な論争においては、批判をする者は実名で、本人を特定できる情報を公開して行なうようにルールを確立すべきである」というような匿名批判を行っていました。「私は匿名者との論争はしない」と別のところで書いていたのに昆布さんやid:macskaさんとは論争してるじゃん*2というツッコミはさておき、「匿名掲示板」でも自分サイドのものであれば大変好意的だったりするからこれまた不思議。

「フェミナチを監視する掲示板」をときどき覗いている。なかなか有益な議論がある。もちろん掲示板という性質上、「あらし」目的の下品な罵倒もあるし、トラブルもあるようだが、実証的かつ理性的な良質の議論もなされている。年中無休で掲示板の秩序を維持する管理人さんのご苦労は計り知れない。本当に頭の下がる思いだ。
(「「フェミナチを監視する掲示板」で正体を表わした「モデルネ」について@林道義のホームページ」)


「フェミナチを監視する掲示板」も匿名(正確には顕名)だらけなんだけど、それはそれなんだろうか。それとも何か独自のルールがあるんだろうか。ああ気になる気になる。とりあえず、まったく関係ないけれどはてなちゃんに登場してもらい、代わりに叫んでもらおうっと。





いかん。「どぎゃ〜ん」が「ドギやーん」に読めてしまう。

*1:【要約】
昆布、林批判を書く(「レイマー氏を蔑(さげす)む林道義氏@こんぶダイアリー - キーワードも飛びだす爆走ブログ」)
↓
林、反論を書く(「方法論的思考と読解力の欠如 :「牧波」への反論@林道義のホームページ」)
↓
昆布、林文体をパロディしつつ、再反論をする(「レイマー氏を蔑(さげす)む林道義氏」への批判に答える@こんぶダイアリー - キーワードも飛びだす爆走ブログ」)
↓
林、スタイルが気にくわないから反論しない宣言。内容的にも反論の必要を認めないとのこと。(「方法論的思考と読解力の欠如 :「牧波」への反論@林道義のホームページ」)
流れはざっとこんな感じ。詳しくは各ページ参照。林さんは「一方的に勝ったふり宣言」してるけど、じっくり読めば昆布さんの批判をスルーするのは致命的と思われるので、本来であれば昆布さんに対して林さんは内容的な反論をする必要があったと思う。

*2:【要約】
林:混合名簿(要するに、フツーの五十音名簿)に象徴されるような「ジェンダーフリー教育」を行うと、性同一性障害になったり、同性愛者になったりするのだー。(「警告・ジェンダーフリー教育の害毒@林道義のホームページ」)
↓
macska:名簿が混合であろうがどうであろうが、その程度で生物学的に強く方向付けられた差異が無くなってしまったり、性同一性障害になったりするわけがないジャン。あんたバカァ?(「生物学基盤論を唱えながらジェンダーフリー教育の弊害を叫ぶ矛盾@macska dot org」)
↓
林:この者はどうやら「先天的性同一性障害」と「心理的(後天的)性同一性障害」の区別もできていないらしい。というより「心理的(後天的)性同一性障害」について知らないのではないか。(「「生物学的根拠説」に立ちながら「ジェンダーフリー教育の弊害」を言うのは「矛盾」か@林道義のホームページ」)
↓
macska:知るはずないじゃん。だって、そんな区別をしているのはあんただけだもの。例えばDSM-IVにも載ってないしね。(「思いつきでしかない「ジェンフリ教育の弊害」/林道義氏への返答@macska dot org」)
↓
林:DSM-IVは唯一絶対ではないだろうが。ああたしかに載ってないよ。だってボクの思いつきだもん。まあ、ICD-10には自分に都合のよいものが載ってるよ。引用するから見てみそ。(「幼稚で非良心的な学問の方法@林道義のホームページ」)
↓
macska:読んだけど、どう解釈すればICD-10の引用部分が林さんにとって都合がいいだかサパーリワカランww。どうせならICD-10のもっと別のところを参照にしたほうがよかったのに。林氏は《自分が言ったことはどんどん「より弱めの主張(より妥当な一般論)」にすり替えて自己弁護する一方、議論相手の指摘は批判されているポイントをずらして誤魔化す》というパターン使い杉。(「タネのばれたトリックを繰り返す林道義氏の空虚な議論@macska dot org」)
↓
林:オマエガナー!オマエガナー!(「単なるハッタリ屋@林道義のホームページ」)
↓
macska:ワロタw(「自分自身を更なる窮地に追い込む林道義氏の爆笑反論@macska dot org」)
↓
林:お前のコメント欄で、7ヶ月前くらいから第三者による名誉毀損の書き込みがあった。放置してたお前を訴えてやる!(「この論争の原点、および名誉毀損について@林道義のホームページ」)
↓
macska:ゴメン、気づかなかった。それは削除したよ。それにしても、あなたと話していても生産性がまったくないからそろそろ降りるよ。(「追いつめられて訴訟をちらつかせた林道義氏の醜態@macska dot org」)
↓
林:わーい。勝ったー。ついでにボクを批判したエントリを即刻ネット上から削除しやがれ、極端な負けず嫌いめ。(「この論争の総括 @林道義のホームページ」)
この《論争》を最初から最後まで読んでいた人はあまりいないと思うけれど、Disの部分を抜かせば大体こんな内容だと思う(多分)。詳しくは各ページ参照。なお、《論争》の中で林さんは、「この問題で私にからむなんて、いい度胸しているよ」というmacskaさんの内輪ネタに対し、「ハッタリだ」「どこのどんな偉い先生なのか」「macska 大先生」等とやたら絡んでいたけど、macskaさん(小山エミ)さんはインターセックス・イニシアティヴ代表で、性同一性障害等の問題に関しては屈指の人だったりする。