モチベーションは楽しさ創造から

自分自身のモチベーションアップ、仕事を楽しくする方法から、部下・上司・顧客のモチベーションアップのヒントとなるノウハウ、コラムをまとめたブログです

映画「おくりびと」から学ぶ〜仕事をワンステージレベルアップするヒント

新しい本を書き上げるために、だいぶん、ブログお休みにしていました。

だいぶ、書きたい事も貯まっているので、ちょっと頻度を上げて更新しようと思っています。





ちょっと古くなるんですけど、先週「おくりびと」を見ました。

私は映画でもDVDでも、見逃していたので、今回がはじめて見ることになりました。

とても、面白い映画だったのですが、この映画、見る人によってかなり、捉え方が異なるのだろうなといのが感想です。





で、私の捉え方は、「仕事の楽しさ」とは?という捉え方で見てしまいました。





「納棺師」という仕事は、今までだったら、あまり「やりたい」という人がいない職業です。

映画の中でも主人公は、奥さんに「納棺師」と言うことが恥ずかしくて、隠れて仕事をしています。仕事のことが、周囲にばれていきます。

友人達からも「もっとましな仕事をしろよ」とか蔑まれるシーンもでてきます。

仕事に行ったお客様の所では、「死体で儲けやがって」なんて言葉を言われます。

挙げ句には、奥さんからも、仕事を変えてくれないのなら、「別れる」と言われ、家から飛び出していくなんてシーンも。

世の中にとっては、絶対に必要な仕事です。納棺師がいなければ、葬儀もできないワケですからねぇ。

そんな仕事でも、世間の目は、厳しい仕事です。必要な仕事なのだけれど、下に見られがちな仕事です。





普通の人だったら死体に触るのも怖い話ですし(身内でも)、普通の死体ばかりではなく、腐乱死体のようなものもたくさんある。

この映画を見る前までは、私もそんなイメージでした。

私も、何人か身内を葬式に出したので、納棺師の人に来て貰ったのですが、ラストシーンに出てくる納棺師(主人公の父を納棺しにきた葬儀業者の人達)そのものでした。

「こんにちは。ご遺体はどこですか?」

「それでは、はじめさせてもらいますね・・」

機械的に、ビジネスライクに、どんどん仕事を進めていかれました。

その状況を見て、思ったものです。

「人間って、死んだ瞬間からモノになってしまうんだなぁ」と・・





それが、この映画を見ると違うんですよね。

主人公の上司である、山崎努。そして主人公の本木さん。彼らが演じる、納棺師は、私が今まで出会った納棺師とはまったく違いました。

彼らの所作を見ていると、「死体をモノ」として扱っていないんですね。

彼らは、死体を「生きている人の崇高なる最後」として扱っているんです。

「死体」を「人間」として扱っているのが分かる。





この違いは、私が知っている納棺師の人と、おくりびとに出てくる2人の納棺師。

同じ仕事なのですが、全く違う。

この違いは、2つによって感じるのではないか?



一つは、「納棺師」という仕事の「志の違い」です。

「志」とは、「何のために、その仕事をやっているのか?」ということです。

一方は、「遺族の変わりに、死体を棺桶に入れてあげる」という志。それが済めば、仕事は完了!

もう一方は、「周囲の人々に美しくて思い出として残るような、尊厳のある最後の旅立ちを演出してあげる」という志。

同じ仕事だけれど、どんな志を持って仕事に取り組むかで、全く違って見える。





もう一つは、「所作」です。

一方は、「死体を棺桶に入れるのが仕事」と思っているので、機械的に、やっつけ仕事、効率を重視して仕事をしているのが分かる所作。

もう一方は、芸術的で、詳細にまで気を遣った、まるで何かの芸事を見ているように、一つ一つの所作を決めていく姿。この姿を見ているだけで、彼らの志が伝わってくるのです。

映画では、この芸術的な「所作」を見ることで、周囲の友人や家族の誤解「納棺師をバカにしたような態度」が、

「素晴らしい仕事をやってくれている。私も、死に際しては、彼にやってもらいたい」という尊敬の念に変わっていくのでした。





この映画を見て改めて思いました。

「どんな仕事」も志を持てば、ホントに素晴らしい仕事になる。

その志を実現するためにという目的意識を持って、仕事のルーチンに一つ一つに気を遣っていけば、同じ仕事でも芸術になる。



逆に志を持たずして仕事を行ってしまえば、同じ仕事でも全く違ったモノになっていく。





私達の仕事も、是非、おくりびとのような仕事にしていきたいものです。