雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

霞ヶ関からのネット利用

なかのひとという面白いサービスがあって、ガジェットを張っておくとどんな組織からアクセスがあるかタグクラウド風に表示してくれる。それによると財務省・総務省・国土交通省・文部科学省・厚生労働省・環境省・農林水産省・特許庁・気象庁・内閣法制局・会計監査院・最高裁判所・衆議院・参議院あたりからは当ブログへのアクセスを確認できるのだが、確かに経済産業省・外務省・防衛省・警察庁からのアクセスはみない。ちなみに大手ITベンダでHP・IBM・NEC・富士通・日本ユニシス等からはかなりのアクセスがあって日立からだけ全くないのだが、同社の社員によると実際フィルタされているという。

北畑隆生氏の「株主はバカ」発言は大反響を呼び、ブログ検索でみると倖田来未の「羊水」発言を上回っている。しかし経産省では、blog.goo.ne.jpは有害サイト(?)としてフィルタリングされているそうなので、官僚諸氏が休日に読めるように、これまでの議論を整理してみた。

ところで役所のドメインが簡単に逆引きできるのは政府の情報管理を考える上で如何なものか。例えば内閣法制局からは、とあるソーシャルブックマークサービスで検閲というキーワードで検索して当ブログに辿り着いたことまで追跡できたのだが、当ブログの検索結果は上から20番目ちょっとで、この検索結果を全て確認したのかなぁとか想像が膨らむ訳で。
検閲でも冗談じゃないが、例えば外務省ドメインから公表されていない政変に関わる人名や地名をキーワードにグーグルや百度へのアクセスがあると、やはり国交とか安全保障上も洒落にならないのではないか。誰がどんなキーワードで何を調べているかというのは、極めて重要なインテリジェンスなのである。
わたしは役所の政策部門からは、基本的に逆引きやリファラ等に起因よる情報漏洩が起こらないよう慎重に擬装した上で、アダルトサイトも含めてあらゆるサイトへのアクセスを許すべきだと考える。政策立案に当たっては、内部で何を検討しているか漏れることを避ける一方で、あらゆる公開情報にアクセスできるべきだからだ。例えばフィルタリングについて政策を立てようにも、省内でフィルタリングされてアダルトサイトや出会い系サイト、SNSに繋がらないようでは話にならない。
リアルにせよネットにせよ行動について最低限のルールを決めて説明責任は課して、仮にネットの悪質な目的外利用があれば厳重に処断すればいい話であって、お役人様がお子様よろしく厳しくフィルタリングしなければネットを悪用したり情報を漏らしてしまうリテラシーだという前提では、国民のひとりとして非常に困るのである。
だいたい今どきネットひとつ自由に使えないような組織に優秀な若手が入ろうと思うだろうか。もちろんネットを自由に使えないこと自体がどうということもあるが、それ以前に官僚組織が個々人のリテラシーや規範意識を信頼できていないのだとすれば、かなり由々しき状況ではなかろうか。