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 移行後のはてなブログ:izumino’s note

「お話はこれからなのに!!」

 たまたまYoutubeで見かけたCM映像なのですが。

屋上の少女


屋上の少女(full)

  • ※2005å¹´ACCブロンズ受賞作。エイチアンドアイ(æ ª)のCM


 これすげーー、いい!


 まさに「おわり」って言っちゃうのが90年代のセンスだったとすれば、「最後がどうなるか知ってるでしょ?」って叫ぶのが、当時エヴァを補完しようとあがいていた人達の感覚であり、21世紀のヱヴァが今やろうとしてることなんだ、と感じ入っちゃいますね。


 那州雪絵の『ダーク・エイジ』。美輪明宏の『ああ正負の法則』でもいいんですけど。

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 このCM、(カエルの王子様はともかく)シンデレラと醜いアヒルの子をチョイスしているのも良くて、彼らは「最初から資格を得ているのに一時的に不当な位置に置かれているだけ」タイプの主人公であり、その「本来的な位置の高さ」へと向かうタメがある状況で「おわり」にしてしまうことの不当さ、ナンセンスさ、ってのが明確なメッセージとして込められている……と感じられる。
 すごくダイレクトに良く出来た映像ですね。


 資格というものを持ち出すなら、逆に言えば「そもそもの位置の高さ」が低い登場人物の場合は別の問題になってしまうんですが(動画のコメントでもそういった嘆きが集まっている)、それはそれで那州雪絵も『魔法使いの娘』で「ダーク・エイジのその後」を描いているわけだし、それでいいんじゃないかと思う。


(うだつのあがらない人生が山ほどあったとしても、それが「王道をゆく物語」を拒絶する理由にはビタイチならないんだ、ということこそ強固に訴えなければならないわけだ。)

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  • 『ダーク・エイジ』で「青春は美しいって大人は言うけど、私は思春期を楽しいと思ったことなんか無かった。常識とは逆で、青春こそが暗黒時代なんだ。でも大人になってしまえば暗黒時代は過ぎ去るんだ、今は暗黒時代でも、大人になれば楽しいことがあるよ。もうすぐの我慢なんだ」ってことを伝えようとした那州雪絵に対して、「それは雪絵さんが漫画家として成功できたからだ」「誰でも雪絵さんみたいになれるとはかぎらない、暗黒時代がずっと続く人もいるんだ」と考えた読者は少なからずいたはずで、そういう人達に向けて「うだつのあがらないまま大人になった人もいて、でもそれなりに生きてるよ(というか今の私自身が割りとだらしなく生きてるし)」という自然なことを、『ダーク・エイジ』の作者として引き受けて描いているのが『魔法使いの娘』なのだと思ってます