iPhoneとケータイの差
今日もやっぱり皆が好きそうな iPhone の話。
以下の記事には異論がある。例えば日本で2ちゃんねる系掲示板に携帯電話からアクセスするなら w2ch ぐらい入れてるだろう。無料配布されてるので市場規模はゼロだし実数がどれだけかもわかんないけど、相当な利用数に上るはず。あとはゲームか。
ところで2ちゃんねるブラウザにしてもゲームにしても、この記事で挙げられている「カレンダーソフトやメモツール、TODO管理」とはベクトルが正反対を向いてるよね。後者は「忙しい人のためのツール」であって、前者は端的に言ってしまえば「暇つぶし」のためのもの。電車の移動時間を潰すとか。
iPhoneやAndroidは何がケータイと違うのか (@IT)
ユーザーがアプリケーションをインストールして使い勝手を向上できる点もiPhoneとAndroidが開いた世界だ。既存ケータイでもそれは可能だったと反論する人もいるかもしれないが、平均的iPhone利用者とケータイ利用者とでインストールしたアプリケーションの数を比較してみれば違いは明らかだろう。アップルのアプリケーション配信サービス「App Store」は、サービス開始以来1カ月で6000万ダウンロード、3000万ドル(約33億円)の売り上げを達成したという。日本のケータイ産業で売れているのは着うたぐらいだ。私の個人的な体験では、カレンダーソフトやメモツール、TODO管理といったアプリケーションを入れたことで、iPhoneはまったく別物というほどPIMとしての使い勝手が向上した。重要なのは、こうしたソフトウェアを端末メーカーやキャリアではなく、サードパーティーや個人の開発者が作っている点だ。
それが iPhone とケータイとの最大の差なんじゃなかろうか。つまり、端末が違うんじゃなくて、使う人のニーズが違う。日本における携帯電話ってのは「暇つぶし」というニーズがとても大きい。まあ「暇つぶし」だと語感が悪いかもしれないけど、iPhone やスマートフォンの類が GTD とか効率向上の方向を向いてるんだとすると、それとは全然方向が違うということ。「ケータイ」つう呼び方自体、そういうイメージを喚起するような気がせんかね。
もちろん iPhone も暇つぶし用の app は山のようにあるし、iPhone でも暇つぶしできないってことは全然無い。ただ、iPhone の布教においてはそうじゃない方向ばかり強調されてるような気がする。まあケータイに無いものを強調する方が「布教した」って気になるわな。でもそれって、ケータイユーザには全然アピールできてないんじゃないかとも思うんだが。
念のため言っておくと、暇つぶしってかなり語感が悪いけど、それ自体が悪いことってわけじゃなくて、日本人は暇つぶしを芸術的境地にまで高めるのが得意だったりするから、実はそっちの方で勝負すべきなんじゃないかっつう意見もある(dukeとか)。アニメなんてそういうものだよね。
暇つぶしを向くかGTDを向くかってのは国民性のような気もするなあ。日本人は集団ではQCみたいなのよくやるけど個人レベルでの自己研鑽ってそれほどでもない。一方アメリカ人は集団ではまとまりが無いけど個人レベルでは数字を出しての「自分を高めないと」的強迫観念に取り付かれてる人が多い。携帯電話はパーソナルなものだから、そのレベルでの違いが出てるんだと思う。iPhone を持ち上げる人には「ライフハック(笑)」つうかアメリカ的風土に近い人が多そうな。逆に日本で iPhone を売るなら、職場全体で iPhone 導入してQC活動Appを導入、とかそういう方向にするといいのかもしれん。全然楽しくないだろうけど。