いじめる奴

id:geekerさんの「いじめられた!そんなときには。」を読んで,『ボウリング・フォー・コロンバイン』に登場した『サウスパーク』の原作者兼監督兼脚本兼作曲兼声優のマット・ストーンのインタビューを思い出した.「高校でいじめられていた少年ふたりは,どうしてあのとき銃を手に取らなければならなかったんだろう.数ヵ月後には必ず,下らないちっぽけな世界に大手を振って出て行くことができたのに」というような内容(数年前の映画館で観たので記憶が曖昧だが)のことを語っていた.
geekerさんはすごいなぁと思う.まだ中学生(?)なのに物事の本質的なことについてきちんと考えられるなんてね.うちのアホ生徒と比べ物にならんわ.

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アホ生徒はクラスの某生徒にちょっかいを出していた.隠れてやっているようだがバレバレである.あとで呼び出して説教.そのときの彼のセリフが更に僕の怒りに火をつけてしまったのよ.「だってあいつだってちょっかいだされるようなことをしているんですよ」だって.
「アホか.じゃあお前は悪いことしている奴がいたらそいつを打ん殴っても何してもいいっちゅうのか.だってそういう理屈だろ? そいつが空気の読めないことを言う.掃除をしない.だから俺がそいつのノート隠してもいい.そういうことだろ? 人を傷付けることを言ったり,掃除をしないなら,そいういうことを言うのやめろって言ったり,掃除をさせりゃいいだけじゃんか.なんでお前が勝手に決めたルールで,お前が勝手なペナルティを与えるわけ? 電車の中でこわいおっちゃんがタバコ吸ってたらお前は,そのおっちゃんに平手打ちとか食らわすのかよ.そう考えているのか? じゃあ俺はお前をいじめるぞ.お前が帰ったあとで机を片付けてしまったり,上履きをどっかやってしまったりしていいのか? いいわけねーだろが.何で人を殺しちゃいけないのか,お前は考えたことがあるか? もししょうもない奴を殺していいのならお前も誰かから殺されてもいいってことだ.お前のことをしょうもないって考えている奴がいないなんて断言できないだろ.お前の言ってることはそういうことだ.違うか?」
ま,実際はそれほどお前お前って言ってないで名前で呼んだりしましたけど.ニュアンスはこんなもん.滅茶苦茶な理屈ばっかりで論理も穴だらけだけど最初はガツンと言うのがいい.だってそういうふうに強く言われたことないんだもんこいつら.
でもそのあとで諭すように「お前はクラスで中心人物じゃんか」「なんでそういう奴が情けないことをやってしまうんだ?」「口がついてるなら口で注意すればいいだろ」「言葉を喋ることができるのに力の強いものが行動にうつして相手を黙らせるなんて動物みたいじゃん」「君は動物じゃないだろ?人間だろ?」「だったら相手の気持ちもわかるはずだ」「君はわかっているんだ絶対.こういうことはよくないことだって」「どうしてわかっているのにそういうことをする?」「俺は悲しいよ」「逆に俺を期待させてくれよ」「そいつが調子こいてたらこんどはバカみたいなことはやめて口で注意をしなよ」「そいつが言ってわからないんだったら俺のところに言いに来い」「俺がそのわけわからんちんをメタメタにしてやるから.それじゃダメか?」
メタメタにしませんけどね.体罰なんてもってのほかですよ.でもこう言うに限る.彼らは誰かをいじめることにそれほど罪悪感を感じていない.だからこそできるのかもしれない.だから僕が罪悪感をどうにかして与えるしかない.彼らには人間になってほしいから.人間には感情移入能力があると信じてる.誰かが悲しいときには悲しい気分になって,誰かが楽しいときには一緒に楽しい気分を共有できる,それが偽善だとしても勘違いだとしても僕はそれを信じたいよ.

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geekerさんの考えには僕は賛同できない.だってそれはいじめに耐えろってことでしょう.そう考えるしかなかった彼女のまわりのアホ教師が憎いわ.見て見ぬフリとか,そんなのするようになったら教師なんて辞めるべきだよ.どんな些細な問題も,嫌だと感じる生徒がいるなら,どうにかして見つけてウンザリするぐらい話し合いをして改善したい.無理かもしれない.でもいじめを無くすことは無理だからいじめはあってもしょうがないなんて絶対に言いたくない.世の中から殺人はなくならないから殺人はあってもしょうがないなんて思わないもの.程度なんて関係ない.ダメなものはダメ.人を傷付けることなんて,どんな理由があったにしても許されていいわけないよ.