FLASH、SWFファイルをAVIなどへと動画化する方法

 声を大にしてFLASHの活躍の幅の大きさを唱えたところで、現状、SWFはAVIなどへの動画化の手順に難があり過ぎてなかなか、というのが正直なところ。

 なので、ここで改めてSWFの動画化周りについて、まとめておきます。少しでも誰かの参考になればいいな。


FLASH上から動画化する場合

 CS3または8の場合、AVIに直接書き出しすることができます。但し、「ビデオの圧縮」にチェックを入れないのがベターです。

 またはMOVで書き出して、それをAVIなどに変換するのが一番の早道、但しこの場合、パブリッシュの設定で「経過時間」を必ず記入すること。

 これをしていないので、うまくできないと困ってる人が多いようです。それから、音楽にmp3を用いている場合はWAVにしておくのが鉄則。mp3の場合、コーデックの展開絡みで音ずれやぶれなどを引き起こしやすくなります。

 FLASH8以降は、FLVへのコンバータも付属していますが、ニコ動へあげたい場合は、AVIまたはMOVからニコ動向けにエンコードをかけるのがベストです。


SWFを動画化する場合

 自分の作品なら上の方法でやりゃいいじゃないか、って話ですが、FLASHでMOVにパブリッシュすると、時に10数ギガとかいう馬鹿みたいな大容量のファイルになることがあります。それじゃあやってられないので、SWFから直接動画化出来たり、動画編集上で直接SWFファイルが読み込めたりするとありがたい。もしくは、リミックスなどで他の作品を使いたい場合など。で、各種のソフトを用いる場合は以下の通り。

 音楽つきでは変換や読み込みがなされないことが多いので、最初にHugFLASHなどの解析ソフトを用いて音楽をとりだしておき、後で合成するのがポピュラーな手法。

 音楽ともに変換できる場合もありますが、FLASH作品によく用いられるmp3はコーデックの関係で、上述のように音ずれやぶれなどを引き起こしやすいので、いずれにしても音楽は別に、またできればWAVで用意するのが無難です(というかこれは映像編集の基本ですな)。

  • Premiere

 有料プラグインがあればSWFを読み込めます。ただし海外製プラグインなので一般人が導入するには難易度は高いかも。

 なんとPremiere本体ではプラグインなしには読み込めないのに、Elementsでは気軽に読み込めるw但し、画質は相当悪いです。実際のところあまり使えないといったところ。かつ、SWFの音楽は読み込めません。

  • AfterEffects 

 CS3ではそのまま読み込めるようです。それ以前のバージョンでも導入しているQuickTimeが7.2以前、SWFがFLASH5以下相当の条件なら読めます。何故、QuickTimeのバージョンが条件になるかというと、AfterEffectsはSWFをQuickTimeの形式として読み込むのですが、QuickTimeはバージョン7.3以降、SWF形式のサポートをやめてしまいました。なので、iTunesの通知に従ってうかつにバージョンアップなどしてはなりませんwまた、音楽は読み込めない。音楽を別に読み込む必要があります。


 あと、結局MOV化ですけど、

 バージョン7.2以前で、FLASH5以下相当のSWFなら、読み込んでMOV化することができます。ちなみに7.13以降、デフォルトではSWFを対応形式とする設定になっていないので、設定で可能にしておく必要があります。バージョン7.2のURLはこちらhttp://www.apple.com/jp/ftp-info/reference/quicktime72forwindows.html

 MX以降なら素材としてSWFを読み込めますな。但しべらぼうな数のライブラリとなり、かつそれを1フレームごとに配置するという読み込み方になるので、8以降でないと落ちるw読み込めはしますが、あまりお勧めできない方法。それに音楽も同時に読み込めないので、これもあとで合わせる必要があります。


 各種の変換ソフトを用いる場合

  • AviUtl 

 http://spring-fragrance.mints.ne.jp/aviutl/
 一番これがポピュラーですかね。使い方もあちこちのサイトに紹介されてあり、これを使うのがまずは良いかも。SWFプラグイン(swf_vfp http://www.marumo.ne.jp/db2003_5.htm)を入れれば、直接動画化できます。ただし音楽はつかないので、これも後から合成する必要があります。ちなみにmp3(WAVヘッダのない)は使えません(→ベータ版からは可能になっている様子)。WAV化が必要。


 他に有料、無料の各種ソフトがありますが、仕組みとしてはキャプチャによる変換、またはフレーム変換が主な変換の方法。各種のキャプチャリングソフトを用いる方法のほか、SWF専用のソフトも幾つかあります。

  • swf>>avi 

 http://www.avi-swf-convert.com/
 キャプチャ系の海外フリーウェア。要するに再生画面をそのまま録画するという方法で動画化します。動画への出力はPCスペックや状態に依存するので、ハイスペックでないときれいな出力は難しい。動画ではなく連番画像で出力するのが無難な方法。それを別ソフトで動画化して、さらに後から音楽をつけるというふうに用いる。Microsoft .NET Framework2.0が必要。Vistaには標準搭載ですが、XP以前の人はそれが必要です。

  • swf2avi 

 http://www.pizzinini.net/projects/swf2avi/
 これも連番画像化系のソフト。海外製でそっけないインターフェイスなので一般には敷居が高いかな。最初に「container movie」を作成してフレーム数を指定(Extras→Auto Wrap Movie(build container movieでSWFファイルを指定して設定)しないと、5フレームまでしか画像を作ってくれません。で、連番画像化したあとの手順は swf>>aviと同じ。

  • AnvSoft Flash to Video Converter 

 http://www.flash-video-converter.com/jp/
 キャプチャ系の海外フリーウェア。PCスペックにかなり依存するうえに、フル色数で出力できず、画面が縞になったりする場合が多々あり。単独フリー版は日本語ページでしかどうも配布いしていない様子。プロ版(30ドル)あり。本家海外サイトから落とせるプロ版の評価版は動画に試用ロゴ(WaterMark)が入ります。

  • Flash2Video 

 http://www.mysupersoft.com/
 キャプチャー系海外シェアウェア(30ドル)。これもPCスペックや状態にかなり依存します。ゆる系な作品なら全然問題はありませんが、高fpsなMG作品などではかなり苦しい。

  • Magic SWF2AVI 

 http://www.effectmatrix.com/swf2gif/index.htm
 独自のフレーム変換式な海外シェアウェア(約36ドル)。そのままフルに音楽つきで動画化してくれます。PCスペックや状態に関わらず、かなりきれいに動画を吐いてくれ、正直、これが一番使いやすい。そのままでは音ぶれなど、音楽周りでトラブルを出しやすいですが、変換の際にWAVファイルも一緒に吐いてくれるので、駄目な場合はこれを合わせればいい。作品のWAVなのでタイミング調整不要でピタリと合わせることができます。シェアですが以前は15日間の試用が可能、試用ロゴ(WaterMark)も動画につかなかったのがありがたかったのですが、2008版から出るようになりました。

  • Amor SWF to Video Converter 

 http://www.zealot-soft.com/swf_video_converter.htm
 海外シェアウェア。これもそのまま音楽つきで動画化されてかなり使い勝手はいいです。そのまま使ってこれといったトラブルは手元では起こらず、非常に優れたソフトなんですが、フレーム変換の癖か、シークでブロックノイズの出やすい動画になるのと、やや高い(49ドル)のが難。

  • SWF2Video 

 http://www.flashants.com/jp/root/index.shtml#top
 Premiere用SWFプラグインを出しているFLASHANTSによるソフトだけあって、かなり完成度の高い変換ソフトです。プロ版はアルファチャンネルつきでも吐ける。但し高い、通常版で79ドル、プロ版で168ドルです。そこまでの価値がSWFの変換にあるかどうかはもう人それぞれなところですね。トライアル版ででかでかと画面を覆う×の試用ロゴ(WaterMark)が出るのもちょっと萎えるところ。
 

 日本製のフリーウェア、かつニコ動向け動画へのエンコードでもスタンダードに使われているということもあって、AviUtlがよく用いられておりますな。ただし、AviUtlでの動画と音楽の合成はタイミング調整をしなければならないうえに、FLASH作品によく用いられるmp3が使えず(WAVヘッダがないと使えない→ベータ版からは可能になった様子)、また日本語ディレクトリやファイル名を使えない難点もあります。海外製シェアを用いる気があるのなら、フレーム変換式なMagic SWF2AVIやAmor SWF to Video Converterもお勧めかもです。


 しかし、こうして書いてみると、んー。なかなか手軽とは言えないのがつらいところ。