ささやきが漏れ聞こえるとき〜はてブのプライベートユーザの仕様をめぐって

プライベートユーザは完全にプライベートなわけではない

はてブの「注目のエントリーの一覧」のページを開くと、タイトルの下にいくつかタグが表示されている。このタグが、プライベートユーザのつけたタグであっても見えてしまうことをご存知だろうか。
試しに、自分のアンテナをプライベートのサブアカウントでブックマークしてみた。

http://a.hatena.ne.jp/hatayasan/ の新着エントリー
新着エントリー一覧のページ。「サブアカでブクマ」というタグが表示されている。
はてなブックマーク - はてなアンテナ - hatayasanのアンテナ
コメントを閲覧できるエントリーページ。プライベートユーザのユーザ名やタグ等は表示されていない。

以上のように、「一覧のページでは表示されるが、エントリーページでは表示されないタグ」は、プライベートユーザがつけたタグである。
プライベートユーザのつけたタグが、エントリーの一覧のページ*1で表示されてしまう。この仕様をめぐっては今年の7月の「はてなブックマーク日記」でコメントしていて、はてブの産みの親であるnaoyaさんから回答をいただいている。naoyaさん曰く、「プライベートユーザのタグを消すことにシステム上負荷がかかるため、エントリーの一覧からはタグを除去する処理を省略している。仕様に矛盾があるので、近いうちにどうするか結論を出したい」とのことだった。

プライベートモードをどのように考えるか

はてブのプライベートモードの仕様を考えるにあたっては、二とおりのアプローチがあると思う。

  1. SBMは公開状態が前提であり、非公開はあくまで傍流の使い方に過ぎない。だから、多少のプライバシーがおろそかにされても、プライベートユーザは我慢すべきだろう。(完全にはプライベートでないことを容認する立場)
  2. SBMが公開を前提にしているとはいえ、プライベートモードを選択したユーザが安心してはてブを使える状態も同時に保障されなければならない。(完全にプライベートであることを要求する立場)

僕自身、プライベートユーザが自分のエントリーにどんなタグやコメントを残してくれているか個人的には興味はある。
ただ、自分専用のメモと割り切ってプライベートではてブを使っている場合、それが一部ではあれ漏れてしまうのを知ってしまうと、憤りはしないまでも少し焦ってしまうんでないかなあ、と思う。
どちらかといえば、僕は後者の考え方に近いかもしれない。

いまの仕様を悪用される恐れはないだろうか

まあ、こんなことに気づいたところで、大多数のプライベートユーザは大半のパブリックユーザ同様冷静に規律正しくタギングをしているのだろうし、重箱の隅をつつくような仕様の矛盾など、心配するに足りないと本来は一笑に付すべきなのだろう。
ただ、一覧のページをしばらく見ていると、この仕様が「匿名で特定のエントリーを攻撃したいユーザに格好の環境を与えるのではないか」と気になり始めた。
気に入らないエントリーやブックマーカーを「安全に」攻撃したければ、プライベートユーザの状態でネガティブなタグをつければよい。そうすれば一覧のページでそのタグをつけたエントリーを晒すことができるし、検索にも引っかかってはてブユーザ以外にもそのエントリーを見世物にすることができる。
「一体誰がこんなタグをつけだんだ」それに気づいた当事者が憤慨してエントリーページでブクマしたのが誰かを遡ろうとしても、そのようなタグをつけているのが誰かを知ることはできない。匿名で完結する「ステルス攻撃」である。
気になるきっかけになったタグを見てみよう。表現上適切でない語句ではあるが、あえてリンクを貼っておく。

はてなブックマーク - タグ 低リテラシー層
タグ「低リテラシー層」の注目エントリー一覧。エントリーページをめくっても誰がタグをつけたかわからないところに注目したい。
Google検索:はてなブックマーク - タグ 低リテラシー層
「低リテラシー層」をGoogleで検索すると、はてブの注目のエントリー一覧のページが1位に表示される。プライベートユーザの行動が検索エンジンに感知されてしまっている、ある意味でねじれたSMO*2。
はてなブックマーク - タグ「基地外」を含む注目エントリー
タグ「基地外」の注目エントリー一覧。タギングしたユーザがエントリーページでは見えないことに注目。

いまの状態は、もう少し広く知られてもいい

僕自身、「仕様に矛盾を含ませたはてなが悪い」「無遠慮なタグをつけるプライベートユーザが悪い」みたいなことを言いたいんじゃなくて、本来は聞こえないはずのプライベートユーザの囁きが聞こえてしまうことで、記事の筆者の感情にさざなみを立てることがあるのではないかということをまずは書き留めておきたかった。

  • プライベートユーザにもパブリックユーザ同様、空気で作られる「規律」のようなものを求めるのか
  • プライベートユーザはまったく別のセグメントに分離して視えなくしてしまうのか
  • あるいは今の状態をやむをえないとして、清濁併せ呑むのか。

このあたりもう少し突っ込んでDISられてもいいような気がするのだけど、どうだろうか。

*1:新着・注目・人気エントリーの一覧

*2:Social Media Optimization。ソーシャルメディア最適化。「メディア・パブ」の9月4日のエントリーに詳しい解説が載っている。これから流行りそうなキーワード。

大原野神社を往復

夕食後走りに出る。11kmのコースを走るのは4月12日以来ということがわかった。腹が膨れた状態で走ったのか間隔が空いたのか、4月に比べるとタイムが2分強(帰りは1分強)遅い。

データ項目 データ
ルート 自宅〜大原野神社を往復
走行距離 11.0km
コースタイム(往路) 30分18秒
コースタイム(復路) 29分32秒