売春婦差別に関する推測的な結論

http://yuki19762.seesaa.net/
こちらの件に関する僕なりの結論です。

3/20 22:50追記 最後の推察のところに、少し文を補足しました。ブックマークでのご指摘、ありがとうございます。助かります。

差別は全て同質ではない

yukiさんが以前、憲法の差別についておっしゃっていましたが、憲法においては、人種・信条・性別・社会的身分・門地による差別は特に厳しく審査されます。換言すれば、そこまで厳しく審査されない差別も存在するということです。

売春婦・元売春婦は社会的身分か

一応、売春婦や元売春婦が社会的身分にあたるかも念のために考えておきます。
憲法にいう社会的身分とは「生来のもの」つまり生まれつきのものを指すという判例があります。また、後天的なものでも「自分の意思で変えられないもの」ならば含めるという説もあります。
売春婦は生来のものではなく、自分の意思で変えられます。しかし「元売春婦」については自分の意思で変えることはできません。「一酸化炭素中毒症にかかった人」というのを社会的身分と見なした法律もあります。売春行為の入り口、あるいは売春婦の雇用において、売春婦がそれを受け入れるかどうかの自由があったことと並べて考えるべきでしょう。

僕は職業差別だとは思っていない

これははじめから書いてきたことで、

  • 金銭の授受があったか否かは本質的な差異ではない
  • 従って、売春婦を侮蔑することと、いわゆる「ヤリマン」を侮蔑することに違いはない
  • これは職業による差別ではないから、職業差別ではない
売春婦・ヤリマンに対する侮蔑は、職業という以前に行為(あるいはその行為をする人)に対する侮蔑である

この項には僕の主観的価値判断が含まれます。yukiさんは売春は悪ではないといった趣旨のことをおっしゃっていましたので、yukiさんやそのほかの方と僕の価値判断とは相容れないかもしれませんから、ここから直接結論を導くことは避け、比較例を挙げるにとどまります。侮蔑を正当化するものではありません。念のため。

  1. 元売春婦で、今は売春を否定的に考えている人に対して、過去の所行をもとに侮蔑する
  2. 元売春婦で、今も売春を肯定的に考えている人に対して、過去および現在の考え方をもとに侮蔑する
侮蔑は侮蔑として許されない

いかなる理由があったにせよ、侮蔑・あるいは社会通念上侮蔑と取られかねない言葉を持って相手にぶつけることは許されません。
この点、

  1. このようなことをやった人は侮蔑されることがある という事実
  2. その侮蔑が正当かどうか という価値判断

この二つを混同しないように注意が必要だと思います。2が正当となることはまずあり得ません。文意を正確に読むには、1の意味で言っているのではないか、と考えてみる必要があるでしょう。

言葉の対象に自分が含まれているか否か

対象に自分が含まれているかいないかに関わらず相手の人格を攻撃しますから、許されません。

今回の件に関して

一般論を離れますが、今回の件に関してはyukiさんが「(自分も含めて、という趣旨だと思いますが)おまえも所詮メスブタ」とおっしゃたことが、「一緒にするな」という論調の反論を呼び起こしたと考えています。是非ではなく、今回の流れをそう捉えているということです。

差別か否か

二つの定義

gooの辞書には

  1. ある基準に基づいて、差をつけて区別すること。扱いに違いをつけること。また、その違い。
  2. 偏見や先入観などをもとに、特定の人々に対して不利益・不平等な扱いをすること。また、その扱い。
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%BA%B9%CA%CC&kind=jn&mode=0&base=1&row=0

とあります。今回はもちろん、2に当てはまるか否かが問題です。

偏見や先入観とは

今回の件に関して、偏見や先入観とは具体的にどのような思いこみでしょうか。僕はここがはっきりしないあたりに今回の件の本質があるような気がします。細かく分けると読みづらくなりますので、ざっくり分けて概説します。

許されない差別となるであろういくつかの例
  • 売春婦・元売春婦は侮辱されても仕方がないという偏見・先入観
  • 売春婦・元売春婦の言葉は間違っているに違いないという偏見・先入観

このような考え方を持っている人は、前述の例

  1. 元売春婦で、今は売春を否定的に考えている人に対して、過去の所行をもとに侮蔑する
  2. 元売春婦で、今も売春を肯定的に考えている人に対して、過去および現在の考え方をもとに侮蔑する

において、1と2は同じことになります。その人の思想それ自体が、表出したときに差別につながる例です。

許されない差別にはつながらないと思われる例
  • 売春を肯定する考え方に基づいて自分を評価されたくないという気持ち
  • 売春を否定する思想

これらは思想それ自体を表したことが差別につながるとは思えません。

今回の件に関する推察

arisiaさんが口を閉ざした今、その当時の真意はわかりかねます。これは僕の完全な推察です。
前述した2つの例(「許されない差別につながる偏見・先入観の例」「許されない差別につながらない内心の例」)について、
僕には前者のような差別心を持っている人が多いとは思えません。仮に、です。仮にですが、arisiaさんが後者の例のような考え方に基づいて発言をしていたのであれば、人格として差別主義者であるとは言えないと考えています。


そしてそれを、まるで前者の例のような人の発言として取られかねない(あるいは取られるのが自然な)言い方をしてしまったことは、arisiaさんのミスであり、そこに弁明の余地はないでしょう。yukiさんがその発言内容を前者の言葉として受け取り、大いに憤慨したことに非はありません。

  • arisiaさんが誤解を招く発言をした
  • yukiさんが誤解に基づいて人格を非難した
  • arisiaさんが反論
  • さらなる泥沼へ

と、こういうことではないのでしょうか。


その後のやりとりの中でarisiaさんが決して譲らなかったのが、後者の例に当たる考え方の部分であったことを考え、この推察をしたのですが、だとすれば、和解の余地も残されるということになります。実際に和解という行動に出るか否かではなくて、「相手に誤解されたかもしれない」「相手を誤解したかもしれない」という可能性が残ったことに意義を見いだしたいと考えています。


それぞれの当事者にしかわからないことに行き着いてしまったので、この件についての考察はここまでにさせていただきます。