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ホメロスと『ヒストリエ』/アレクサンドロス参考図書

そこで「知識」とともに 様々な「疑問」で心が 埋まり……そして旅だ ヘロドトスの如く


疑問の答えを探る旅 に出てみたい…… ヘロドトスよりも ずっと遠く


地平線の先の先 世界の果てまで 征(い)ってみる……


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 もう、ぐおおおおとか、うええええとか言うくらい面白いのですが(説明になってない)、待望の『ヒストリエ』5巻です。
 去年、ホメロスの「イリアス」と「オデュッセウス」を軸にしてアレクサンドロスとエウメネスを対比させるつもりなんじゃ? という文章を書いてたんですが、ホントにそんな展開に近付いてますね。

『ヒストリエ』論、あります - ピアノ・ファイア

 『ヒストリエ』でのエウメネスは、知識豊かな読書家としても描かれる。彼の読書履歴の中でも、特に重要な位置を占めているのがホメロスの叙事詩だ。幼い頃の彼はホメロスの『オデュッセイア』の主人公・智将オデュッセウスに憧れ、やがてその英雄譚をなぞるようにアジア〜ギリシア間の遍歴を繰り返し、天賦の知略家ぶりを発揮していく……。ただし、その遍歴はまだ始まったばかりのようだが。
 一方、アレクサンドロス大王はホメロスの『イリアス』を戦場にも携え、その主人公である勇者アキレウスに強烈な憧れを抱いていた、と伝えられる。
 『イリアス』と『オデュッセイア』は、詩として一対となった関係にある作品同士である。岩明均もおそらく、アレクサンドロスを勇者アキレウスに、エウメネスを智将オデュッセウスにつらねることで、この二人の「英雄」を対称的に描くつもりなのかもかもしれない。世界史上トップクラスの英雄であるアレクサンドロスと対比されているのだと思えば、これはかなり野心的なキャラクター設定だ。歴史好きの読者なら、鳥肌が立つというもの。


 というかアレクサンドロスと戦比べされるとか、どんだけの無敵将軍だよエウメネス。
 後継将軍も出揃ってきて、そろそろ『ヒストリエ』も「アレクサンドロス外伝」みたいになってきて嬉しいかぎりです。
 次から始まるだろうミエザ編が楽しみですね。


 アレクサンドロスがどんだけスゴイのかっていうことについては、『ローマ人の物語』のハンニバル戦記と、安彦良和『アレクサンドロス』を読んでおくことをオススメします。
 史実の紀元前四世紀ごろについては興亡の世界史シリーズを、ホメロスについては阿刀田高の本がいいですかね。

「ふむ 君は行ってみたいのか? インドや この大地の果てを」(アリストテレス)


「はいっ!!/行ってみたいです! そしてこの目で見たいです! プロメテウスの縛られた柱や ヘラクレスの歩いた道を! もちろん マケドニアの軍隊を率いて!!」(アレクサンドロス)


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