自転車と共に行く東京案内 『東京自転車少女』 1巻

東京自転車少女。(1)【ドラマCD付】(アース・スターコミックス)

東京自転車少女。(1)【ドラマCD付】(アース・スターコミックス)

一人は本土から離れた島からやって来た東京に憧れを抱く少女・いるか。
一人はコンクリートジャングルの東京で生まれ育ち、東京を嫌悪する少女・加藤さん。
性格も東京へ対する想いも全く正反対の二人が出会い・・・

自転車と東京練馬へ対する限りなき愛が感じられる本作。
普段何気なく過ごしている街であっても、
少し視点を変えてみれば意外な発見があるかもしれないという盲点。
加えて話を彩る少女たちによるのんびりとした空気。
街探索とガールズトークの融合は、
深いことを考えずに安定して楽しめるものがありますね。
最近自転車は通勤時に家と最寄り駅の自転車置き場との間を往復するくらいしか使ってないけど、
たまには少し遠くまで足を延ばしてみるのもいいなと感じます。
ただの移動手段としてだけではない自転車の魅力もありますし、
普段そんなに使わないなりにも、タイヤの空気入れとか、
雨ざらしで錆だらけの全身の手入れとか、
少しは真面目にやってみるかななんて思いますね。
やっぱり物は大切に愛を持って接しないと・・・

知らない町を探索してみたい。
住んでるところのすぐ近所であっても、
普段行かないような道を一本入れば新たな発見があったりするもの。
近所でさえそうなのですから、はじめての街ともなれば全てが発見の連続。
何があるのかわからない、だからこそ発見があったときの感動がある。

街歩きの醍醐味ですよね。
たまに東京の各所を歩いたりすることもあるけど、
毎回違ったものが得られるし、この行き当たりばったり感がたまりません。
そこは歩くにしても自転車を使うにしても共通するところがあるのではないかと。
唐突に桜の名所なんかが視界に飛び込んできたら感動しますよ。

本作では練馬を中心に展開されるようだけど、
せっかく自転車を使ってることもありますから、
もっと色んなところを紹介してほしいなー。
街ガイドとして使えれば、本作片手に実際にそこへ行ってみて、
更に違った発見がないか探索してみるって楽しみ方ができます。
正反対の考えを持っていても共有できる想いもあり、
東京好きと東京嫌いの互いの目から見た景色がどのように映るのか。
このあたりの対比を感じるのもまた一つの魅力ですね。


往くは自転車天使部一同。
いるかの何にでも興味を持って辺りをチョロチョロと動き回る、
ちょっと鬱陶しいと思うこともある小動物系っぷりが好きならたまらないものが。

知識ゼロで見た目が格好いいからってだけの理由で、
ママチャリのサドルにいきなりスポーツサイクル用のものを取り付けてしまって、
三角木馬状態になったところに腰掛けたときのリアクションは、
こういう何もかも青信号でGO!なキャラだからこそ為し得る芸当です。

対する加藤さんはどこぞのホビロン臭漂うツンデレ系、
他にも小江戸っ子にお嬢様にと、わかりやすい鉄板な個性だから、
この手のガールズ活動ものとしては非常に手堅いです。
初回版にはお値段据え置きでドラマCDも付属しているので、
より一層キャラに対してのイメージが沸きやすいです。
竹達さん演じるいるかは本当にテンション高いなー。
聴いた感じとしては某あこ姉からエロ成分を差し引いて、
頭をゆるくしたような印象とでも言いましょうか。