神作画のクソアニメ『ポッピンQ』徹底批評

 

 
 東映アニメ60周年記念オリジナル作品として、大々的に宣伝されながらも、観客の入りは少なく、歴史的大爆死が確定している、この『ポッピンQ』。
 
 イメージ原案、主題歌は良く、アニメ作画は最高の出来だといっていい。
 それなのに、キャラ設定が悪く、シナリオ展開が最悪のために、とんでもない駄作になっている。
 不思議と1800円払って損をした気分にはならない。
 「お金がかかっている」ことは見ていて伝わるし、「シナリオが未消化」ということもない。
 ただ、シナリオが小さくまとまりすぎて、自己完結してしまっている。
 低いハードルを、特に華麗というわけではない飛び方で、ジャンプするだけの内容だ。
 予定調和の試練に感情移入できるほど物好きな連中はいない。
 そもそも、95分のオリジナル作品で5人組少女を出すという企画自体が無理な話。
 そのくせ、五人全員の試練の克服を描いているのだから、そりゃ浅い展開になってしまう。
 あと、『ポッピンQ』に決定的に欠けているのは、制作者側のこだわり。
 例えば、ヒロインたちが全然エロくないのもその一つ。
 これは『ポッピンQ』が、誰でも(女児や男オタクだけでなく、女性も)楽しめる作品という使命のもとに作られたからだろう。
 しかし、そのおかげで男オタクに「また見よう」と思わせる動機が生まれなかった。
 中三の女の子を描くのならば、フェチシズムを追求した表現を見せるべきではなかったか。
 クライマックスのダンスシーンは圧巻だが「すごいMMD」でしかなく、独自性はない。
 そして、ラストでは感動のカケラすらなく、乾いた笑い声を立てることしかできない。
 「丁寧だが面白味のない」失敗作といえる。
 
 このように『ポッピンQ』は「ダメな映画とはなにか?」を知る格好の素材なので、何かを批判したい方は鑑賞することをお勧めする。
 以下、くわしい批評である。
(ネタバレはできるだけ防いだつもり)
  
【目次】 
(1) イメージ原案、主題歌、アニメ作画は素晴らしい
(2) 共感できず、エロくもない五人の中三ヒロイン
(3) 95分のオリジナル作品で五人組は企画ミス
(4) 愛らしい外見だがこざかしいポッピン族
(5) 高知県に無人自動改札機はない
(6) 東映アニメ60周年記念作品←駄作フラグ
 

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