アフィリエイト雑感

最近、２チャンネルのまとめサイト関連でアフィリエイトの是非について語られているのをよく見かける。定期的に話題になるこの手の話をきっかけにして、自分のアフィリエイトについての考えをまとめておこうと思う。

私もいくつかのウェブサイトを持っていて、今ではその大半でアフィリエイトを利用している。もちろん、小遣い稼ぎになればいいなぁってのもあるけど、それ以外にもいろんな商品の画像を自分のサイトに著作権を気にせず貼れるというのも大きい。

ネット上でのアフィリエイトに関する意見を眺めていると、どうも実際にアフィリエイトをやっている側とやっていない側の認識が大きくずれているのを感じます。ウェブサイトを作ったことがある人と無い人って言い方のが分かりやすいかな。

実際にウェブサイトを作成してて、アフィリエイトをしたことがある人なら分かると思いますが、テレビや雑誌、ネット上で盛んに宣伝されているアフィリエイトで大儲けってのは、よほどのアクセス数を稼いでいる人の話で、一日数百程度のアクセスのサイトだと小遣い稼ぎすら怪しい程度の収益しかないのが実情です。

そして、アフィリエイトを実際にしたことのない人が言う「単にコピペしただけでぼろ儲けしやがって、浅ましい」、そんなに簡単じゃありません（苦笑）　最近話題になっている２チャンネルのまとめサイト系でも、「スレを単にコピペしただけで・・・」という物言いをよく見かけますが、ならそういうあなたは同じことができるのかと言いたい。パッと見はコピペしただけに見えるかもしれないけど、ちゃんと面白くなるように発言を取捨選択し、見やすいように色や文字サイズを変えたりし、それはたぶんそういう作業をしたことのない人が考える以上に大変な手間がかかっています。そうやって大変な苦労の末、スレをまとめてくれる人がいるから、いろんな板の面白い話題を見られるようになった訳です。

読むだけの人は、ウェブサイトを作る人に対して「無償でそれを提供しろ」と言う。でも、それって単なる我侭ではないのか？

ウェブサイトを作る人は、何か形にして残したいってものがあるからウェブサイトを作るわけで、原動力は自分が何かを書きたい、残したいって内なる感情によるところが大きい。

でも、それを読んで楽しめた、何かを感じた、参考になった、そういう場合には作者に対してなんらかのお礼を渡してもいいんじゃないだろうか？　ウェブサイトを作る人は、アクセス数、コメントやトラックバック、ソーシャルブックマークでのブクマ、ウェブ拍手などいろんな自分のサイトへの反応をもらって嬉しいという気持ちがまたいい物を作ろうとする気持ちへと繋がっていくけれど、そこにアフィリエイトって項目が加わってもいいんじゃないのか。

アフィリエイトもそうだし、投げ銭のようなしくみでもそうだが、別に見にきた人全てからお代を頂こうって話ではない。払いたい人、参考になってそこで紹介されたものを買いたくなった人、楽しませてもらったからお礼をしたい人、そんな人が払うだけの話。払わなくていい自由もあるのだ。なのに「浅ましい！」と声高に主張するのはどうなんだろう？

アフィリエイト経由で何かを購入した場合に買ったものの値段が上がるということはない。単に販売会社が数％の広告料をそのサイトの作者にバックしてくれるだけで、自分の懐は痛めずにお礼ができるいい方法だと思うのだが。

アフィリエイトに対する浅ましいという感情が「ネットでうまいことやりやがってうらやましい」という妬みの感情の裏返しなのだったら、それはせっかくネットでいろんなものを公開してくれている人たちの足を引っ張る行為でしかないことをもっと自覚するべきだ。

何かを書く、作るという行為は見た目ほど楽な行為じゃないことは、実際に作っている人なら分かる。もちろん自分が書きたい、作りたいから作るんだけど、それを見て楽しんだ、感動した、参考になったって人たちは、もっとその人の作るものを見たいと思ったら、見てますよって反応でもいいし、応援のコメントでもいいし、アフィリエイトの利用でもいいしで、作者に頑張ってとお礼を返すって意識はもっとあってもいいと思う。それは作ってる人にとってものすごいありがたいことだから。

クリエイター（ウェブサイトの作者も含める）だって人間なんだ。ただ作るだけで反応も何もなかったらがっかりしてしまう。反応があったらもっといいもの作ろうって気になれるし、アフィリエイトで収入があれば、更に頑張ろうって気になるだろう。

自分が何かをネットで買うときに、自分の好きなサイトのアフィリエイトから購入するのがそんなに抵抗あることだろうか？　別にアフィリエイト経由で購入したからって購入代金が上乗せされるわけではなく、販売業者から数％の報酬がアフィリエイターに払われるだけだ。自分は何も損をせず、自分な好きなサイトのやる気がアップする、お互いにプラスになると思うのだが。

２チャンネル系のまとめスレの話題では、掲示板で書かれている元ネタを使って儲けているって点が気に入らないって人が多そうで、そこにはアフィリエイトに対する是非以外にも大勢の人が関与して作っている作品に対して、誰かが利益を上げることを良しとしない、そんな単なるアフィリエイトとはちょっと違う状況でもあるのが、問題をややこしくしている。

その辺に関しては、これからのネットワーカー達の行動が前例を作り上げ、今後どういう方向に向かうかを決めるのだろう。いろいろ考えることはありそうだ。

（参考記事）
アフィリエイトへの考え方 ひとりごと/ウェブリブログ
しっぽのブログ: はてなとWikiPediaの、のまネコ騒動の扱いが違い過ぎる件　コメント欄のやりとりが興味深い
（追記）
ARTIFACT@ハテナ系 - VIP系まとめサイトのアフィリエイトの話再び　今回の騒動について