ネットで情報共有が進むほど、足で情報を集めるのが大事になるかも

twitterで、この発言がどんどん広まっているのを見て少し思ったことについての記事です(´・ω・)

友達がある説明会で育児休暇について女性社員に質問したら「育児休暇とか言ってる時点で無理」と言われたらしいwそんな会社は嫌ぁぁぁ!!


説明会やOB訪問で社員さんが言ったことがネットを通じて広まるというのは、数年前から言われていたことです。だから最近は、「みんなの就活日記」では企業にとって都合の悪い書き込みが削除されますし、内定者は企業から「2ちゃんねる」に書きこまないようにと釘を刺されたりします(´・ω・)


twitterの登場によって、この情報拡散力はさらに強くなったと僕は思っています。twitterは例えば2ちゃんねると比べると、

1.情報を発信したのが誰かわかるので、使っている人から見れば比較的信憑性が高いと感じられる

2.発信者の周りに、その情報に関心の高い人が集まるので、情報伝達の効率がよい

3.社会的に「アングラ」と認知されておらず、書きこむユーザーの裾野が広い

といった特徴があるので、例えばある就活生が「『育児休暇とか言ってる時点で無理』と言われた」のような、企業に関するネガティブな情報を発信すれば、どんどんRTの連鎖が起きて場合によっては数分で数千人〜数万人の就活生に伝わります。多くの企業は、多分まだこの力を軽視しているでしょうが、もし今回流れた情報に特定できる形で企業名が入っていたら、その企業は採用上のダメージを受けたことでしょう。個人的なOBOG訪問で社員さんが言った一言が、金銭で測れる損害にあっさりつながりうる情報インフラが生まれたのです(´・ω・)


「言ったこと2ちゃんに書き込まないで」と会社から言われることはすでによくありますが、遠からず、「twitterに書き込まないで」という発言も出てくるでしょう。しかし、そのことを友達に話せば友達の誰かがそれをtwitterに書き込むので、「友達が『twitterに書き込むな』って企業から言われた」という情報がtwitterですぐに流れることでしょう。ネットの口ふさぐのは無理ですね(´・ω・)


ここからが本題ですが、するとどうなるか。僕の予想では、ネットでネガティブな情報が広まることを企業が恐れて、肝心なことを説明会やOBOG訪問で教えてくれにくくなるのではないかと思います。もちろん理性的な就活生は、他の企業が情報を隠してる中、ネガティブな情報もきちんと開示する企業に魅力を感じるでしょうが、それは企業側からすれば勇気の必要な決断ですから、多くは情報を隠す方へ向かうでしょう。


すると、肝心な情報がネットには流れなくなり、企業と学生の間の情報格差が広がります。説明会に行っても統計テクニックによってごまかされたグラフを見せられ、企業に都合のいい情報を教えられるだけ。大学の名簿からOBOG訪問しても、訪問事態が既にほとんど制度化されているので、優秀かどうかもまだわからない初対面の学生にそうそうリスクのある情報を渡さない。では情報はどうやって集めればいいか。足で集めるしかないですね。サークルやゼミのOBOGと積極的に交流する。世間で就活が始まる前から社会人の方と仲良くなって話をする(すなわち友達になる)。今後、そうした活動をしている人と、ただ受動的に説明会やtwitterで情報を集めている人の間に大きな格差ができるでしょう。ネットでの情報共有が発達するほど、自分の足で情報を集めるのが大事になるという面白い逆転が起こるかもしれません(´・ω・)


「自分は部活もサークルもやってないしゼミにも入っていない。情報弱者だからもうダメだ…」と悲観することはありません。そういうときこそブログやskype、twitterといったネットツールの出番です。このようなネットツールの多くは受動的なユーザーには薄いコミュニケーションしか提供してくれませんが、能動的にうまく使えば世代や地域を問わず優秀な友人を集める強力な武器になります。もちろん関係を築くための取っ掛かりとして、ブログ記事やコンテンツ作成を通じて「自分は優秀である」というシグナルを発信することが効果的です。今までの「ハイレベル就活」では、「外資系の道標」を見ているかどうかというようなある意味どうでもいいことが差になってきましたが、より企業が情報を出し渋るかもしれない今後は、ネットでの活動を足がかりに自らの足で情報を集めるかという、より本質的な争いになるでしょう(´・ω・)


※将来こうなる、という感じで書いていますが、とっくにこうなっているとほんとは思ってます。<関係記事>
リアルとネットの不適切な二分法がもたらすチャンスロス
http://d.hatena.ne.jp/kanedo/20100201/1264973839