ミニマムライフが日本を弱体化させるのではなく、日本が弱体化してるからミニマムライフになっているのでは


「404 Blog Not Found:社会が一流なら、きみは一流でなくてもいいかも」を読んで。

長らく続いた不景気のせいですっかりお金を使わない風潮ができてしまった上に、ここ10年ほどのネットの普及に代表されるように、お金を掛けずに楽しむことができる娯楽が数多く登場してしまった今、今更がんがんお金を使って内需拡大をと言ったところで無理な話でしょうね。

「それじゃ累進課税を強化して、社会をもっと一流化するのがベストじゃない」という意見もあって、私もこれには半分賛成なのだ。半分しか賛成でないのは、そうして集めた税金をどこに投入するか決める人が一流じゃないから。結局ばらまきに終わって、みんなが使いたくなるような一流の施設が10出来る代わりに、地元の人すら使いたくないような二流以下の施設が100出来る羽目になるのだから。

集めた税金をどうやって使うかの部分に、もっと効率のいい使い方を考案、選択する方法ってないんだろうか。少なくとも、今の政治の仕組みではうまくいってないのは明白で、じゃ人が変わればいいのかというとそれを適切に行える人ってのもそうそう居ない気もする。

この「ミニマムライフ志向」とも関係あるのかもしれませんが、最近の若者は、向上心や上昇志向が私たちの世代よりも薄れてきたように感じます。「ガムシャラに働いて、もっと上にいく」という発想ではなく、「責任が重くなるのであれば、昇進しなくてもよい」というスタンスが広まっているように思えます。
 これが、個々人の問題として扱われているうちは、まだ良いのかもしれませんが、日本経済が弱体化し、その大きな理由のうちのひとつが、こうした「若者における向上心や上昇志向の薄まり」にあると指摘されるようになったときには、手遅れの問題となっているような気がします。

経済成長が常に右肩上がりで向上心や上昇志向が報われることの多かった昔ならいざ知らず、常に成長し続けることは無理だとみんな気づいてしまった今では「向上心や上昇志向の薄まり」も仕方ないのかも。上を目指しても全ての人が上に行ける訳ではなく、あらゆることに合理化が求められた結果、仕事は少ない人に集中し、多くのあぶれた人を生み出し、それでも破綻することなく廻り続ける社会。

上にいる30代がさまざまな軋轢でどんどんつぶれていくのを目にしている20代が「向上心や上昇志向の薄まり」にあったとしても何もおかしくなく、そういう意味ではもう限りなく手遅れに近い状態なのかも。


現状を認識して、足りない部分に人材なり税金を正しく導入し、これ以上先の展望が悲観的にならないように目指す、そんな方向に向かうマイナスをせめて0に戻すって意味での向上心は持ち続けたいところ。