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「パンティ&ストッキング」10話のPV、「D City Rock」の音楽パロディがアナーキーでフリーダム!

おいおいおいおい。

「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」10話のcパート「二人はエンジェル HELP!」の「D City Rock」最高すぎだろう。
まさか本放送でまるまる一曲5分のPVを流すとは思わなかった!
しかもとにかく音楽パロディてんこ盛り。なにこの俺ホイホイ。超釣られましたとも!
 

歌詞も要チェック。パンティ、ストッキングそれぞれの思いと自由への思いを描いています。
恐らくあらゆるサイトでもうすでにネタ解析されていると思いますが、自分も気づいた部分解説していこうと思います。
youtubeはりまくりで重いので、収納ー
 
 

まずはタイトル、これはビートルズの「HELP!」の映画の邦題より。元々の題名は「HELP! 4人はアイドル」。

言わずと知れた名曲。
パンティ達のシルエットもビートルズと全く同じ物。ガーターの形がL字に見えるので「HELP」という語を表しているのかと思いきや、実はこのジャケット、裏焼きなので逆さま(コートが左前になっている)。手旗信号を訳すと「KPUN」。意味はないです。
ビートルズがスーパーアイドルになって、強烈に忙しかった時期。映画はコメディタッチのノリで、「ハードデイズナイト」についで二作目。
 

これは1966年、ビートルズ来日のシーンの有名な映像。はっぴ姿が印象的。

今もスーパーアイドルは山ほどいますが、ここまで強烈に世界を揺るがすことはなかなかないでしょうねえ。有名人が減ったからではなくて、分散したから。
それにしてもこの映像、1966年の空気を見るにはもってこいの映像ですね。日本にこんな時代があったんだなあ。
 

アメリカのスーパーヒーロー、エルヴィス・プレスリー。

こちらは「監獄ロック」。まさに「ロックンロール」という名が定着した頃のスーパーヒーローでした。リズムアンドブルース、ジャズ、カントリーを網羅してロックを形作り、広めた偉大なスターです。

おなじみエルヴィス・プレスリースタイル。
ここでエルヴィススタイルの二人の髪の毛のいろが金髪と黒なのが地味に象徴的。というのも黒人・白人の境界線がまだキツかった1950年代、「黒人のリズムアンドブルースを白人のエルヴィスが歌う」とその境界線をとっぱらったから。自由を訴えたヒーローとしても今見直すことができます。
 

「You Wanted The Best!? You Gotta Best! The Hottest Band In The World,・・・ KISS!!」
白黒の度派手なメイクとパフォーマンスといえばKISS!

1973年、ジーン・シモンズを中心として結成されたハードロックバンド。ドラム破壊や火吹きも取り入れ、とにかく驚かせるパフォーマンスと、骨太なサウンドで世界を魅了していきました。加えてメイクしたメンバー、たとえばジーン・シモンズは「地獄からやってきた悪魔」という設定で火を吹くわけです。
これが聖飢魔IIのようなヴィジュアル系バンドに大きな影響を与えました。またCDの邦題がなんでもかんでも「地獄の」とついているのが面白い。どうして「Destroyer」が「地獄の軍団」になるんだ!いかす!
にしてもパンストたち天使が悪魔の格好で登場、というのはなかなか皮肉めいていますな。
 

こちらも言わずと知れたビートルズの名盤「アビィロード」。殆どの人が見たことあるであろう超有名ジャケットです。
Abbey Road (Dig)
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ガーターの白スーツ、パンティの黒スーツ、ストッキングの裸足まで再現。
ポールだけなぜかこのジャケットでは裸足なのですが、それが一時期「I am the walrus」の難解な歌詞との組み合わせで「実はポールは死んでいるのではないか?」説があがったこともありました。いわゆる深読み。もちろん生きてますヨ。
「アビィロード」のパロディは色々なものがありますが、一番アタマが悪いのはレッチリのこれじゃないかと。
Abbey Road
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ナイスチンコ。
 

オアシス。

おそらく「D'You Know What I Mean? 」のPVじゃないかと。
だとすると歌詞と「パンスト」との比較がすげー面白いんですよ。
「D'You Know What I Mean?」・・・オアシス教団テーマ - FOR NO ONE - Yahoo!ブログ

I met my maker I made him cry / And on my shoulder he asked me why
His prople won't fly through the storm
I said "listen up man, they don't even know you're born"
オレは創り主に会って彼を嘆かせた / 肩にすがって彼は尋ねた
何故彼の従者達は嵐をついて飛ぼうとしないのかと
オレは言った「良く聞きな、連中はあんたが生まれた事さえ知らないんだ」

天使無茶言うな!
とにかく大口を叩くは暴力沙汰を起こすわで有名なオアシスですが、言うだけのことをこなしてしまってUKヒットチャート一位に君臨し続けていたんだからすごい。イギリスを代表するロックバンドです。
 

レディー・ガガ

女性刑務所を舞台にした「テレフォン」のPVが世界中で話題に。下着の女囚達が、マイケルジャクソンの「スリラー」のごとく腕をふりふり踊る姿はなかなか強烈。特にテープでぐるぐる巻きになっているシーンがインパクト絶大。
元ストリッパーで男性ではないか説まであったガガ、奇抜な衣装やパフォーマンスに目が行きますが、同性愛者の人権平等をも訴えているのも注目したいところ。というのも次にくるのが……。
 

はい、クイーンのフレディ・マーキュリーなのです。

衣装はこの時のものですね。
ロックでありながら、オラトリオを彷彿とさせるコーラスを使用した曲まで仕上げる独自なスタイルを築いたクイーン。ギターオーケストレーションというギターダビングによる奏法はクイーンのブライアン・メイによるもの。今も多くの人に影響を与えているバンドです。
で、フレディ・マーキュリーといえば同性愛者でHIVで亡くなったことでも有名。どうしてもスキャンダラスになってしまうのが有名人の苦しみでもありますが、彼の遺言で「ボヘミアン・ラプソディ」の印税がエイズ基金に寄付され、多くの人の「病」と「性のマイノリティ」の解放を願っていたことも明らかになります。フレディ・マーキュリーを最期まで見守った恋人のジム・ハットンの著書も非常に有名。ジム・ハットン氏は2010年1月1日に亡くなっています。

フレディ・マーキュリーと私
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レディー・ガガの名前の元は「スタイルが似ている」ということでクイーンの曲「レディオ・ガガ」からとられたとのこと。このパロディPVで、この順でネタを並べてくるとは。ギャグなので笑っていいところなんですが、ちょいと深いものがあります。
 

雨の中の制服といえばt.A.T.uの「ALL The Things She Said」から。

パンストのノリと彼女たちのめちゃくちゃすぎでスキャンダラスな生き方は通じる物ありますね。描きたくて仕方なかったんだろうなあと思わせられる一枚。ガールズラブ臭を漂わせる芸風も話題になりました。
t.A.T.uはあんまりにも無茶な生き方をしてしまったため、いまやすっかり悪印象が強くなってしまったアーティストだと思いますが、その音楽とPVは素晴らしい作品がものすごく多いです。
つうかぼくt.A.T.u好きなんだよー。ビジュアルも、悲しげなメロディもそうですが、とにかく自由への渇望をひたすら歌っている、けれど向かう先は地獄なんじゃないかというテンションが。
All About Usなんかはもろそんな感じがします。天使じゃないリアルパンティ&ストッキングってこんなイメージかもしれません。
 
 
ギター燃やしといえばもちろんジミー・ヘンドリックス。


多分ライブのシーンはウッドストックだと思います。
1969年のウッドストックといえば自由とカウンター・カルチャーの象徴のような、ヒッピー文化の表現のようなフェスティバルでもありました。
ジミヘンはギターの神様みたいな人ですが、黒人として白人ロックスターになったことで黒人の恨みを買う、という面倒な事に巻き込まれてもいました。派手なパフォーマンスと爆音で注目を集めましたが、その技術力は多くの人の絶賛を浴びます。
若くして亡くなったジミヘン。彼はただただ、ギターを愛していた、んだと思うんだな。
 

きたー、アナーキー・イン・ザUK、セックス・ピストルズ!


いきなりアンチクライストと反社会を歌う「アナーキー・イン・ザUK」の攻撃性とパワー!1970年代を代表するセックス・ピストルズは一気に保守的だったイギリスを、反体制のパンクの渦に飲み込みます。ユニオンジャックと安全ピンのパンクファッションもこれで一気に確立。今も続いているんだからすごい影響力。怒りのパワーを持ったパンクは、ハードロックやプログレッシブへのカウンターとして大爆発。
あまりにも攻撃的であると同時に、あまりにも生き方が刹那的すぎたピストルズ。ジョニー・ロットンの不良っぷりが多くの人を痺れさせました。また特にベーシストのシド・ヴィシャスはヤク中で21歳で無くなっているという、生き方がパンクすぎる人物。だからこそ、今も多くの人のカリスマになっています。
パンティとストッキングの苗字がアナーキーつながりなのはこれを意識して……るのかなあどうかなあ。
 

デスノートじゃないよ、マリリン・マンソン。

ガーターの白タイツはThe Dope Showからではないかと。

ストッキングの音楽プレイヤーには絶対はいってるだろうなあマリリン・マンソン。

現代ゴスのトップランナーとして、音楽性はもちろん映像美やファッションなども追求し続けるマリリン・マンソン。アンチクライストな歌詞を掲げているバンド、という意味ではピストルズの後に続いてくるのはちょっと面白いですね。天使達、どこまでアンチクライストなんだい。
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彼らが反発スタイルを貫いている理由やアンチクライストなわけはこのへんからわかります。
 

ここでGorillazがくるとはズルいな! 分かっていたとはいえはまりすぎだよ!
GORILLAZ / ゴリラズ | SoundTown INTERNATIONAL

パンティの2Dの格好がまんますぎて。チャックのNoodleがまたまんまで!くそっずるいな!(褒め言葉
Gorillazは実在のバンドではなく、カートゥーンキャラ4人組の架空のバンド。しかし単なる冗談では済ませず、ヒップホップからヘヴィメタルまで様々なジャンルの音楽をこなし、彼らのアルバムは世界中でものすごく高い評価を得ました。
もちろん中の人はいるんですが、それはそれとしてGorillazが3Dホログラムアニメーション映像でのライブを行い、高い音楽性と技術力を融合させた「バンド」として多くの人の心に存在している事実が面白い!
 

ピンク・フロイドの「対」。
よりにもよってこれを選ぶかー。たしかに二人だし。プログレッシブの大家であるピンクフロイド。さっきピストルズをやったばっかりなので方向性が正反対なんですが、それも含めて面白い。
人間の心理を紡ぎ上げる哲学的な音楽であるピンクフロイドの音は、独自の陶酔した空気をまとっています。
 

これ最初「?」となってたんですが、ヴェルヴェットアンダーグラウンド&ニコのバナナなのね。
Velvet Underground & Nico
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剥けてます。名前も「アンディー・ウォーホル」ではなくて「パンティー・ウォーホル」。

薬物や性についても歌いあげるヴェルヴェットアンダーグラウンド。なかなかパンストにぴったりじゃないかね。
 

ご存知、グランジの名盤ニルヴァーナの「Nevermind」。
Nevermind
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CDに書かれている名前が「Gluttony」となっていますが、これは七つの大罪のひとつ「暴食」のこと。タイトルも「never eat」になってますね。いやー、ストッキングすぎる。

1970年前後生まれのジェネレーションXの注目を集めたグランジミュージック。POPさよりも生身の汚れ感が強いです。もともとグランジのスタイルは単にお金が無いから部屋着で演奏していただけだった部分もあるので、今のグランジファッションの「かっこよさ」と実は対極にあったりも。
突然の大成功でニルヴァーナはスターダムにのしあがりますが、ヘロイン中毒だったカート・コバーンが93年にショットガンで自殺。グランジブームは一気に収束しました。
 

みんなご存知、キング・クリムゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」。
クリムゾン・キングの宮殿
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このジャケットすごいよなあ……一度見たら一生忘れられないよこれ。

超絶変拍子と技巧で圧倒したプログレッシブバンド。現在も常に自分たちで新しいものを作り続けている偉大すぎるバンドです。
 
音楽パロディおなかいっぱいいただきました! ごちそうさまでーす!
にしても、音楽のテーマ、訴えとも言える「自由」とアナーキズムを中心軸に据えて、音楽史をたどるかのような幅広さを持ってパロディにしているのが見事ですね。本当に見事な幅広さ。ゴリラズはほんとびっくりしたなあ。これで一本ゴリラズパンストつくってほしいくらいですよ。

「パンスト」にテーマがあるか?と聞かれたら「わからん」としかいえません。なんせ10話AパートBパートが酷い有様なので(褒め言葉)つじつまを求めるのが難しすぎるというか、なんでもありで、そこに対して類推を述べたらきっとパンティに中指立てられることでしょう。まーそれでいいんじゃないかな。
ただ、彼女たちの堕天使性、欲望、力を持ちつつ自由を謳歌している様などをひっくるめての「自由」とはなんなのか、それをバラバラでめちゃくちゃでミキサーにかけたみたいにはなっているけれども、軸として常に持っているように思えてならないのです。表現方法も本当にバラバラだけど、常に求めているのは自由。
この音楽達のように。