「涼宮ハルヒの憂鬱」の小説がテレビ未放送の地域で完売という不思議

あうあう、なんだか更新が出来ねえズラ。GWになれば…GWになればなんとかなる…('A`)
それで「涼宮ハルヒの憂鬱」なんですが、今日「よつばと!」の5巻を買いに本屋へ行ったついでに見たら、見事小説が売り切れてましたな。
たまたまその本屋で無かっただけかな?と別な本屋にも寄ってみたのですが、ここでも「溜息」「退屈」なんかは数冊残って新刊に近づくにつれ、冊数が増えてましたが、「憂鬱」だけは売り切れでした。
これが関東とか、ハルヒの放送されてる地域なら「まあ旬のものだしねー」で済むのですが、問題は、僕の地元で放送されてないってことなんですよね。
友人から「ハルヒはここでも売れてるよ」なんて話を聞いて、「えー、だってハルヒは隣の県まで行かないと見れないじゃん。なんで人気が出んのよ」と半信半疑だったのですが、実際の状況を見て驚きました。


さて、ここで何時ものように「うちの地元でハルヒが売れる理由」をチャートにしてみますと、次のようになるのではないかなと思います。

1:アニメをみている上で買った

    1. アニメを非合法な手段(winny、youtubeなどのネットを仲介して見た、放送されたものを録画した海賊版DVDを仕入れて観た、等など)で見たところ、面白かったので買った
    2. アニメを合法的な手段で見たら面白かったので買った

    「合法的な手段」について

      1. 他地域まで足を運んで観た
      2. 家の立地条件により他地域の電波が入るため、本来地元での放送ではないが観れた
      3. 他地域在住で、ハルヒを本放送で観ており、偶々他県の本屋で小説を買っただけ
      4. 脳内アンテナで京都アニメーションの製作現場から直接受信。来てます来てます。

2:アニメをみていないが買った

    1. ハルヒのアニメ化とは関係なく、純粋に本屋で見かけた小説が面白そうだったから買った
    2. ネットやアニメ雑誌で話題になってるので、アニメ自体は見れないが買った
      1. アニメを観たいと強くは望まないが、ネット上の話題についてくためにとりあえず買った
      2. アニメを観たいと強く望むが、観れない代償として小説を買った。

んーと、まあまだまだ挙げられそう&なんか見落としてるような気がなんとなくします、が、とりあえず今思いつくところでこんなもんっつうことで。
さて、この中で一番現実味が薄いのは1-2のあたりでしょうな。最後は冗談として、他のも、一人か二人はそういう人物もいるやも知れませんが、どこの本屋も完売になるほどの数は居ないでしょう。まあ、そこまでコアなファンが一人で何冊も買いまくって、ただでさえ在庫の少ないものを買いつくしたという可能性もありますが。あ、店舗側の在庫状況を考慮に入れてなかったな。まあでも「ハルヒ」の他のシリーズは平積みになってたわけですし、そのような人たちだけの手によるものという可能性は、物凄く低いです。
ということは、「アニメを見ている上でハルヒの小説を買った」層がいるとすれば、それは殆どの確立で1-1の「違法な手段で見た人たち」ということになります。ですがこれは、その量の測定が非情に難しい。
まあ、それはひとまず置いておきましょう。
で、「アニメを見てないけど買った」層についてですが、2-1という人もいないわけではないでしょうが、そのような人が今の時期に偶然大量発生したということは考えにくいです。
ということは、大概が、アニメそのものを直接みるのでなく、雑誌やネットなどの媒体を通じて「今ハルヒがアニメ化されてブームらしい」という情報を得てその小説を買ったということになります。
で、2-2-1と2-2-2のどちらが数として多いかという問題ですが、これは多分「見たいけど見れないから小説を買った」というほうが正しいでしょう。さすがにネット上だけのつきあいの人たちと話題を合わせるためだけに、大して興味もない小説を買う人がそんな大量に存在するとは思えません。地元のリアル友人と話題を共有するようなものなら話しは別かも知れませんが、この件のように「本来は見れないはずのものに関連するもの」という条件では、それもありえなさそうです。だって、「本来見れないはずのもの」がコミュニケーションのために押さえておくべきものになる、ってことはまずないでしょう。
だから、誰に「買わなきゃだめだ」という圧力をうけたわけでもなく、当人が「アニメみたい!」と思うのだと。「でもハルヒのアニメはうちでは見れない!でもネット上では凄い盛り上がってる!しかたない、手に入るもので我慢しよう」と、皆小説を購入することになるのですな。


で、『「涼宮ハルヒの憂鬱」の小説がテレビ未放送の地域でなぜ完売してるのか』という話しを自分なりにまとめますと、1-1や2-2-2のような「話題作なので見たい、けど見れない(よってネットなんかで見たら面白かった)から小説を買う」という人が購買層の大半で、それにより書店でも「この作品が今売れるのか」となって本棚の目に付くところに置かれるようになり、2-1のような偶々書店で見かけて良さそうだったから買う人たちを生み出すと。で、さらにその周辺で売り上げに貢献するのが、1-2の人たちなのではないかなと。


ということで、ハルヒが僕の地元でアニメやってないのに小説が売れているのは、上記のような理由からだと考えられます。
それで、なんでこんなことを書いたかというと、結局「環境的に厳しい地方にもアニメを消費したいと思うオタク層は多い」ということなんですよ。それは顕在化こそしませんが、地方のオタクも確実に絶対数として存在するんです。
そして、それらの地方オタクは、殆どマーケティングの対象外とされているという事実です。
要するに、「こいつらにゃどうせ売れないし、売ったところで大した金にゃならん、捨て置け」と思われてるのですね。証拠に、少なくともうちの地元ではまともなDVDショップというものが存在しません。本屋やCD屋のオマケ程度にちょこっとあるだけで、そのなかでまたアニメ枠となると本当に限られてしまい、どうしてもジブリやキッズアニメ、ガンダムシードなんかの手堅いもの・腐女子ウケするものしか置いてないのです。*1
そりゃ確かに東京圏のオタクとかに比べると購買層の厚みや購買力なんかは格段に落ちるでしょうが、それはオタク的コンテンツに乏しいため、薄いオタクはオタクから離れてしまい、濃いオタクはなんとかリアルタイムでコンテンツを入手しようとして違法な手段に訴え、結果的に利益を損なうことになるという、「地方オタ悪循環」が出来上がっているためなのですね。
それでも、可能なら消費したいと思ってるんですよ、地方のオタでも。だからハルヒの小説が売れるんです。
ただ、現在では、地方オタは、東京圏のオタに比べて、DVDやなんかを買うのに高いリスクを背負っています。それが果たして5.6000円も出すに足りるものなのか?その見極めが非情に困難だからです。もし買って駄作だったら、そう考えると迂闊にDVDも買えない。
僕はアニメや漫画やラノベなんかの産業がこれからも繁栄しようとするなら地方に客を広げにゃならんと割合本気で考えてたりするので、志ある企業には、この悪循環を絶つようなことして欲しいのですが、非情に難しい話ですしね…
とはいえど、草の根で「もっと地方オタにアニメみせろー」とか言っても結局限界があるわけですし…
でも、「二次元へいきまっしょい」なんか見てると、たまーにそういう話題も出てくるんですよね。比嘉さんはこの間のポッドキャストでも沖縄の窮状を嘆いてましたし。
だから、本田透さんの近辺が、もう業界に結構な影響力を持ってるでしょうから、そういうところについての言及を増やしてくれれば、今までオタク内のインビジブル層である地方オタにも日があたることになるのではないかなと思うんだけど、まあ妄想どころか夢想ですなコリャ。
また最後のほうが論理的にちょいとゴチャゴチャしてるというかわかりにくいなあ、でも直してる気力も無いズラ('A`)

*1:そういや腐女子向けのものはなんかやたら置いてあるような気が。女の子のほうが地方はDVD消費が激しいのかな?腐女子向けのアニメなら地方でもやってたりするしなあ。「ホスト部」はやってないけど