指輪世界の第五日記。基本的に全部ネタバレです。 Twitter 個人サイト

あなたの知らない2人の加持リョウジからエヴァの真実を暴く

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【Qのネタバレはありません】このエントリにヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qのネタバレはありません。





「それは何をやってるの?」

「加持の台詞の抜粋か」

「はい。TV版と、それと新劇場版:破での台詞を抜粋しました。」

「加持リョウジはTV版では7話で出てきて、21話でだいたい死んだんですが、このお兄ちゃんはいったい何をしてるのか? 15話でミサトの発言に『特務機関ネルフ特殊監査部』、また『日本政府内務省調査部』という言葉があります。仮に役職的にはスーパーバイザー、SVだとみなしてみましょう。現場の業務と進行の状況をチェックして上位レイヤーに報告する役です」

「ふむ」

「複数の現場を巡回しながら上位への報告書を書いては送り、書いては送りする仕事なわけですが、7話で登場したときに部局トップに言う台詞が『ダミーも混ぜてあしらっておきました』ってすっかり取り込まれてますよねこれ。つまり”ウィーッスお久しぶりーッス。上の連中への報告ですが適当なこと書いて現場の進行は大丈夫ですって送っておきました。連中も疑ってますが当面はなだめられますです。あと、ここと予算の奪い合いしてる別の現場ですけれど、足をひっぱる報告書でもお書きしましょうか? 別に結構? では以前にお話しいただいた通りでウィーッス”ということですものね」

「だね」

「それでその次の8話で、秘密連絡会から”部局がなんかあやしい動きしてるから、見てこい”って言われて現場に落下傘でチェックに来るわけです。単にチェックさせに行くわ、では現場が抵抗しますので、バーターの抱き合わせでなにか機材も持たせられてあります。アタッシュケースに入れて運んでるやつ。おそらく、ラムちゃんをすごくかわいく踊らせるためのアフターエフェクトの新バージョンか何かです」

「ラムちゃん推すねえ。それで?」

「それで現場に来たSVですが、こいつ、最初からこのライン諦めてやがる。業務態勢の改善になるようなこと何一つしない。増援PGはワーカホリックだってのに『いきなりの実戦で、彼のシンクロ率は40を軽く超えてるぞ』などと、主人公のほうが有能かもとか動揺させるし、『勇姿が見れると思ってたんだけどな』と煽って残業させる。テクニカルディレクターには『一生泣きつづける運命にある』で、おめーの恋実らねーから! とつつく。どちらも後半の女性陣戦力の崩壊につながっています。かと思えば、現場の主人公がめずらしく他人から情報を引き出そうと試みると、『遠慮がないな』で遠慮しろやとひじ鉄をくらわせてから『何かを作る、何かを育てるのはいい』『辛い事を知っている人間のほうがそれだけ他人に優しくできる』などとアドバイスめかした現状に適合しない一般論を語ってかわす。」

「このSVの野郎はですね、秘密連絡会のモチベーションも部局トップのモチベーションも知っているもんで、両者の間に和解は成り立たないであろう、したがってその対立がいずれ頂点に達してこのラインは滅びる、ってわかっているわけですよ。連絡会の宗教的目標と部局トップのキャラ萌えが和解するわけないし、現場は新米と突撃PMだし、もう見えてるわこれ、と。」

「ww」

「もうこのラインの先の展開は、要となる線はすっかり見えてて、ラインは全滅するし自分もクビになる。その展開に必死で抗って戦おうという気はない。上層部の対立を下からどうにかしようだなんてすごい大変だし成功率が低いことで、だから試みない。」

「その自分の諦めを、『負ける戦はしない主義だ』なんて、賢しらげな字面で格好だけつけやがって。もう破滅の日までだらだらしてるわーって社内ニートモードに入って鉢植え世話してる。業務に関わらなければ関わらないほど部局トップから怒られないから頭をひっこめている。『真実に近づきたいだけなんです。僕の中のね』というのは、背景情報の詳細には個人的興味があるけど、それを秘密連絡会や表のクライアントに報告したら部局トップが怒り狂うのが恐ろしいから、調べたものを伝えたりしないということ。その一方で、すべてのスタッフに対してすこしずつ、お前の弱みを知ってるぞ、とつついて、仕事をしてなくても自分を攻撃できないよう、椅子だけは守っている。『戦闘配置に俺の居場所はなくなったんだ』でラインになんらコミットできないのに、『死ぬ時はここにいたいからね』というのはすなわち、転職活動とか始めたりはせずにぎりぎりまで座っていて給料もらうつもりなわけ。」

「手厳しいな」

「だってこいつさあ… 18話の風呂上りのところの会話を見てくださいよ。この、増援PGが次来る予定の増援作業員の心配をしてるところ。」

「アスカがトウジの心配を、か」

「そうです。なにが『またやりあってんのか?』だと。二人の対立の構図に落とし込んでんじゃねえよと。PMがいないとこうなのか、などとさも個人間の課題であるかのように落とし込みやがって。ラインの過酷な業務形態のために作業員が苦しんでて、それで互いを心配してるんじゃないか。スーパーバイザーとして何か現場の声を聞いてやって、実質的な対応をできないまでも何かしら説明をできないのかと。せめて情報を与えるだけでもちょっとは説明して与えて、作業員が互い同士で損耗しないようにケアするところでしょう。それを、二人が摩擦しはじめてるのを放置して、”早く寝てしまえ”などと。自分のコミットできるケアタイミングを抛棄しやがって」

「その次の寝ながらの語りがまたもう本当にひどい。主人公が振った部局トップの話を『唐突だな』『聞いて回っているのかい』『知らないのか』って、お前このSVなあ。この主人公が社会戦に勝つためには、目標の主なひとつである部局トップの情報を関係者に聞いて回るのは、まさに必須ともいえる重要な行動でしょう。それを、聞いて回るなんて不自然な行動であり最初から知っているのが当然、と扱い、主人公の話に乗ってやらずに切って、自分の持っている情報を欠片も渡さない。部局トップに睨まれるのが怖いから。このお兄ちゃんどうなってんだ」

「怒り狂ってるな」

「またPMの扱いもですね」

「待って、そろそろ飯に行こう。歩きながら続きを聞こう」





「それで加持のミサトの扱いが、どうだって」

「SVのPMの扱いですがねよ、なにが『二人とも、葛城の事、頼んだぞ』だと。なにが『俺はここで水を撒くことしかできない。だが、君には君にしかできない、君にならできることがあるはずだ』だと。クライアントから派遣されてきた落下傘チェッカーが、現場のペーペーたちに何言ってんのと」

「現場がデスマってるからスケジュール洗い出してしぼりあげるために上から投入されてきたんだろあんたはと」

「そうか、プロジェクト上ミサトを救う必要があるのであれば、それは加持の役目であって、新米ペーペーに指示する内容じゃないのか」

「その通り、”現場がなんかあやしいことになってるから、お前行って見まわって報告してこい”って言われて来てるわけですよ。それがなんで現場作業員に頼んでんのw腰抜けすぎるww」

「増援なり追加のなにかを投入するなりを上に要請するのがあんたの仕事でしょ、現場PMがダメそうなら交代を提案したっていい。現場のがんばりではどうにもならなくなったオカシイ状況だからこそ落下傘で監察役が投入されるんだからさ」

「だからSVには現場レイヤーへの指揮権はないわけで、上に要請して指揮レイヤーでの状況を変える、現場から見ればいわば前提条件を変更するのが職権。それが何をやってるのかと。このお兄ちゃん、部局トップに完全に抑え付けられている。」

「そうとうひどい別れ方をミサトとしたんじゃないすかね。論理を越えた恋愛感情のもつれが、加持の行動を鈍らせてるとしか思えないw」

「あー? 男と女のなんか嫌な意地が?w」

「そうそうw」

「ダメだ><www」

「しかも、情報非対称性がひどすぎるよね。加持とミサトの場合。加持はほとんど真実を知ってる立場にいて、ミサトは公式目標しか知らない。」

「加持は、ミサトのやってる事がほぼ無駄だと知ってるけど、元カノが自分の信念かけて挑んでる仕事に”それ無駄だよ”とは言えないじゃない」

「言えよ! お前が!!」

「wwww」

「それを現場の新米にすごい戦術的な低レイヤーの努力を頼むみたいなことを…」

「ヘタレだなあw加持さん」

「そうか、元カノが信念かけてやってるからある意味怖くて面倒くさくて、そういう根本的な議論で方針転換させる気力もないわけだな」

「腰抜けめ><」

「それで情報を小出しに、小出しに、詰問された順番に伝えるもんで、元カノがやっと裏事情を探りだしたころにはすっかり手遅れでクライアントの怒りはマッハとなり現場は総員入れ替えの血まみれのクビ祭りに><」

「ぎゃー>< >クビ祭り」

「お前ら全員クビだー! プロジェクトは別チームに引き継がせる! これがデス&リバース」

「恐ろしい話だな」

「なおSVはまっさきにクビにされていた模様。あの人最近見ませんねえ? とか言ってるとこうなる。恐ろしい話ですよ」

「さて、ところがですね」

「何、まだ続くの? それ」

「まず注文しますか。ここは麻婆茄子がうまいですよ。なんか謎のスパイスが沢山入っててしっかり味がついてる」

「じゃあそれをもらうか。あとこの干豆腐の細切りと…飲み物は紹興酒でいいかな。後で白酒を頼もう」





「で、加持リョウジくんの話の続きは。ところが?」

「ところが、ところがですね、このSVは新劇場版の破ではちょいと違うんですよ。部局トップと組んで他のラインを潰して回り、本ラインについては調べるふりだけして丸めた報告書を上げてるってのは似たようなものなんですが、水族館見学をセッティングして、主人公が学友から『ホンマ感謝するで』と言われる立場を作ってやり、『台所に立つ男はもてるぞ』と主人公を目標に向けて焚き付ける一方、『こうして人が生きていける環境だけでも、よくも復元出来た』『死んだ人の意思を受け継がなくちゃいけない』と先人の努力の継続として主人公のタスクを定義する。そして、『残されたのが一人なら尚さらだろう』と、現場を酷使する元カノの事情説明を入れる。」

「ラーメンしかおごれないプロジェクトマネージャのかわりにデートをセッティングしてあげてる…だっけ。この前話してたね」

「そうそれです。それで下に布石を打っておいてから、とって返してPMに会いに行き、『マジメだなぁ…まあ、それが君のいいところでもあり、弱点でもある』とラインの裏事情についての警告と、『緊張感ありすぎると男にもてないぞ』と自分からの要求項目を出してる。これがTV版じゃ『他人に頼るとは、君らしくないな』とかひどいこと言ってたのに! どうしたんだこいつ!」

「人が変わったかw」

「本当に違いますよこれ。次に主人公をスイカ畑に連れ出して『給料分は働いてもらうぞ』ってこれ、”給料分だけ働けばいいんだから現場作業員に無限責任なんてないよ”って言ってるし。それでデートセッティングとバーターで”ちょっと不釣合いでズルいんだけど、元カノのフォロー頼むわ”と根回ししている」

「んー?」

「そしてまたPMにとって返して、”お前の業務にはあの主人公が必要不可欠。苦労させてるんだから大事にすべきそうすべき”とそっち側もフォロー。両側から話を詰めて成立させていく例のメソッドですよ。なにこいつがんばってない?! 元カノを死地からひっぱりあげるためにあれこれカード切って配置してるぞ! ただ、ラインの裏事情はそらとぼけてるけど。」

「んんー?」

「面白いのはTV版のあのひどい台詞、『負ける戦はしない主義だ』、すなわち”ラインが滅びることはもうわかってるから俺はコミットしないよ”がですね、破では『負け戦が嫌いなだけさ』になってるってことです。これ字面似せてあるけど意味逆でしょ。これだと”ラインに入る以上は勝つ”ですよ。破の加持リョウジさんは”勝つ”って言ってるのだ。それにリツコちゃんが『勝算はまだあるわよ』と乗り、それに応えて『さて、どうだろうなぁ』つまり”やってみるさ”、すなわち”戦って答えを出すさ”と宣言している。」

「んんー? どうなんだ?」

「TVでは殺される時も特に抵抗しなかったけど、破ラストの予告?では銃構えて叫んでたもんね」

「ああそうそう、そうか、なるほど、銃上げてたよね。これ別人やで!!」

「いける、ゆけゆけ加持リョウジさん。乾杯!」

「ゆけゆけ加持リョウジさん!w乾杯ーw」

「はい乾杯。君ら楽しそうだなあ」







これまでのエヴァンゲリオン関連日記

そこに座っているだけでいいの? 泣くぞ

無情レスラー伝/新世紀エヴァンゲリオン

俺たちのラムちゃんのために/新世紀エヴァンゲリオンTV版
ヱヴァンゲリヲン新劇場版/水族館危機一髪
新世紀エヴァンゲリオン/加持リョウジくんのTV版と破での台詞抜粋






「あとはこれに煽りタイトルを付けるだけだ」

「扇情的な題名を考えよう」

「う…扇情的なタイトルか…煽りマスターえもん、いいタイトルを出してよ><」

「《加持はゲスでバイ。浮気性に明日はあるのか?》」

「それは煽ってるかもしれんがエヴァの煽り方と違くないか?」

「エヴァンゲリオン知ってる人がイラっときて、読みに行かないといけないような気になる文字列ってことでしょ? それでできるだけ多くの人にクリックしてもらって、”あとで読む”タグを付けてもらう」

「イエスイエス」

「《ヱヴァの本質を捉えるために知るべき2人の加持:腰抜けニートから戦う男へ【ヱヴァQネタバレ無し】》」

「今ははてブをTwitter連携してる人が多いから、コメント付けられても140文字内にタイトルが収まるか、心を突く部分が前半に無いとダメ。」

「はてブのランクトップを参考にするんだ。あと”本質”とか使う。n番目にnシリーズとか」

「《2人の加持リョウジを通じて見えてくるヱヴァの本質》」

「釣るならMustを含めないと」

「《加持を知らねばエヴァの真実に到達出来ない》、真実+否定形。」

「2人の加持リョウジ、ってのは、ケレン味あるフレーズだと思う」

「《君は2人の加持を知っているか?》」

「《あなたの知らない2人の加持リョウジからエヴァの真実を暴く》」

「《2人の加持リョウジを知らねばエヴァの本質は語れない》」

「《あなたの知らない2人の加持リョウジからエヴァの真実を暴く》これにしよう」

「あざーっす」

「こちらこそ、各位ありがとう」

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