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「アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本」が味わい深い

アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本[↑B]
この匿名ダイアリーの記事、最初は軽く笑って読んでいたのだが、作品ごとの解説を読んでいたら、笑いがどうにもひきつりそうになった。各作品ごとに彼女と何を話したいのかが書いてあるのだが、それがすごいねっちりしているのだ。

プラネテス(谷口悟朗監督)
ある種のSFアニメオタが持ってる宇宙への憧憬と、JAXA監修のオタ的な考証へのこだわりを
彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにも谷口悟朗な
「童貞的なださカッコよさ」を体現するハチマキ
「童貞的に好みな女」を体現するタナベ
の二人をはじめとして、オタ好きのするキャラを世界にちりばめているのが、紹介してみたい理由。

カウボーイビバップ(渡辺信一郎監督)
たぶんこれを見た彼女は「ルパンIII世だよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
この系譜の作品がその後続いていないこと、これがアメリカでは大人気になったこと、
アメリカなら実写テレビドラマになって、それが日本に輸入されてもおかしくはなさそうなのに、
日本国内でこういうのがつくられないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。

当初、彼女にアニメを好きになってもらいたいという話かと思っていたが、どうもそうではなさそうだ。彼女とアニメについてこういう話をしたい!というのが先にきているのであって、相手の嗜好を理解して勧めたいのではない。これはサブカルキャバクラ欲しい話と同じなのね…。
『秒速5センチメートル』なんて普通に考えたら、男のナルシズムと思われるような作品が入っていて不思議だったのだが、こう考えれば疑問は氷解する。

彼女の設定は

アニメ知識はいわゆる「テレビまんが」的なものを除けば、ジブリ劇場用アニメ程度は見ている
サブカル度も低いが、頭はけっこう良い

という条件で。

このような相手の抽象度の高さもポイントが高い。アニメを見ていなくても、漫画ぐらいは読んでいるだろうから、そこから趣味の傾向を把握すれば、勧めやすい作品はしぼられてくるはずだけど、そのような具体性は必要がないのだろう。脳内妄想の彼女相手に勧めたい!というからオモシロ度が上がったんだなー。一応「ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女」と書いているので、記事を書いた人に自覚はあるのだろうけど。
「サブカル度が低い」というのは、サブカル度が高いとチェコのアニメとか見てたりするから、日本の2Dアニメはまずい!という判断でも働いたのだろうか。
最後にTwitterでwideangleさんの発言が面白かったので紹介。

http://twitter.com/wideangle/statuses/865058301
人に映画薦めるのに「エヴァ以降」とか「YouTube時代を」とかいう単語が出てくるところでなんかズレてんなーと。アニメに限らずこういう薦め方というかラインナップってどうも「僕からのプレゼントは君が賢くなるためのブックリスト」みたいな痛々しさがあるように思う。

「君が賢くなるためのブックリスト」はヒギンズ症候群*1ですね! 「YouTube以降のアニメ時代の先駆けとなった作品」はテンプレフレーズとして使いたい。
※追記
http://anond.hatelabo.jp/20080721222220[↑B]
追記部分と書いたのは間違いでした、ごめんなさい。ただ、エヴァの項目で書いてあるのに、それを全体の話として読んでくれというのはちょっと無理。全体の話なら最初に書いて欲しいなあ。

そもそも彼女は「純然たるオタクとはつきあえない」と言ってたので(これは後付)
その意識ははたらかせていました。

どうなのかなあ。俺が必死加減なのは彼女知っているし。
これは後付で書いたこととも関わりますが、別にアニメは頼んでまで見てもらうほどのものでもないでしょう。

「誰が実在するって言いました?」というけど、上で引用した記述はどう見ても、実在を前提しているのでは? だから「脳内彼女だったはずなのにいつのまにか実在に!」と書いたんだけど、もし想像の彼女の設定だというならば、そうわかるように書いて欲しい。

*1:映画『マイ・フェア・レディ』に出てくる教授