グーグル電卓の目的

グーグル電卓とはいったいなんだったのか?
それはまさしく人類がもっとも行うであろう計算を調べるための《装置》だったのだと思う。
その結果、ここ数年でもっとも多く行われた計算が「235*3+2」ということがわかった。235はたとえば価格という属性の数値かもしれない。あるいはとある村の住人の数かもしれない。培養シャーレの中の細菌の数を3倍するなんらかの計算だったのかもしれない。いずれにせよその計算が世界中で最も行われたのである。
「で、グーグルはその計算式から何を知ろうとしてるの?」
「人の集合意思、あるいは神の意思」
「は? なんでそうなるわけ?」
「通常の検索語分析では要素が多すぎて分析が不可能だったんだよ。だから数式・計算式を収集しようとした。分析範囲を《数字》にせばめるために電卓サービスを投入した」
「だから、なんでそれが神につながんのよ」
「ありえない頻度なんだよ。235*3+2が出てくる回数が。2位以下の計算式群から飛びぬけてる」
「もしそうだとしても神は関係ないでしょ? 人の文化や文明の帰結としてその計算式が頻出したってだけで。だいたい神が10進数使うわけ? カール・セーガンだってそんなこと言わないわよ?」
「神がメッセージを送ってくるとしても、それは人を通して出てくる。ならば人の言語野や人の文化・数学・科学で理解できる形で表出する可能性は高い」
「可能性はゼロじゃないけどさ……。じゃあ235*3+2は何を意味してるの?」
「計算結果を見た人間に訴えかけるなにか、だとは思うんだけど……」
「計算結果って707よねぇ?」
「うん」






「!」
「何かわかった?」
「あはははっ。これが神が人に向けたメッセージってこと? 計算式の発生確率を操作してまで? 宇宙を操作してまで? ははははははっ」
「……わからないよ。教えてよ」
「わたしをみてわからない?」
一瞬真顔になってそう言った彼女は、ぷっと吹き出し、また笑い転げた。






















追記:

yshl わからない。お手上げ。lol

あたり。LOL。上下反転。707→(上下反転)→LOL(laugh out loudly)
神「laugh out loudly(笑えよ)」
OR
神「lots of laugh(人類? プゲラ)」