モバイルブラウジングと携帯端末の行く先

( CNET Japan )
グリーはどこへ行くのか


こういう記事を読むとどうにも複雑な気持ちになる。


WEBサービス側は確かに進化し続けておりユーザもついてきている。モバイルでインターネットに接続して使用する人数がPC経由の人数を上回ったそうだ。
かくいう僕もケータイでグリーに参加してるクチだが、なかなか便利である。ユーザ数が増えるのも理解できるし今後期待できるマーケットの一つになるだろう。


だからこそモバイルに注目して投資を行う企業が増え始めたのだと思う。
HSDPAやWi-Fiなんかも導入されればさらに高速大容量の通信が可能になり、いよいよケータイの世界もブロードバンド化が進むわけで、サービスの多様化が始まるのは火を見るより明らか。PCの世界でWEB2.0への変革が起きたのと同じ事がケータイ上でもバンバン起こるんだろう。


しかし。
(ケータイに限っていうが)端末開発の方向性は迷走気味だ。今後始まる変革を予測した機能進化に向かっているとは感じられない。
DTV、GPS、FeliCa、音楽等、カタログで目立つ機能ばかり載っけていて方向性が非常に疑わしい。ネットが無くても通用するような機能ばかりにチカラを割いてるんじゃないの?って気がしてくる。
PCのようにIE、Opera、firefoxなどを選べたり好き勝手な拡張機能をプラグインできるわけでもない。
メールやブログを書こうと思っても文字入力の操作性はあまりにも貧弱なままだ。
WEBサービスを使うのに重要な点が軽視されてるように思えてならない。


たしかにNEC+PanasonicがLinuxで合弁したりしている。体質強化は進んでいるのだろう。
しかしここ最近で合弁や協業が発生しているのは端末メーカ同士のものがほとんどで、その目的はプラットフォームの一元化や共同開発によるコスト削減だ。肝心のインターネットアプリケーションの進化がまったく軽視されているように見えてならない。
こうしたアプリケーションはNTT DoCoMoやKDDI、Softbankなどキャリア側がアプリケーションを選定し、端末メーカへ押しつける構図になってる点も一因かもしれない。
NetFrontやOpenWave、時々Operaって感じ。メールに至ってはてんでめちゃめちゃ。文字入力もバグりまくっちゃ。
サードパーティが作ってくるJIGブラウザのようなアプリの方がよっぽどデキがいい。


王者NOKIAはさすが視点が違う。昨年の時点で既にこんなのを商品化している。
日本のメーカでこんなのやろうとする会社なんて一社もない。ま、キャリアがやらせないんだろうけど。こりゃ勝てないわけだ。


モバイル向けWEB2.0は、多くのWEBサービスを担う会社が既に保持しているPCユーザ対象のWEB2.0的コンテンツをモバイル向けに使えるように改造するところから始まっている。
とするならば改造無しでそのままPC向けサイトを使えるモバイル端末が出てくるべきと考えるのが本来の進化の筋道ではないだろうか。
モバイル向けサイトってヤツを作らせてしまう今の端末事情は、結局ネットのあちら側の進化の足かせになっているように思えてならない。