渋谷系っていうのは、昭和歌謡の再評価のムーブメントでもあった

例えばエゴラッピンとかクレイジーケンバンドなんかがくくられるような昭和歌謡ブームというのがあるとして(多分ある)、そのブームの根っこにあるのも大きく言えば「小西、小山田的」といえるかも。しかし、そう言い切ってしまうと「違うだろ」と怒られたりする。id:VanDykeParks2さんみたいに。でもそんな批判には「小西、小山田的」からの影響を意図的に打ち消そうという“偽史”の塗り替え願望も多分に混じっているとも思った(擁護ね、自分にも反発があるしね)。

まあ、それは関係なく昭和歌謡ブームの背景をちょっと細かく分けてみるとこんな感じか?

  • シミュラクル昭和派=コモエスタ八重樫→パノラママンボボーイズという昭和をミッドセンチュリーモダン的に称揚する運動から派生
  • 和モノ=小西康陽、クボタタケシらによるレア・グルーブ、ヒップホップ的な歌謡曲再解釈運動
  • NUTS=オザケン、スチャダラ周辺による80年代歌謡曲を懐メロと解釈する運動
  • ナイアガラー=大滝、山下達郎、はっぴぃえんど及びキャラメルママ近辺人脈の歌謡曲仕事を再評価する運動
  • フォーキー=サニーデイ辺りから70年代のフォーク的音楽に遡った一派。洋楽に興味が薄いところがナイアガラーとの違いか?
  • カルトGS=ネオモッズ経由のGSを再評価運動、ガレージロックとしてのGS
  • 幻の名盤解放同盟=根本敬、湯浅学らが始めたモンド歌謡発掘運動
  • HotWax派=60年代、70年代の東映、日活のアクション映画に関わる音楽のファン。今はHotWaxが拾い上げているけど、元々タランティーノ経由、映画秘宝周辺から派生

多分、まだまだあるだろうし、この分類に批判も有るはず。上の3つは大きく分けて渋谷系と同根。でもナイアガラをどう解釈するかが僕にはわからない。
で、自分はこのうちのどれかというと、コモエスタ八重樫経由でもあるし、直接的にはクボタタケシの影響でもあるし、プチナイアガラーでもあるし、どれとは言いがたい部分がある。