性暴力ソフトだから槍玉にあげられたのならあまりに恣意的すぎる

「レイプレイ」というゲームが海外で問題視され、批判を受けている、とか、それを受けてソフ倫が自主規制を強めた、とかというのはこのダイアリーを読んでいる方なら何となくでも目に(耳に)した話題だろう。それに関連するのかどうかはわからないが、京都府警は「レイプレイ」の無修正改造版をファイル共有ソフトShareを使って流通させた男性をわいせつ物公然陳列容疑で逮捕した。

まぁ、これまでの経緯があったせいか、なんとも変なタイトルになっている。私が見た中では、産経の記事を転載しているInternetWatchの記事「性暴力ゲーム改造版をShareで放流、猥褻物陳列容疑で男性を逮捕」が一番適切なタイトルのようにも思えるが、それでも性暴力ゲームではなくアダルトゲームとしても良かったように思える。逮捕された理由だけを考えればね。

事の経緯を簡単に説明すると、アダルトゲームのモザイクなし改造バージョンをShareで流していたら、わいせつ物公然陳列罪で逮捕されちゃったよ、というところ。ただ、産経ニュースにもあるように

府警は当初、市販ソフトがネットに多数流出していたことに関する著作権法違反容疑で捜査していたが、より過激な内容に改造された点を重視、刑法のわいせつ物公然陳列容疑での立件に踏み切った。

過激性暴力ソフト流出で男を逮捕 京都府警 (1/2ページ) - MSN産経ニュース

と著作権侵害の線で捜査を進めていたが、その猥褻性を重視し、わいせつ物公然陳列容疑での立件に切り替えた、と。

とはいえ、メーカー側がこの状況にあって「レイプレイ」の著作権を侵害しされたと訴え出られるわけもないと思うけどね。いや、確かに著作権侵害なんだろうけど、藪蛇な批判を受けるのは避けたいだろうし、もはや販売中止になっている時点で損害を被るというわけでもない。どの時点で著作権侵害の訴えがあったのかはわからないが、現時点では著作権法違反容疑のみで検挙というのは無理筋のように思える。「それでも検挙しなければならない何か」が京都府警にはあったんじゃないの?と勘ぐってしまうのだが。

さらに、「より過激な内容に改造された」っていっても、モザイク外した程度だろう。身も蓋もない言い方をしてしまえば、そんなもんShareネットワーク内じゃ、当たり前に転がってるっつーの。

2ちゃんねるダウンロード板に投稿されたShareネットワーク内で流通しているファイル情報のデータベースShareファイル検索にて、無修正で検索をかけてみるとそれはそれは大量の猥褻ファイル情報が見つかる。ShareだろうがWinnyだろうがBitTorrentだろうかアップローダだろうが、大量の無修正ファイルがそこいらにゴロゴロ転がっている。

そこへ来て、なぜ「あえてレイプレイなのか」って話だよね。もっと言えば、Shareネットワークに転がってるのは無修正ファイルだけじゃない。もっとひどいものだってある。誰がどう見たって児童ポルノとしか思えないものもあるだろうし、本当のレイプビデオだって流れているだろう。それも無修正のね。現実に存在し流通しているファイルなら大概のものは集まっているのがファイル共有ネットワークなわけで。

京都府警ハイテク犯罪対策室ならそれを知らないわけじゃないだろう。なのになぜ、あえて「レイプレイ」なんだ?あまりに恣意的過ぎるんじゃないか?