雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

Googleこわい

言い古されたことだが,やっぱりGoogleはすごい。ワン切りっぽい電話がかかってきて,その電話番号で検索すると大概はワン切り情報が引っかかるし,自分の名前で検索すると,過去の行状が洗いざらい出てきてしまう。最近は編集者もライターを面接する前に,Googleで記事を検索して得意分野や文章力や共通の話題を推し量るというから,卒業大学や過去の経歴よりも,自分の名前で検索するとGoogleで何が出てくるかの方が,ひとの人生を左右する時代が来るのも時間の問題,いや,少なくともITライター業界にはもう来ているし,そのトレンドは他の業界にも波及し得るだろう。
痛感したのは,怪文書について。『噂の真相』がいくら全国の書店店頭に並んでいるといっても,それを読んだひとにしか影響がないし,これから会う人について膨大なバックナンバーから探そうという人は出てきまい。しかし,その人の業績を調べるつもりでGoogleで検索をかけると悪い噂がぼろぼろ,となると影響は絶大,一生ついて回るのである。実際,同僚が仕事でうまくいっていない相手をGoogleで調べたところ,業績とかも引っかかるけれども,それよりインパクトのあるスキャンダルがゴロゴロと引っかかり,会う前からその相手に対する第一印象が決まってしまったことがある。「人の噂も75日」なんて牧歌的な時代は終わってしまったのだろうか。

Googleで増す名付け親の責任

昔は名前なんて,一生に出会う友達の友達くらいの間まででユニークなら困ることもなかったが,これもGoogleで変わりつつある。同姓同名のAV監督に悩まされるクリエイターとか,同姓同名のエッチなVシネに出てるような女優がいる知り合いの悩み(ときどき「女優さんとかやられてました?」と婉曲に聞かれるらしい)とかを聞いていると,けっこう深刻である。
たぶん解決策は正反対に2つあって,ひとつは濡れ衣を着せられないようユニークな名前をつけることで,これはある時点でユニークである可能性のある名前をつけることはできるが,いつまでも本当にユニークな名前にすることは難しい。もう一つは逆にあまりにありきたりな名前をつけることでGoogleでのSN比を下げてしまい,Googleによる行状の追跡を難しくしてしまう方法である。
親が自分の名前をつけたときにはgoogleなどなかったのだから仕方ないが,これから間に合うのであれば,本名は追跡しにくいようありがちな名前,原稿とかを書くときは業績がはっきり残るよう,ユニークなペンネームを使うと良さそうだ。
ぼくはここまで深く考えなかったので,2人の息子の名前は,Googleで検索しながら,あまり他人と重ならないようにつけた。それでも,重なるときは重なるもんである。いずれにしても画数とかだけでなく,Googleでグローバルな串刺し検索を簡単にできるようになったことから,良かれ悪しかれ名前の付け方でその人の人生が変わるようになったことは確かだ。