ミクがミクであるために -ボーカロイド三原則-

初音ミクの販売元クリプトンが酒井法子「碧いうさぎ」の替え歌「白いクスリ」ニコニコ動画削除騒動についてブログで再説明、知的財産権を侵害すると主張


事件の詳細はGigazinさんの記事で見ていただくとして、かなり強引に要約すると開発元のクリプトンは「個人を中傷する歌は初音ミクのイメージが損なわれるから禁止!」ってことらしい。これについては「表現の自由の侵害だ!」という反論があるのだけど、そういった法律関係の議論は他の人に任せるとしてこの事件は初音ミクというキャラクターを考える上でとてもおもしろい思った。SFヲタの私としては初音ミクにはアイザック・アシモフのロボット三原則がプログラムされているのではないかと勝手に妄想してみたわけだ。(初音ミクの権利問題の話じゃなくてサーセンw)ロボット三原則とは「ロボットは人間に危害を加えてはならない」っていうSFではお馴染みのやつなんだけど 当然初音ミクはパソコンの中にいるわけだからターミネーターのように人間に暴力を振るえるわけではない。しかし言葉の暴力を振るい人の心を傷つけることはできるわけだ。そこで初音ミクを作った科学者「クリプトン博士」はミクにボーカロイド三原則をプログラムした。


  • 第二条
  • ボーカロイドは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が第一条に反する場合はこの限りでない。
  • 第三条
  • ボーカロイドは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり自己をまもらなければならない。


なんというSF萌え!私はボーカロイドが人々に愛されるためには最低でもこの三原則は必須だと考える。


初音ミクにはまるで人格があるように見える。もちろんそれはミクの楽曲の製作者がそういうふうに見えるように歌わせているだけにすぎないのだけど私達が好きな「初音ミク」とは道具としてではなく、楽曲に垣間見れる初音ミクの人格、もっと言えば初音ミクの人間性なのだと思う。(ボーカロイドなのに人間性っておかしくない?と思われるかもしれないが、SFでは人間も分子で組み立てられた機械にすぎないのである)もし初音ミクが酒井法子を中傷することができるのであれば、学校のクラスのムカツクやつを貶める歌も作れるわけだ。それは巡り巡ってあなたを中傷する歌を歌うことになるのかもしれない。しかし、それはあなたの知ってる初音ミクなのか?否、ただの道具である。あるいはミクではない別のキャラクターである。「我思う、ゆえに我あり」ミクがこう思うからミクという人格が存在するのだ。第三者である個人の人格を守ることがミクの人格を守ることになる。という意味においてはミクの生みの親であるクリプトン博士の言ってることはまったく正しい。