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「恋愛ラボ」二巻のエノのかわいさに、さらに恋が深まりました。

「恋愛ラボ」のエノのかわいさに、恋をしました。
恋愛ラボ 2 (まんがタイムコミックス)

二巻が出た「恋愛ラボ」。もう各地で話題になっている傑作青春女子中生4コマです。
やっぱり「中学生」というのがいいんですよね。一番色々興味があるのに知識が無くてアンバランスな時期じゃないですか。しかも女子中。そりゃもう耳年増にはなっても実体験がなくてぽわんぽわんにもなるってもんです。
その脳みそぽわぽわ状態を楽しく描いた本作。「男女の恋愛を学ぶ」というのがテーマですが、女の子同士の友情の熱さが何よりすばらしいんだなー。
 
はて、詳しい感想は他のサイトでもやっていると思うのですが。
自分はこの作品のキャラみんな好きですが、一人飛び抜けて大好きなキャラがいるんです。いるんです。

眉毛がキュートで、会長のマキにライバル意識を燃やす、暴走副会長榎本結子さん。通称「エノ」。
そう、ぼくは…エノに恋をしてしまいました。
ここからは、エノの話だけします。不親切な解説ですね。でもエノのことが好きだから!
 

●「アホの子」と「バカの子」●

この作品、半分くらい女子中学生独特なアホさを抱えたキャラで構成されているんですが、もう少し厳密に見ていくと「バカ」と「アホ」のバランスが非常によくとれています。
たとえばぼくの愛するエノですが。

すげー幼いんです。思考が。脳みそが。
まあ中学生だしなあ。ある意味一番中学生らしい子でもあります。
ライバル心むき出し、いつもストレート、裏表なしの猪突猛進っ子であります。
ようするに、どちらかと言うと「バカ」なわけです。
 
一方、彼女がライバル心を燃やしていた、完全無欠っぽく見える生徒会長の真木夏緒さんですが。

すごい感覚がずれています。
中学生にしてはできすぎなくらいの女の子ですが、とにかくいちいちベクトルがずれていて、どんどん脇道に脱線していきます。
どちらかというと迷走。きちんと誠実にこなそうとしてあらぬ方向へ。
ようするに、どちらかと言うと「アホ」なわけです。
 
この「バカ」と「アホ」のバランスが素晴らしい。
それを全突っ込みするリコ、横から冷静に冷やかすサエ、ドジで場を荒らすスズがまじることで、2巻冒頭から強烈な黄金比率を作り出します。
なので「このキャラ好きダナー」という思いと「この生徒会好きダナー」という感覚がうまいこと刺激されます。さてはてあなたは誰が好き?
ぼくはエノちゃん!
 

●単純暴走直列回路●

少しエノのバカっぷりを見てみよう!
 
エノはそこそこ優秀な子です。でも飛び抜けて優秀なわけではありません。
気は強いけど、中の上か上の下くらい。微妙。
その上とにかく徹底して裏表がないため、やたらとだまされやすいです。

3年生で先輩なはずなのに、何とも言えない幼稚っぷり。
彼女をだますのは赤子の手をひねるかのようです。
その分、激しい気性と止まらない暴走心臓を持っているため、やっかいと言えばやっかいなのですが、そこがエノの魅力。どんどこ窮地を切り開きます。
しかも周囲はそんな彼女の性質をよーくわかっているので…。

とても便利です。
 
しかしここまで単純明快な性格しているキャラも珍しいです。ほんと、見ていてすがすがしいのなんの。
最初はいわゆる「ライバルいじめっ子キャラ」的な空気を持っていましたが、宮原先生はそれをうまく優しい視線でまとめあげたため、「バカだからこそかわいい子」になっています。
でしょ?バカな子ほどかわいいでしょう?
なんせ裏表とか悪気ゼロなので、「うあー!」ってストレートに突っ込んできたらこっちも「うあー!」と体当たりしたくなって仕方ないわけですよ。
あとは上記に引用したように、うまく育ててあげたい、なんていう親心をも刺激してきます。
ようするに、デフォルメされつつもとてもリアルに中学生しているんですよ。エノは。
クセのあるキャラが多いこの作品ですが、こういう突き抜けて正直な子がいるから動きが生まれるし、まとまりもできると思うんです。
 

●乙女チックが止まらない●

最初はマキがリコを巻き込んで「恋愛の練習をしたい!」というところからはじまったこのマンガ。最初はバカにしていたエノですが、彼女も中学生です。

恋愛沙汰には興味あるよね。
あるけどなんかこう、方向がずれてるよね。かわいい!
エノのこの行為は「ツンデレ」ならぬ、ツンツンしながら本音がぽろりなので「ツンポロ」と名付けましょう。
 
ツンポロエノさんには、一つ大きな野望がありました。

あおられてさらっととんでもないことを言い出すエノさん。
この発想はびっくりするほど恥ずかしい。黒歴史確定なそんなことさらりと言われましても。
…だが、そこが、そここそがかわいいんだなー。
 
マキも似たような理由で髪を伸ばしていて、恋に恋しすぎる乙女全開なんです。ただマキはもう「明らかにこいつそうだろうな」的なずれっぷりなので、納得はいくんです。
しかしエノは今まではそういうそぶりを出さずにいたんです。先ほど横でサエがびびっているように、ド正直だけど恋愛関連への興味はひた隠しにしていたんです。
なぜ隠していたかって?
恥ずかしいからだよ。
 
あああ、恋に恋して恥じらう乙女のなんとかわいいことよ!!!
許そう!その暴走許そう!
そして…ぼくが「結子の髪は砂糖菓子みたいだね」って低音ボイスで囁くよ、耳元で!(髪の毛ハムハムしながら)。
 
と思ったら、もう囁いている人がいました。

うっは、ありえねー。
まあ、男装したマキなんですけどね。
逆に言えば「恋に恋した妄想少女」が「恋に恋した暴走乙女」に語るからこそ、まるでパズルのピースがはまったかのごとくぴたりと心をホットにするわけです。
 
やってることはお馬鹿なんですが、こういう場面で普段気が強い子が、がつんと赤面する様のなんと強烈にかわいいことよ。
暴走が止まらず、時には迷惑すらかけているように見える彼女。でもやっぱりまっすぐで純粋だからこそ、こんな表情をするんです。
きっと、誰かにやさしくほめられて、包まれたいんでしょうね。
そして、実際はもう、包んでくれる仲間がいて楽しんでいるのも、またしかりなのよね。
 

●恋は熱血●

二巻は「恋愛ラボ」の題名の通り、恋愛相談に生徒会(恋愛経験ほぼなし)が奔走する内容になっています。
ちょっと冷静に考えてみましょう。
恋愛経験は一人を除いて(!?)皆無。うち二人は脳内が乙女チックセンセーション。おいおい、そんなんで恋愛相談なんてできるのかいナンシー?
 
しかし恋愛相談に求められているのは「解答」ではありません。
そもそも大人になってからでも、恋愛の相談ごと持ちかけられて「アンサー」なんてないでしょう。ヒントやアドバイスはあっても。
むしろそれすらいらないかもしれません。
なかなかできないけど、すっごく、すっごく簡単なことなんです。

でっかい声で言ってやるー。
がんばれー!!
 
そうだ、「がんばれ!」の一言でいいんだよ。
中学生同士で、分かる事なんてごくわずかです。
でもなかなか言えない「がんばれ」の言葉が、どれだけ人を励ますか!
ましてやマキもエノも、裏表なしに本気で人のことを心配できる、とてもとってもまっすぐな子です。彼女達のいう「がんばれ」は人の心を激しく、力強く押すだけのパワーがあるんです。

まっすぐまっすぐだから、怒ることもあります。泣くこともあります。
それは自分のためじゃない。誰かを応援したいから。友人のことが心配だから。
掛け値なしの、見返りを求めない心配の情です。
そんな彼女達が、とてもとても愛おしいんだよ。
 
バカでいいじゃない。アホでいいじゃない。
攻略法なんてない。そうだ、ただまっすぐに力強く。
ぼくらも彼女達に叫ぼう。
がんばれ女の子!!
 

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番外編で過去のエノとサヨの話が出ているのですが、これがまたいい。

幼エノがもうね!もうね!もうね!
抱きしめていい?
 
サヨがかなりスレたひねくれキャラなので、なんでこんなバカの子と一緒にいるんだろうと不思議になるのですが、それが明かされる貴重な話です。
この子達にも彼氏とかできるんだろうなーと思いつつ、やっぱり今は女の子同士で友情と信頼を培っている方が楽しいんではないかな、とつくづく感じさせられました。
エノにあんなこと言われたらもうね…。おっと、そこは見てのお楽しみだ。
 

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エノのかわいさ、わかっていただけたでしょうか。
だが!一点だけ、エノ…というかエノの兄に言いたいことがある。

エノの兄様よ!
お前のスパッツのすばらしさの理解のたり無さには果てしなくがっかりしたぞ!
 

二巻では男の子たちもでてきて、特にリコには恋の予感すらあるのですが、和気藹々とした女の子ワールドが居心地良くて男の子があんまり恵まれなさそうなところもまたステキです。
新キャラで、女子校物の醍醐味とも言えるパパラッチ新聞部も登場。ますます波乱が止まりません。なんてったって、褐色ショートカットっ子だからな!
余談ですが、ロング黒髪清楚少女のマキと、元気はつらつ体育会系のリコの組み合わせは、プリキュアとかもそうですが、百合風味漂うマンガの王道でありながら、やはり描く作家さんの腕が問われる組み合わせだなあとつくづく感じます。
「かわいいかわいい」ばっかり書きましたが、ギャグマンガのファンタジーと、現実に直面する少女の覚悟がうまくかみ合っていて、今後どうなるかはなかなかシビアな面も多く、目が離せない傑作です。熱い展開と激しい感情のぶつかり合いが好きな人なら読んで損なし。むしろ読むべき。「みそララ」ももちろんあわせて!