好きなものを否定されて悔しいこと

価値観なんて人それぞれだし、何が正しくて何が正しくないなんてことはない、それは分かっている。むしろ、あるひとつの事柄に対して万人が同じ感想や意見をもつことこそ異常で気持ち悪いことなのだし。それでも、自分の好きなものや、思い入れのあるものに対する否定的な意見にふれることは、わが身を裂かれんばかりに辛いことなのであり。そのへんの思い込みの強さこそオタクらしいと言われればそれまでなのだけれども。

具体的に話をしますと、私が贔屓にしている人(仮にAとします)の曲をいくつか友人に聴いてもらったところ、思わしくない評価をいただいてしまったのです。いわく、「Aのこの曲はヤバいね、音がはずれてて」とのこと。その曲はAの歌の中でも気に入っていただけに、私にとってその友人の評価はまったく心外なものだった。「どの辺が?音がはずれてたのって、本当にA?それって4人で歌ってる曲なんだけど」「あ、4人で歌ってるの?気づかなかった。だけどやっぱりAはちょっと微妙だったよ」4人で歌ってるのも気づかなかったのに、Aがどのパートを歌ってるのかも聞き分けられないのに、よくもAが音をはずしていると言えたものだ。
実のところAは歌手が本業ではなく、その歌唱力に対する評価は二分されている*1。私はAの繊細な歌声や豊かな感情表現力に魅せられていて、そんなところもひっくるめてAは「歌がうまい」と思っている。ファンの欲目もあるかもしれない、それも一応承知しているつもりだ。

悔しいのは、「ヘタだ」という意見のほうがもっともらしく聞こえてしまうこと。それは音楽などでは特に顕著な現象に思える。自分がいいと感じた曲でも「音がはずれている、リズムがずれている」などと言われてしまえば反論のしようもない。「ヘタだ」とする意見をもつ人のほうが、まるで肥えた耳をもっているように聞こえてしまうのだ。特に私のような思い込みの強いファンの意見は、盲目のあまりアバタもえくぼで本当にそれが優れている故のものではない、と思われてしまうのが歯がゆくてならない。
うーん本当に歯がゆい!だから本当に彼の曲はいいんだって言ってるのに、どうして分かってくれる人が少ないんだ!?

*1:動画サイトやブログ等の意見による