感想 迂闊 『のみじょし』1巻

のみじょし 1 (バンブーコミックス)

のみじょし 1 (バンブーコミックス)

 大体の内容「酒飲みのお姉さんは好きですか?」。独身OL高須さん、人妻二児の母東雲さん、筋トレ大好き宮内さん。そんなアラサーの三人酒飲み話。それが『のみじょし』なのです。
 この漫画は基本的に、根本的に、根源的に酒飲み漫画でありますが、だからと言って酒や食いもののうんちくなどは入ったりせず、ただお姉さん達が酒飲んで食べて酔っぱらうのを見る漫画となっており、たったそれだけのことが、なんだかとっても、ありがてぇじゃねえか……、と、CV稲田徹で言いたくなる漫画であります。なので波乱とかそういうのは一切ない、と思っていただいて結構です。ただほのぼのと酒飲みをみる。特に理由もなく飲んだり、家に帰って駆けつけ一杯したり、クリスマスで飲んだり、温泉旅行で飲んだり、元旦からおせちで飲んだり、バレンタインでチョコとテイスティングしながら飲んだり、お花見で飲んだり、ととりあえず飲めるシチュエーションでは飲む。それだけのことですが、それで見る側も満足する、サティスファクションする。それがこの漫画の持つ不思議な魅力なのです。食物漫画のメインストリームがどんどんうんちくよりもただ食べる方向に習熟しているのも出てきた昨今において、この漫画もその例に倣う、ただ飲み食いするのが楽しい漫画とも言えます。食とはそれだけでエンターテインメント性を持っている、とでもいいましょうか。必ずする事だからこそ、不必要なまでのうんちくより、ただ食べて嬉しそうにするのが見ていて気持ちいい。気分がいい。そういう方向もあり、それがこの漫画にも作用しているという考え方も可能です。後、単純に、女の人が楽しそうになにかしているのは美しいというか、男だとこうはいかない雰囲気がいいのもあるのです。いや、男同士でも出来ないことじゃないですが、でも、それが女性だと色の違いが歴然とするのです。理系男子より理系女子の方が見ていて気持ちいいものだったろう? と青木潤太郎&わだぺん。『℃りけい。』の例を挙げれば、分かっていただける方もいるでしょう。多くはないでしょうが。


帰って一杯の、この顔ですよ。

 さておき。
 初巻なので登場人物紹介をしていきましょうか。


こういうテンションがたまによくある。

 高須さん。独身OL29歳。この漫画で一番大きいリアクションを取るし、話を振る方。メインパーソナリティ―と言えましょう。リアクション大き過ぎて偶に他の二人の迷惑になっているのでは? と思うけど東雲さんも宮内さんも慣れているので問題ない辺り、麗しい友情ですね? 後、酒好きが会社でも知られていて、この映像のカニ解禁回の解禁日だからね! で酒断ってたわけないな、とあっさり見破られる辺りでそれがどれだけかわかろうものです。それだから尿酸値が……。


楽しい我が家。

 東雲さん。主婦で二児の母で29歳。ぱっと見のおっとり具合と偶に高須さんに見せるおかんっぽい所とが組み合わさって人妻って最高だな! と思わされます。会話は大体高須さんの言葉を受けるパターンが多くみえますが、そりゃ高須さんのリアクションだけで十分会話になりますわな。夫との仲は今でもラブラブ。ラブラブの夫婦っていいですよね。それだけで幸せの空気。それが周りに癒しとして発散されてる節も。


筋トレの鬼だ……。

 宮内さん。独身で書店員の29歳。ぱっと見通りの体育会系なのに書店員って、とも思いますが、書店は体力仕事なので力を付けなければ務まらないのだと理解すればよいと思います。この回以外にも折を見てジムへ勧誘してたので、それが成った嬉しさでテンション高めなのが上の画像であります。三人の中ではすっぱりと切るタイプで、高須さんへの突っ込みの鋭角の方とも言えます。鈍角の方は東雲さんですね。高須さんより独身を気にしてないのは、やっぱり彼氏とかいるんだろうか……。
 大体この三人で回していくのがこの漫画であります。
 最後に好きな回の話でもすると、やはりカニ解禁回でしょう。高須さんのテンションが終始おかしい、上のカニ解禁! とか尊いよー! とか見ていて楽しい回です。あまりのテンションに他の二人が突っ込みきれないというのもいいですね。高須さんの最大パワーと言えましょう。そんなテンションを見て、いいなあ、と思う。それがこの漫画の楽しみ方であります。