誰かさんの不思議

音楽活動の合間に感じる不思議なことを雑談しています。

多分DJの常識

今回は備忘録も兼ねて。
依頼頂いたゲーム音楽制作もひとまず終わり、実際のゲームで使う音楽データを作っていたのだけど、ここで一つ問題がありました。
そう、ゲーム音楽はループするのです。
和声的なつながりに関しては全く問題がないのですが、今回のゲーム音楽はオーディオデータということで、いわゆる録音したものを使うんですね。そうすると、つながる部分の波形が完全に同じ形でないと接合部分でノイズが発生してしまう。
当初、接合する前後のフレーズを同じにしておけば問題ないだろうと踏んでいたのですが、実はこれが甘い考えでして、理屈では同じ形であるはずなのにどうしてもノイズが発生してしまうんです。曲によってはほとんど分からないし、そもそもゲームをプレイしていれば気付かないだろうというレベルではあると思うのだけど、やっぱり論理的にゼロとしたい。
そこで調べてみたら「ゼロクロス」という言葉が出てきました。
音楽が絶え間なく鳴っていても、音は波のように上下しているので、そこから一瞬のゼロを探し、音声を切り出せば前後がゼロだからノイズが発生しない、という内容。
正直、本当かどうか疑いました。音は波だし理屈の上ではあり得そうだけど、実際の曲は切れ目なんてないですよ。
音声波形を顕微鏡で見る事数時間。流石に見つけられないので機械に頼ることにしました。

それがコレ。

â– Audacity
http://audacity.sourceforge.net/?lang=ja

機械って凄いですね。私が音楽制作に使っているDigital Performerにはゼロの部分を探す機能がないのだけど、フリーウェア【Audacity】にはそれがあるんです。
微調整は必要だけど、本当、驚くほど奇麗にループさせられました。仰天ものです。おまけにoggファイルも直接書き出せる優れもの。
ゲーム音楽を作っている人や、とりわけオーディオファイルを切り貼りしてパフォーマンスに利用しているDJの方なんかには常識なんでしょうけど、感動ものでした。